患者が薬局を選ぶ基準に理想論を持ち込む人達に驚愕



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2018年10月18日、厚生労働審議会医薬品医療機器制度部会が開催され、19年4月の医薬品医療機器等法(薬機法)の改正に向けた議論が行われた。
日薬、薬局を機能で3つに分類するよう提案




まだ議事録も出ていない段階ですが

DIオンラインの記事を見た限りでは

参加している議員はもちろんですが

肝心の日薬ですら本当に理想論しか語っていません。



特に象徴的なことが「薬局を3つの機能に別ける」というものです。

・基本的な機能を有する薬局
・いわゆるかかりつけ薬局
・抗癌剤等の高度薬学管理機能を有した薬局

薬局をこれらの3つの機能に分類するような制度設計の提案です。

一見、薬局の機能がしっかり分類されて

その中で個々の薬局が自分の役割をこなせばよく

患者さんにとっても理想的な形であるように見えます。


認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏も

「患者が薬局を選ぶ基準が分かるように、薬局が果たし得る役割は何なのかという全体像を出した上で、どれをやっている薬局なのかを見えるようにしていくことが必要」

と言っています。


でもこの意見に賛同しているお偉い方は

患者さんが薬局を選ぶ理由を

「薬局の機能」で選ぶことがどれだけ非現実的か

分かっているのでしょうか。



例えば最近の例で言えば

敷地内薬局の制度緩和についての千葉大学の調査において

なんと患者の98.8%が「良い」と回答したらしく

ほぼ全員が敷地内薬局の存在に好印象を抱いています。

敷地内薬局、患者の98.8%が「良い」より

その理由はなぜか?

敷地内薬局の方が医療機関の意図をしっかり汲み取って

質の高い服薬指導を行っているからでしょうか。

そんなはずはありません。

これだけ敷地内薬局が好評なのは

薬局を選ぶ基準はいつの時代も立地がモノを言うからです。


もちろん世の中の6万件近い調剤薬局の全てが立地で選ばれたとは言いません。

中には特定の薬局・薬剤師への信頼の元

処方箋を持って行く関係の所もあるでしょう。

千葉大学病院の聞き取り調査でも98.8%が良いと答えたからと言って

98.8%の全ての患者さんが

敷地内薬局に処方箋を持っていくわけではないと思います。


しかしいくら「立地に依存しない薬局」を目指した所で

近年の状況を見ればそれがどれだけ難しいことかと言うのは一目瞭然。


病院の目の前の景色を変えるどころか敷地内薬局が跋扈している現状です。




つまり薬局側の機能を勝手に3つに分類した所で

結局患者さんは利便性の高い薬局を利用するだけになるのではないでしょうか。


たとえば複数の医療機関を受診している人は

自分の「かかりつけ」の薬局をつくり

そこで「かかりつけ薬剤師」の契約をすることで

薬の一元管理を行う制度が導入されてしばらくたちますが

薬局の構図は大きく変わったでしょうか。


結局これまでの通っていた薬局の薬剤師に

なんだか良く分からないまま同意書を書かされて

そこが自分のかかりつけ薬局・薬剤師になっていたケースがほとんどで

その過程に患者さんが「薬局を機能で選んで評価した結果」であるとは

到底思えません。

そこに「信用・信頼」があったのかも不明確です。




これはしっかり選ばない患者さんが悪いという話しではなく

下手に理想を語ってしまった制度設計の失敗だと思うんです。
(もちろん利益目的で加算をとる薬局も悪いです)


今回もまた医療を提供する側の理想論だけで話が進み

当事者の患者さんが置いてきぼりの議論が始まっています。



そしてそれを提案したのが日薬というありさま。

薬局を分類して減算する既定路線を自ら提供するとは流石です。


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今さら日薬が敷地内薬局誘致に反対しても遅い



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敷地内薬局を巡っては、東京大学医学部附属病院で敷地内薬局が可能なアメニティ施設の公募が行われており、都薬が日薬に対して協力を要請している。
敷地内薬局の状況説明と対応協議



これまで敷地内薬局に関しての薬剤師会の対応としては

反対こそすれど本腰を入れての反対の動きはほぼありませんでした。

ただ今回東京大学医学部附属病院が敷地内薬局の誘致に乗り出したことから

何だか雲行きが変わってきましたね。

「厚労省だけでなく、所管の文科省にも意見はしている。場合によっては政治方面からのアプローチを考えなくてはならない」

とした山本会長の発言からも

これまでとは敷地内薬局への対応が違うことが見て取れます。


でも個人的にはこの日薬の動きは全く賛同できません。

正直「今さら」感が強すぎます。






そもそも敷地内薬局に関しての是非についてですが

これは個々の薬剤師においてそれぞれ意見が異なります。

敷地内賛成の意見もあれば反対意見もあり

まさに賛否両論です。

ただどれだけ個々の薬剤師が持論を持っていたとしても

「日本薬剤師会として敷地内薬局は断固として反対する」

このスタンスであることは揺らぎません。


でも現状を見てみればびっくりしますよね。

だって全国的に薬剤師会が敷地内薬局に名乗りを挙げており

鳥取県の場合は当時の薬剤師会会長が敷地内薬局に名乗りを挙げて

その結果薬剤師会を辞める自体にまで発展しましたが

今度は石巻薬剤師会、新庄最上薬剤師会が敷地内薬局に名乗りを挙げています。

まあ石巻市は少し事情と形式が違うためここでは触れませんが

新庄最上薬剤師会に至っては正直意味が分かりません。




新庄最上薬剤師会は「地域につなぐ役割を担う」とし

同時に薬剤師の確保や採算の問題が挙がっていますが

そもそもボランティアではありませんので

薬剤師雇用確保・賃料のためにもそれなりの利益を出す必要もあり

そんな中で自分たちの利益は置いておいて

「地域につなぐ役割を担う」という事が果たして可能なのか甚だ疑問です。


また、薬剤師会自らがそんな

体のいい理由をつけて敷地内薬局に名乗りを挙げる事が

他の敷地内薬局に名乗りを挙げる薬局にとっても

都合のいい理由を提供してしまっている事をもっと自覚すべきでしょう。




最近の一連の敷地内薬局に対する意見の中にも

「敷地内や門前や面ですみ分けができればいい」

という意見もありますが

そもそも高い賃貸や諸々を払ってボランティアをする訳ありませんし

大分シビアな計算をしている大手ばかりが敷地内に参入している事を考えても

それらは第三者によるただの「勝手な願望」でしかありませんよね。








という事でまずは日本薬剤師会として

この統制のなさをどうにかすべきだと思うんです。

今さら日薬がどれだけ正論を吐いたところで

身内が敷地内薬局に名乗りを挙げている限り無意味です。




また今回日薬が動きだしたタイミングも正直理解できません。

というのも現在全国で敷地内誘致の動きは64件になるらしいのですが

ではどうして今まで重い腰を上げなかったのか?

地方の敷地内誘致の件は結局「地方の問題」だったのか?

今回日薬は東京薬剤師会が協力を仰いだから動いただけではないのか?

と、今回の行動に対して理解しがたいことばかりになってしまいます。


今回の日薬の対応ははっきり言って遅すぎですし

パフォーマンスだとしても逆効果でしかありません。


厚労省や文科省や政治方面からのアプローチを考えるのであれば

敷地内薬局の規制緩和が決定した瞬間にやるべきでしたし

今頃になって動き出してもこれをひっくり返すことは

相当難しいと思います。



逆にこれまで大きな動きがなかったことは

敷地内薬局を黙認していたのではと受け取られても仕方ありません。


と、今回の日薬の動きに対して否定的な立場なんですが

正直薬剤師会だけでなく医師会に対しても意味が分かりません。


医師会は以前、上場企業の某調剤チェーンに対して

「公的医療保険を使って内部留保が~、社長の報酬が~」

と言って批難していました。

個人的には上場企業の利益全てが医療保険で得た利益ではないため

その批判は的外れである一方で理解できる部分もあると考えます。


ただこの敷地内薬局に関しては完全に

その医療保険の利益を賃料を介して吸い取っている形であり

あれ程「薬局は不要」「門前薬局は相応しくない」としておきながら

医療機関側が敷地内薬局を誘致するのは支離滅裂です。








と言う事で統制がとれていないのは

医師会も薬剤師会も同じですが

大してデメリットがない医師会とは違い

薬剤師会の対応は終始悪手だとしか思えません。


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3つの処方提案から考えること



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DIオンラインの記事を読んで

ちょっと考える所がありました。

それは以下の記事についてなんですが


⇒卸の“調剤提案”に感じた、いら立ちと気付き



記事をざっと要約すると

ガスモチン散が卸の在庫の関係ですぐには入らない

卸からガスモチン錠を粉砕してはどうかと提案を受ける

患者を見ずに薬だけ見た提案に苛立つ

これは制度部会で医師会の某氏が発言した「処方提案は不要」と実は同じなのではと気付く



と言えると思います。

確かに薬剤師が薬だけを見て患者さんの背景を見てないのに

医師に対して薬だけ提案をするのであれば

実際に処方する医師からすれば

責任を負う立場もありますし

医師と患者さんの信頼関係においても

かなりデリケートな問題になるでしょう。

薬剤師側もおいそれと処方提案などと口にすべきではないというのは

筋が通っているように思えます。


ただ、これは似ている様で全く違う話しだと思うんです。






まず処方提案を大きく3つに分類するとすれば

おおよそ以下の3つに分類されるのではないでしょうか。



① 患者を見ずに薬だけを見る
② 患者を見ている「つもり」になっている
③ 患者も薬も見る



ざっくりこの3つになると思うんです。



まず①患者を見ずに薬だけを見るですが

例えば薬局の在庫上の問題で薬を代えるための処方提案。



そして②の患者を見ている「つもり」になっている

ですが、これは例えば患者さんが薬局に来ていきなり

「実は風邪薬も欲しかったの」と言われて

医師側に感冒症状の薬を提案する場合などが該当するでしょう。

この場合は医師の診察をしていない状況での薬剤師側の提案なので

あくまでも薬剤師側の判断に基づいた処方提案となります。
(もちろん併用薬や持病などの持っている情報を踏まえた上での処方提案です)


そして③患者も薬も見る

ですが、これは制度部会でも答えていたように

例えば在宅訪問時にアドヒアランスが不良の場合において

それを改善するための情報提供としての処方提案などが該当するでしょう。



そして処方提案をこの3つに分類するのであれば

ガスモチン錠がないためガスモチン散の粉砕を提案する事は

完全に①に分類されるんですよね。


つまり患者さんも見る事なく

薬局の都合によって薬だけしか見てない状況となります。



ただ先の制度部会で某氏の「処方提案不要」発言に対して

多くの薬剤師から反発があったのは

決してこのケースを想定した訳ではありませんよね。

「薬局の在庫のために医師は処方提案を受け入れるべき」
「これを制度部会で否定するなんておかしい」

とはおそらく多く人は思っていません。


薬局の都合で薬だけしか見ずに処方提案してそれが否定されても

おそらく多くの薬剤師は「まあそうだよね」と思うはずです。


もちろん

「患者さんが錠剤が飲みにくいと言っているので散剤にしてはどうか?」

などの処方提案を不要とされるのであれば話はまた違ってくると思います。



では件の制度部会で

薬剤師側が納得がいかなかった理由はなぜかと言えば

おそらくできる限りの情報を持って

患者さんの事を考えて薬を提案しているのに

それを不要と一蹴されたからだと思うんです。

言わば③が全否定されたからではないでしょうか。

そしてそれと同時に

医師に対して反論でもない、あくまでも「提案」の分類であるにも関わらず

選択肢の1つの提供であることすら不要と発言されたことに

憤りを感じたのではないでしょうか。






ただこの話の恐ろしいところは

仮に薬剤師側が患者さんのことを思って処方提案を行っても

それが医師側にとっては

①~③のどれを持ってして処方提案をしているか

分からないという事です。



ただし①の薬局の在庫の都合上のための処方提案も

個人的には絶対に悪いとは思いません。

場合によっては仕方ない場面も絶対出てくるからです。



ですから色んな背景を考慮して行う

最適解を見つける処方提案と言うのは非常に奥が深いテーマだと思います。



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と言う事で、ちょうどいいタイトルの書籍がありましたので紹介しておきます。



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