OTCへのスイッチ化は根本的に難しいと思った瞬間



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   



先日PPIのスイッチ化が不可になりましたが

おそらく今後もあらゆる医療用医薬品のスイッチ化は

厳しいものになるだろうと確信しました。



そもそも今回のPPIのスイッチ化が不可とされた決定打は

「現状においてOTCが適切に販売されていない現状がある」

という事が理由と言っても過言ではありません。



ただ、今後も薬剤師・登録販売者によって適切な販売が行われないことが

スイッチ化の議論の際に引き合いに出されて

待てど暮らせどスイッチ化が進まない可能性もあるのであれば

まずは販売する側が襟を正してから

今後スイッチ化の是非において適切な議論を行うべきだと

以前ここでも書きました。

PPIのスイッチ化不可の本質的な問題



ただもはやそんな次元ではなく

スイッチ化は根本的に難しいことだと感じました。


ではどうしてそう思ったのかと言いますと

そもそも今回のPPIのスイッチ化が見送りになった原因の根拠とされる

医薬品販売制度実態把握調査結果(いわゆる覆面調査)です。



この調査結果は近年厚労省が毎年公表しているものになるんですが

今年(2017年度分)の調査結果に何だか違和感を感じたんです。


正確に言えばその違和感はPPIのスイッチ化の議論の時に感じたんですが

実際に調べてみたら驚くべきことが発覚しました。


それは「ある調査結果」がこれまで顔を見せる事はなかったのに

今回のスイッチ化の検討会の資料に使われる際に急に姿を現したんです。

そうです。その調査結果がまさに


「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときの対応」


なんです。

厚労省データ

平成29年度医薬品販売制度実態把握調査結果について

そしてさらに驚くべきことは

この濫用のおそれがある医薬品を複数購入しようとした調査結果は

今年初めて公表されたにも関わらず

調査結果のグラフにはご丁寧に平成26年度からの推移が記載されています。

あたかも毎年調査され

その結果を公表していたかのような雰囲気です。


平成28年度医薬品販売制度実態把握調査結果について

平成27年度医薬品販売制度実態把握調査結果について

平成26年度医薬品販売制度実態把握調査結果について


※過去の調査には濫用性の医薬品については一切触れられていません




ではなぜこのような絶妙なタイミングで

この結果を今年から公表する事にしたのでしょうか。


たまたま超優秀な厚労省が公表するのを忘れていたのでしょうか。

はたまた様々なデータを持っていながら

それを自分達の都合の良い様に引き出すために利用しているのでしょうか。



下手に疑うのも良くありませんが

まあ前者というのは考えにくいですよね。

となると後者だとしたら

やはりスイッチ化がすすむことは

我々が想像する以上に相当難しいのではないでしょうか。


でも思うんです。

今回厚労省的には明確に

要指導医薬品・第一類・第二類の販売状況の適正化を調査しているに加え

濫用性のある医薬品についても調査対象ということが

今回明らかになりました。

そしてこれは個人的な感想ですが単に

濫用性のある医薬品の販売が適切でないことをあげて

「ほら、やっぱり安易にスイッチ化するのは危ないよね」

と利用するためだけとは思わないんです。

やはり濫用する事に対してそれなりの危惧を感じているのではないでしょうか。


しかしながら今回濫用性のある医薬品としてあげられたのは以下の薬。

エフェドリン、コデイン(鎮咳去痰薬に限る) 、ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬
に限る)、ブロムワレリル尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン(鎮咳去
痰薬のうち、内用液剤に限る)




これらは第二類医薬品に分類されており

ほとんどが全国どのドラックストアでも購入可能です。

そして利便性最強のネットでも購入可能です。

「利便性」と言えば聞こえはいいですが

正直購入のハードルが低いだけです。

実際にPPIの議論の場では

「濫用性のある医薬品を質問されずに購入できた」ケースは36.6%

という事で進んでいた議論が一転しましたが

ネット購入の場合は63.4%が質問等されずに購入できた調査結果があります。


そして対面・ネットに関わらず

もし本気でこれらの濫用性のある医薬品を複数購入する気があるならば

余裕で購入する事ができるのが現状です。

実質濫用性のある医薬品を購入するハードルなんてもはやないも同然です。


しかしある意味要指導医薬品や第一類医薬品より注目を浴びてしまう

これらの濫用性のおそれのある医薬品の販売の現状はザルであることを考えれば

もうこの濫用性のある医薬品は今すぐにでも

要指導医薬品に分類し直すべきではないでしょうか。


これを販売する側の責任として押し付ける事に無理があるのは

重々承知なはずです。




そして仮に

スイッチ化を阻止するための道具として利用するだけの調査ならば

この調査結果は完全に本末転倒であり

利用者の健康を害するリスクが高いのを承知で放置するのだとすれば

厚労省は本気で腐っているとしか思えません。




この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク


follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

やっぱり薬学部はこれ以上は不要



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   



日本私立薬科大学協会がまとめた2018年度の私立薬科大学(薬学部)入学志願者調査の結果、入学志願者数は9万5937人と前年度に比べて4667人少なく、5年ぶりに10万人を割り込んだ。4年連続の減少となる。
【18年度調査】5年ぶり志願者10万人割る



私立薬科大学への入学志願者が5年ぶりに10万人を割り込んだそうです。

ただ、薬学部を1校しか受験しないという学生は少数派で

単に学生側が複数受験しなくなってきているだけかもしれませんので

薬学部の人気が底打ちとは言い難いと思います。

しかし過去3年の実際の薬学部に入学した学生の数は

12608人(2016年)
12765人(2017年)
12320人(2018年)


と確かに今年は例年よりも少ない入学者になります。


まあ「資格が得られる大学は不況に強い」と言われていますので

今の景気がいい状態を考慮すれば

特段薬学部の人気が下がってきているわけでもないのかなあと思います。


個人的には薬剤師の輩出はとっくに絞っていく時期にあると思いますので

その役割を国家試験にだけ担わせるのではなく

入学の段階でさらに絞るべきでしょう。




ところで薬学部の入試倍率などのニュースを目にして改めて思う事が

関東を除く地方にできた

いわゆる新設薬学部は完全に失敗だったということです。


もちろん中には成功のケースもあり

九州の熊本にある崇城大学などは12.3倍の倍率となって

人気の高い薬学部も存在します。


ただ大多数の薬学部は倍率も低く

中には定員割れを起こしている薬学部まで誕生している始末です。

そして個人的に思う

「地方の新設薬学部の失敗」

というのは単に入試倍率の話しではなく

地方の薬学部を目指す学生の受け皿になっていない

という点で失敗だと思います。




最近はあまりきかなくなりましたが

少し前までは

「すべての都道府県に薬学部を」という主張もあり

その理由に

地方の薬剤師不足のため

と、本音か建て前か分かりませんが理由としていました。


ただこれが果たしてどれだけの効果があったのか

かなり疑わしい所です。



確かに地方に薬学部ができることで薬剤師の数は多少増えるでしょう。

しかし学生は自分の学力に見合った大学に入学するのが普通です。

そして地方の新設薬学部の偏差値は軒並みひどい状況です。


すると例えば偏差値55くらいの学生が

いくら自分の県に薬学部があったとしても

その地元の大学の偏差値が40代だった場合

正直入学をためらう人も決して少なくないでしょう。


それに学生の通学時間は多くても2時間。

それ以上の通学時間がかかる場合は

おそらく自宅を離れて一人暮らし

の選択をするでしょうから

いくら自分の県に薬学部があっても

通学可能なレベルでない限り

わざわざその大学に行くメリットはありません。

「薬学部は薬剤師の免許が取れればどこも同じ」

と割り切って地元の薬学部に行く人もいるかもしれませんが

今の薬学部の入学者のうち

どのくらいの割合の人がストレートで薬剤師になれるのかと言えば

約半数です。


そして残念ながらストレートで薬剤師になれる率は

偏差値とある程度の相関関係にあります。


するといくら

「どの大学に入学しても薬剤師になるならば同じ」

と考える人でも偏差値を重視するのは必然です。



つまり薬剤師不足のために薬学部をつくっても

残念ながら偏差値が低い学生の受け皿にしかならずに

中~高偏差値の学生の受け皿になり切れていない現状の大学が大多数。


さらに偏差値が低い学生の受け皿になっても

結局国家試験合格にまでたどり着かないと言った悪循環。

いくら地方の薬剤師不足として薬学部をつくっても

結局絵に描いた餅なんですね。


かたや国公立大の薬学部は依然として人気なので

かりに公立大の薬学部を創っても

結局他県の優秀な学生との競争になるだけで

その県の薬剤師不足には大きく貢献もしないでしょう。


ですからこれ以上の薬学部は不要ですし

さらに「地方の薬剤師不足のため薬学部がもっと必要」

という人をあまり信用していません。


この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク


follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

オンライン服薬指導はやはり普及しない?



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   




オンライン服薬指導は思った以上に普及しないのではないか

と改めて思った記事がありました。



そもそもオンライン服薬指導を活用できるイメージとして

病院から離れた場所に住んでいる患者さんの自宅に

医師が訪問診療を行い

その患者さんに薬局薬剤師がスマホやパソコンからオンライン服薬指導を行って完結する

といった形も存分に有り得ると思ったんですが

特区での遠隔服薬指導は、遠隔診療が行われた上で処方箋が交付された場合に行われることから、対面診療の原則の下で、継続して診療を受けている患者が対象になる

そして医師会の方からの質問にも

日医副会長の今村聡氏は、例えば患者が医療機関に行き、対面の診療を受けた場合に、服薬指導も対面とするのかどうかを確認。厚労省は、「当然のことながら対面の服薬指導になる」との見解を示した。

⇒特区での遠隔服薬指導、報酬が明らかに


という事から当初の予定通り厚労省としては

「対面の診察の場合は対面の服薬指導が当然」

という認識は変わらない様子だからです。

これはつまり

「オンライン診療でない限り対面での服薬指導が必須」

という事になりますので

これまでの調剤薬局の概念をぶち壊す

服薬指導は立地に依存せずに自宅で行い薬は後日郵送

というシステムはほぼ否定されました。



ただあくまでも現段階のオンライン服薬指導もオンライン診療も

時代の流れと共に

システム自体が将来的に大きく変わる可能性もあると思いますが

以前ここでも書いた通り

病院に行って診察してもらって家に帰り

そこからスマホのアプリやパソコンを立ち上げて服薬指導してもらう

という形が普及するのかはやはり微妙でしょう。


⇒オンライン服薬指導解禁が及ぼす影響



もちろんこれまで一応診察をしないといけないからと

対面での診察を行ってきた医療機関がオンライン診療に目を付けて

一部の分野で広がる可能性は多々ありますが

対面であれオンラインであれ責任が生じるのは同じなわけで

「オンライン診療だったので誤診してしまいました」

なんて通るわけもなく

今後オンライン診療においても当初の予定通り

「対面の補完」という立ち位置は変わらない気がします。



ただ使い方によってはオンライン診療は色んな使い方が可能で

例えば検査結果の報告であったり

婦人科や心療内科や美容皮膚科などの分野を利用する人の

利便性を高める目的としてもかなり有効でしょう。



個人的にはオンライン診療にもオンライン服薬指導に関しても

賛成も否定もしませんし

何より時代の流れが先導すると思います。


しかしオンライン服薬指導が爆発的に普及したとすると

スマホで服薬指導した場合に

「いつもの薬ですね。では発送しておきます」

と電話口で告げるだけで服薬指導とする薬局が

ほぼ100%出てくると思いますので

それを最小限に留めるためにも

制度設計をしっかり整え

適正範囲内で普及するのが一番かと考えます。


この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク


follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加
プロフィール

black black

Author:black black
薬局・病院・医療業界など薬剤師を取り巻く業界の最新ニュースをお届けします。

ランキング
最新記事
ネット検索ならベスト
時給4000円以上ならココ
急募情報に特化
RSSリンクの表示