2018年度診療報酬改定で大手チェーンよりも深刻な薬局



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今回の診療報酬で完全に想像以上の改定だったのが

短冊で隠されていた地域支援体制加算の要件の数字です。


1年に常勤薬剤師1人当たり、以下の全ての実績を有すること。
(1)夜間・休日等の対応実績 400回
(2)重複投薬・相互作用等防止加算等の実績 40回
(3)服用薬剤調整支援料の実績 1回
(4)単一建物診療患者が1人の場合の在宅薬剤管理の実績 12回
(5)服薬情報等提供料の実績 60回
(6)麻薬指導管理加算の実績 10回
(7)かかりつけ薬剤師指導料等の実績 40回
(8)外来服薬支援料の実績 12回



おそらく多くの方があまりの厳しさに驚いたのではないでしょうか。

正直短冊を見た時点では

公表された3分の1くらいの

あまい数字が入るものだと思っていました。

前回は

⇒地域支援体制加算の要件で納得できないもの

で麻薬指導管理料などの実績は相応しくないと書きましたが

もはや麻薬以前の問題で

努力次第では完全にどうにもなりません。


それにしてもこの算定要件はキツすぎます。

例えば夜間・休日等の対応実績400回なんて

毎日最低1件以上の対応が必要となると現実的にはほぼ不可能です。

少なくともこれを満たす薬剤師に休日はありません。

自分ならば即効で辞めますね。。。



ただ今回の地域支援体制加算の要件を改めて見て

完全に勘違いしていました。



個人的にはてっきり

これまでの基準調剤加算の代わりとして

地域支援体制加算が作られたかと思いましたが

そもそも今回の地域支援体制加算は

調剤基本料1を算定するための特例除外

これと同じ考えと思った方が良さそうです。

すると

調剤基本料1以外の薬局でも算定可能という大盤振る舞いも

算定要件のハードルの高さも

辻褄が合いそうです。


ただそう考えても

今回の地域支援体制加算は群を抜いてレベルが異なります。

例えば前々回の特例除外

24時間開局
(24時間体制ではなく薬局を24時間開けている事が条件)

そして前回の改定での

かかりつけ薬剤師の100件

これらと比較しても圧倒的にハードルが高いです。


では今後地域支援を算定しないのかと言えば

大手をはじめ、一定数の薬局は算定に行くでしょう。

あの手この手の抜け道を開拓し

想像の斜め上を行く数の薬局が出てくるはずです。


しかし地域支援体制加算をガッツリ取りに行くのはコスパ的に最悪です。



今回の改定を受けて

「大手調剤チェーンは終わった」
「基準調剤加算の代わりに地域支援体制加算を取りに行かなければならない」

という人もいますが大手がそんな頭の悪いわけないでしょう。

調剤基本料が下がり、基準調剤加算分のマイナスによって

いくらの減額になるか等の算数はとっくに織り込み済です。


では基準調剤加算が算定できなくなり

地域支援も算定できない薬局や

今回の改定で最もダメージの大きい大手調剤チェーンなどは

どうするかと言うと

取りに行ける加算をもらすことなく取りに行く

ことになると思います。



例えば

服用薬剤調整支援料 125点
6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、処方医に対して、保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が2種類以上減少した場合に、月1回に限り所定点数を算定する。

重複投薬・相互作用等防止加算
注3 薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は、重複投薬・相互作用等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

イ 残薬調整に係るもの以外の場合 40点
ロ 残薬調整に係るものの場合 30点



これらの点数は最低限、絶対に必要になってきます。

そしてそれはかかりつけ薬剤師の算定73点の算定も同様です。

「かかりつけ薬剤師のノルマ100件から解放されてよかった」

なんていう考えは大間違いで

少なくともかかりつけ薬剤師の算定は最低条件。

これまでかそれ以上の同意を必要とされるでしょう。





ただ今回の改定を見て思うんです。


今回の改定で一番まずいのは大手ではありません。

また、中小や個人の薬局でもありません。

今回の改定で一番まずいのは


これまでただ薬を渡すだけで成り立っていた何もしていない薬局


これは間違いありません。





今回・前回の診療報酬改定から確実に方向性が変わりました。

するとこれまでは

ただ薬を渡していただけで成り立っていた薬局では話が違ってきます。


そして今後は薬局ではなく

個々の薬剤師が行った実績

が経営の要になってきます。




そしてそれを含めて

「薬局」というよりも「薬剤師」が変わっていかなければならない

そんなメッセージを強烈に受けました。



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地域支援体制加算の要件で納得できないもの



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以前、基準調剤加算が廃止され

新たな加算が新設されることについて触れました。

⇒基準調剤加算廃止に見える今後の薬局のあるべき姿

そこではいわゆる

健康サポート薬局に準じる薬局になる

という予想を書きましたが

基準調剤加算改め地域支援体制加算ということで

とうとう名前にも支援(サポート)と入ってきましたね。


ということで実際に要件を見てみましたが

例えば新設された服用薬剤調整支援料

<薬剤総合評価調整加算>
6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものに
ついて、保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が○
種類以上減少した場合に、月1回に限り所定点数を算定する。



これは医科ではもともと存在していた薬剤総合評価調整加算とダブっているので

同じ2種類減算で要件を満たすことになるのでしょう。

・・・と、黙っていてもすぐに数字が入るため

それはさておき

地域支援体制加算の要件を読んでいる中で

さすがに納得できないものが1つだけあります。

当然ながら

全てが納得できるような改定が行われるはずもなく

ある程度の改悪は仕方ないと考えるんですが

さすがにこれだけは

麻薬指導管理加算の実績

だけはないでしょう。




いくら夜間・休日の対応実績があっても

かかりつけ薬剤師としての業務をこなしても

いくら地域に貢献した薬局だとしても

麻薬指導をする患者さんがいなければ算定できない

こんな理不尽な事はありません。

在宅よろしく営業にいかなければならないのでしょうか。


そもそもこう言った概念自体大分ズレています。


例えば

今回の麻薬の件に関してですが

麻薬が必要な人に適切な指導を行ったのはあくまで「結果」であり

それ以上でも以下でもありません。


確かに麻薬指導を行うのは地域に役立つ薬局としての

必要条件かもしれませんが十分条件とは言えないでしょう。

地域に役立つ薬局=麻薬指導を行う

という定義が定まるほど確固たる理由もないはずです。



それよりもむしろこれからの時代

面分業を行い地域に役立つ薬局を目指すのであれば

要件に麻薬指導をもってくるよりも

高額薬剤の扱いのある薬局をフォローする方が

絶対に重要性は高いと思います。


面分業を推進したい今の時代において一番ネックな点は

高額薬剤の不良在庫

これに尽きます。

たとえば1錠数百~数千円する薬が必要な処方箋を持って来られるのは

いくら集中率が下がるからと言って

デッドストックとなる可能性を考えれば極力置きたくないのも事実。

また偽造薬の流通などが起きた昨今を考えると

やはり正規ルートから箱単位で購入するのがベターでしょう。

そして高額薬剤が次々と世の中に出てくる昨今においては

高額薬剤を備蓄している事はリスク以外の何者でもありません。

すると備蓄品目数や麻薬の取り扱いを加算条件の1つに持ってくるよりも

高額薬剤の管理指導に対する評価を行うことは

これから面分業を推進する上でも重要だと思うんです。

そもそも門前薬局への評価は下げられる一方ですが

面分業への評価が不変な事に疑問を感じます。


まあこの麻薬指導の要件こそ

全ての薬局に

地域支援体制加算を算定させないための可能性も高いですけどね。







余談ですが

この地域支援体制加算の麻薬指導を取り巻く

1つの懸念があります。

例えば麻薬指導する患者さんがいない薬局があるとして

他の条件は満たしているとします。

すると現時点で何点の加算が付くか分かりませんが

そこそこの点数が付くことでしょう。

仮に旧基準調剤加算に準じて30点つくとします。

すると月に処方箋が1000枚受け付けている薬局ならば

単純に月30万円です。薬剤師1人雇えます。



ではもし麻薬指導する患者さんがいない場合

果たしてこの損失を無視するでしょうか。

ここで再度

「処方箋の付け替え」的な問題

が出てくる可能性はないでしょうか。


とは言っても

「麻薬関連ならば危険な橋は渡らないだろう」

と多くの人が思うかもしれませんが

まあ何が起きるか分からないのが今の時代。


となると

現在、基準調剤加算を算定しているが

麻薬指導がゼロの薬局の管理薬剤師の人は

最悪の選択を迫られるかもしれませんが

いくらやりがいがあって給料のいい所でも

これまでの責任の所在を考えるならば

責任は現場の薬剤師にあることは揺るがないので

自分の身は自分で守るようにしましょう。



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基準調剤加算廃止に見える今後の薬局のあるべき姿



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2018年1月10日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会が開催され、2018年度診療報酬改定に向けた、「これまでの議論の整理(案)」が提示され、調剤基本料の基準調剤加算が廃止される見通しであることが明らかになった。
基準調剤加算が2018年度改定で廃止へ



基準調剤加算が廃止され

新たな加算が新設されるそうです。

・・・と聞くとなんだかフルモデルチェンジの様な印象を受けますが

実際はそこまで大きな変化はないのではと思います。

もちろん細々した新たな算定要件がプラスされるでしょうが

少なくとも「加算が算定できるか否か」という点に関しては

右往左往しながら軌道修正しつつ

これまで通り多くの薬局が算定していくことでしょう。

もちろん最初の数カ月は利益がそのまま吹っ飛ぶ可能性もありますが

色々言われているように

基準調剤加算の分が完全にパーになるとは思いません。







では基準調剤加算が廃止されてどうなるのかと言う話しですが

個人的な予想だと

健康サポート薬局をサポートする加算

に落ち着くと思います。



そもそもこの2つの要件はかなり似通っています。

そしてこの話題を見て意外だったのが

基準調剤加算を算定している薬局が3割もいることです。

2016年の診療報酬改定から一本化された基準調剤加算ですが

その算定要件もそれ以前のものと比べても

高めのハードルのものになりましたが

意外に多くの薬局が要件を満たしていたことに驚きです。

一方で健康サポート薬局の件数は

全国でたったの624件(平成29年11月30日時点)

という事らしいので全国の薬局の約1%になります。

実際この2つはかなり似ている要件のはずなのに

その差は30倍になっています。

ただそれも当然と言えば当然ですよね。

と言うのも健康サポート薬局になっても1円の特にもなりません。

健康サポート薬局に関する点数に関しては

はっきりと加算はないと明言されています。



この理由は法令上の問題で

健康サポート薬局は医薬品医療機器法

基準調剤加算は健康保険法と

それぞれ異なっているためとされていますが

どちらも厚労省の管轄という点を考えれば

目指すビジョンとしては大きな相違はないと思います。


となると健康サポート薬局を推進しようとしても

加算がないため認定を受けない薬局が多い反面

加算が付くと急にやる気を出してくる調剤薬局の現状を見ると

基準調剤加算を廃止して

より健康サポート薬局に準ずる形の加算を新設するのも自然と考える方がしっくりきます。


そしてさらに驚くべき点がもう1点あります。

それはこの新たに新設される加算についてですが

これまで基準調剤加算を算定できた薬局は

調剤基本料1を算定できた薬局のみ算定可能でしたが

これを撤廃するという方針に深い意図を感じます。

普通、この手の加算に関して

門戸を狭める事はあってもあえて広げる事は珍しいです。

特にこのご時世のことを考えるとかなりの大サービスだと思います。

これはつまり門前であっても非門前であっても

健康サポート薬局に準ずる様な薬局は評価していくが

逆に健康サポート薬局に準じない薬局は

どんな形であれ評価しないという事の裏返しとも捉える事が可能です。


つまり要件の代表的なものとして

かかりつけ薬剤師業務

開局時間も平日は8時間以上で土日はいずれか4時間以上

患者対応は24時間

在宅の実績


などの要件を満たせない薬局は

将来的に問答無用で排除していくという事を示しているのではないでしょうか。


ただいきなり

今年度から大きな変革

と言うよりも徐々にマイナーチェンジを繰り返し

目指すべき方向にシフトしていくのではないかと考えます。





ところでどうして

「基準調剤加算を廃止」

という形を取ったのかはわかりませんが

「これからの薬局の基準となるもの」

を作ろうとするのであれば

そのまま基準調剤加算というネーミングはピッタリで腑に落ちる気もします。


ただこれからの薬局において当たり前に求める事において

やはり「加算」というのがネックだったりするのでしょうか。

加算という形でなく標準装備を目指すためなのかもしれません。






・・・と妄想しながらも

普通に「~加算」と名の付いたものが出来る可能性も存分にありえますけどね。




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