薬局でOTC薬を普及させる方法



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薬局でOTC薬を普及させる方法は


ありません。





少なくとも現状では無理だと考えます。



この話しになると

「薬局はOTCを売る気はないのか?」という議論になり

OTCをおざなりにしてきた薬剤師が批難されますが

正直正論だと思います。

処方薬のみを扱っており急に

「セルフメディケーションが重要」
「健康サポート薬局始めるよ」

と言われても

すんなり受け入れられないのは当然だと思います。

個人的にもそう思います。


それに、ただ会社の方針という理由だけでOTCを扱って

OTCもトリアージの知識もない薬局が増える事も問題だと思います。


ですからまずOTCとトリアージを学ぶのは必須。



そしてそれを踏まえた上で

薬局でOTCを選択する事自体が難しいと思うんです。

なぜならOTCを選ぶのは患者さんであり

今の制度上、患者さんにとってもメリットが少ないからです。







いきなりですが

薬局の話をする前にコンビニの話しをしましょう。

なぜコンビニが定価なのにジュースや傘が売れているのかと言えば

コンビニが提供しているのは

「もの」ではなく「利便性」

を提供しているからなんですね。


24時間営業
どの地域にもあり同じものを提供できる
いざという時にないと困るものを置いている


これらの事が消費者の意識の中に組み込まれているため

選択肢としてコンビニが選ばれ

コンビニは定価でも人が買ってくれるんです。




日本一般用医薬品連合会(日本OTC医薬品協会、日本家庭薬協会)、東京薬事協会、東京生薬協会、東京都薬剤師会、東京都医薬品登録販売者協会は9、10の2日間、東京新宿駅西口広場イベントコーナーで、恒例のOTC医薬品に関する普及啓発イベント「よく知って、正しく使おうOTC医薬品」を開催する(厚生労働省、東京都、東京薬科大学、東京商工会議所の後援、くすりの適正使用協議会の協賛。入場無料)。
一般薬連と薬業団体がOTC薬の普及啓発‐9、10日に東京新宿でイベント



先日行われた

薬剤師会や一般用医薬品連合会などが一丸となって行う

OTC医薬品の普及啓発イベント。


ただそもそも薬というのは

病気やケガに対して使うものであり

「今年はOTCメーカー28社がブース出展し、主力製品群のアピールに努める」

として、これを一般の方にアピールするのって

なんか違うと思うんですよね。



それにOTC医薬品の薬局受け取りサービスなんかは良いとしても

OTC薬の普及啓発イベントと言いながら

タカゾノの協力による「調剤体験コーナー」


何考えてんの?という感じです。



まあそれはさておき

そもそもこのような普及啓発イベント系は

どれほど効果があるのか甚だ疑問です。

「OTCを自己判断で乱用してしまう事への抑止力的な働き」

これに関してはかなり良い事だと思いますが

少なくとも薬局におけるOTC販売においては

ホントに微々たる効果しかないと思います。



そもそも薬局でOTC薬の普及が難しいと思う理由は最初に言った通り

患者さん目線でのOTC薬の選択のメリットが乏しいから

これに尽きます。


例えば冒頭のコンビニの様に

薬局がOTCの販売において利便性を売りにして

24時間販売やニーズに応えたある程度の品目をそろえた形

つまり「もの」ではなく「利便性」を売りにした場合でも

個々の薬局が単体で行っていたのであれば意味がありません。



例えば今回のような普及啓発イベントに東京都薬剤師会が参加していますが

都内の薬剤師会の薬局の中でも

OTCに力を入れている薬局は少数派だと思います。

ですからいくらイベントでOTCをアピールしても

いざ薬局に行っても薬がないのであれば意味がありません。

やるのであれば一律でやらないと

そもそも患者さんのイメージとして

薬局にOTCというのは根付かないでしょう。

しかし個人経営が多い中で

薬局がOTC薬を普及させる必要性を感じても

余裕がない薬局も多く難しい問題だと思います。

「処方箋は薬局の入場券」

と考えられている現状から脱却するのにも時間を要します。





価格の面に関しても

スーパー並みに低価格にできるかと言えばほぼ不可能。

将来的に大手調剤がOTC販売に大幅に舵を切れば

可能性としてなくはないでしょうが

利益がないとすれば大手はやらない可能性も高いです。





そもそもOTCと医療用の薬の価格の比較を考えると

例えば

先月発売になったばかりのロキソニンテープのOTC

「ロキソニンSテープ」ですが

1袋7枚入りで1058円です。

医療用だと1枚37.9円ですから1袋265円です。

もちろん医療用にはその他諸々かかってきますが

市販のロキソニンテープを2袋買って

病院で検査なしでロキソニンテープをもらうとすれば

病院の方がはるかに安くなります。

そしてこれが患者さんがOTCを選ばない大きな理由でしょう。





OTC薬による医療費控除制度が来年1月からスタートしますが

これの効果もそこまで大きいとは思えません。





「薬局は薬剤師がしっかり対応してOTCを販売します」

という差別化も、薬剤師側が主張するメリットかもしれませんが

一般の人にとっては悲しいかな、温度差は結構あると思うんです。




ただ唯一希望の光として残されているとすれば

パッケージとして薬局で完結する形にする事です。


再度コンビニの例で恐縮ですが

例えばコーヒーとドーナッツのセットを売りにしたり

お弁当とお茶をセットにしたりして

ひとつのパッケージで完結させようとする販売を行っています。


そして薬局でも近年

自己検体測定やいろんな健康測定器を使って

自分の身体の状態を把握して、何が問題なのかを把握する事が

少しずつできるようになりました。

しかしご存知の通り

現段階で薬剤師ができる事は

基準値を伝えるだけ、受診勧奨をするだけ。

なにひとつ完結していません。



この状況ではメリットってほぼ感じられませんよね。

これって個人的にはめちゃくちゃ勿体ないと思うんです。

下手するとせっかくの武器が

「薬剤師はやっぱり何もできない存在」

というレッテルを貼られる可能性だって出てきます。





個人的にはセルフメディケーションは必須だと思っていますし

手段のひとつとしてOTC薬を活用すべきだと思います。


ただ、今後続々と出てくるであろうスイッチ化するOTC薬に対応できるように

OTC薬に関する知識をつけたり

トリアージに関する知識を学んで準備しておくというのが

現状において限界。

少なくとも既存の制度で

薬局においてOTC薬の普及は難しいと思います。



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そうなれば薬剤師はTPPに賛成するべきだと思います。
海外の安いOTC薬が日本に入ってくれば、
医療機関を受診して処方薬ももらった方がOTC薬を買うより安く済むという状況は変えられます。
そうなればわざわざ耳鼻科で抗アレルギー薬を処方してもらう人なんていなくなるのではないでしょうか?
TPPが導入されれば皆保険がアメリカに壊されるから反対という意見がありますが、10年後に残ってるかどうかもわからない皆保険を存続させるために上記のメリットを捨てることはないと私は考えています。
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