医薬分業は今の時代本当に必要なのか?



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   






小池都知事は

「東京都議会のブラックボックスにメスを入れる」

と意気揚々で臨んでいますが

税金が納得のいく形で使われない

そしてその使い道が分からないとなると

東京都民に不満が出るのも当然です。


ただ、もしこのブラックボックスが医療の世界でも行われ

しかも健康に関わる問題も生じるとしたら

さらに問題だと思いませんか?


今回はそんな医療業界のブラックボックスと

医薬分業は必要なのかという事について書きたいと思います。



まず、医薬分業つまり院外処方に不満を持つ方はこう言います。

「薬局は本当に要らない存在だ」と。


ではそもそもの話しをしましょう。


現在医薬分業率は70%に到達したと言われています。

しかしなぜ100%ではないか不思議に思った事はありませんか?


一切薬をもらう事がない病院やクリニックなんて

基本的に存在しませんよね。

これはどういう事かと言えば

処方箋を発行するもしないも病院やクリニック次第

という事なんです。

もっと言えば

勝手に病院の横に薬局を建てても

処方箋を発行する義務なんて基本的にないんです。


現に昨今では

関西医科大学総合医療センターが院外処方全面禁止に踏み切った例もあります。

細かい所で見れば

院内に戻す病院やクリニックも全国規模であります。


もし病院やクリニックは処方箋の発行が完全に義務化され

薬局が勝手に病院の近くに薬局を建てて

医薬分業を一方的に推し進めるのならば話は分かりますが

その様な拘束力はないわけです。
(本当はなくもないのですが、ここでは省かせていただきます)

これで一方的に

「薬局が悪い」

と批判するのは医薬分業を語る上でちょっと待ったと言いたい。



だいたいなぜ医薬分業が70%にもなるまで

病院などが後押ししているのかと言えば

薬局の医薬分業への理解が深いから

ではありません。

単に儲かるからです。





そもそも医薬分業が進む前の時代は

薬価差益も十分にうまみがあり

病院で薬を扱えばそれだけでかなりの利益が生まれていました。

ですから日本薬剤師会が医薬分業を推し進めたいと考える際には

医師会は猛反対したんです。

しかし1961年に国民皆保険制度がスタートし

過剰な薬剤投与は医療費問題や薬害に発展しました。

今でこそチーム医療という名の下

医療の中心は患者さんという概念がありますが

当時(今も?)ヒエラルキーの頂点は医師であり

病院の経営に直接的に大きく影響する「薬」

しかも出せば出すだけ儲かる「薬」に関して権限は大きく

まさにブラックボックスだったわけです。

そこで何とかして医師から薬を分離する事を大命題として行ったのが

1974年の処方箋料の引き上げになります。


この年の改定で

処方箋を発行するだけでもらえる処方箋料が

1枚100円から500円に大幅に引き上げられ

いわゆる分業元年といわれるようになりました。

薬を院外処方にするインセティブを与えたのです。


ただそれでも当時は全然分業が進まなかったんですね。


医薬分業


これは

「受皿の部分である薬局が少なかった」

という面もあれば

「薬価差益でのメリットが依然としてあった」

事などが挙げられます。


1989年の段階で薬価差益は

1兆3000千億円

もあったと衆議院決算委員会で報告されています。



しかし国も主導で医薬分業を進めるにあたり

薬局の報酬を高め病院の処方箋料も再診料も上げ

徐々に薬価差益自体のうまみも減っていく。

さらに薬の数も増える一方で

在庫を抱えるコストを考えれば院外処方のメリットの方が多い。

これらの事が作用し合い

病院やクリニックなども徐々に院外処方に踏み切っていくようになります。


こうして徐々に徐々に薬のブラックボックスを解消し

薬の安全と医療費削減に切り込んでいき

今の医薬分業の形が半ば当然といったようになっていきます。





ダラダラ書いてきましたが

医薬分業というのは医と薬を切り離すためになくてはならない

ある意味落としどころになったわけです。



ただ薬局に責任がないかと言われればもちろんそんな事は当然ないんですよね。


むしろ分業批判の元凶はその制度自体ではなく

制度を利用して方向性を誤った薬局が発端となったケースが多いでしょう。



そもそも医薬分業が医と薬を分離するための手段であったために

その後の目的というのが定まっておらず制度だけが一人歩きしていまい

結果医薬分業を利用して完全に薬を金儲けの道具と化してしている薬局。

服薬指導というのは名ばかりで、ただ薬を渡すだけの薬局。

利益追求最優先で分業を急激に進める薬局。

数え上げればキリがないくらいの身から出た錆が発端となり

一周回って

「院内処方の方が良いよね」

という議論を生み出しました。




ですから

「過去の話しよりも今が大事である」

という意見も正論。

では果たして現在医薬分業が必要なのかと言われれば

個人的には必要だと思います。



まあポジショントークここに極まれりと言われれば

そうかもしれませんし

その点に関しては医薬分業に触れてあるサイトに譲るとして

ここではいつか機会があれば書きたいと思います。




それに個人的には医薬分業は必要という立場ですが

もちろん全部が院外処方であるべきとも思っていません。


患者さんの利便性を盾に

本音である利益のためだけに院内処方にするのは反対ですが

医師の判断で院内調剤での管理の方が適切な場合や

薬局までの数メートルの距離が大変な

身体の不自由な人等は院内で薬を貰った方が良い場合も多いでしょう。

その様な時は患者さん最優先で考えるべきであり

そこに先で述べた医薬分業のフィルターは必要ないと考えます。




ただ1つだけ言っておくとするならば

今の医薬分業という制度をぶっ壊して

仮に全面院内調剤に戻すとするならば

院内調剤による不満は数々の場面で噴出するでしょう。

おそらく院外処方の比ではないと思います。


この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク

4

follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントの投稿

非公開コメント

欧米のヘルスケアの中心は薬局です。
薬局でなるべく多くの用事を済ませることができるように処方箋調剤も薬局でやっているのでしょう。
一方で日本のヘルスケアの中心は病院です。
なんで処方箋調剤だけは院外なのかという疑問が出てくるのは当然だと思います。
現在の病院と薬局の関係はかつてのコンビニと酒屋の関係に似ています。
コンビニで何でも揃うのにどうしてお酒だけ酒屋で買わなければならないのだということが当時は言われてました。
そして現在酒屋はどうなったかと言うと…

近くに院内処方している医院があるが、間違いは多いし(嘘か本当か三回に一回は間違えているらしい)高圧的というので(おそらく、バックにドクターがいるからでしょうね)不満を聞いたことがあります。

一回あんまり間違えるから処方箋くれ、院外に行くからと言ったら薬を渡す係りの人に怒られたこともあるそうですよ

安くなるいがいで言えば、一概に院内処方にした所で院外所で比べて良くはならないとおもいますけどね。
混んでる病院なら結局待つのは変わらないし、薬だってなんの予告もな比べて突然新しいものを使い始めるドクターだって割といるので門前と比べて欠品しないかと言われると…
設備が整っていない小さなとこだと一包化やらなんやら対応出来ないんじゃ…ってえのもあるし。

薬局に文句ばっかり言ってるヘビーな処方の方は特に院外の方が沢山文句が言えていいんではなかろうか
ドクターがバックにいるとやけに強気な職員は多いですからね。文句も我儘も言いづらいだろうし
プロフィール

black black

Author:black black
薬局・病院・医療業界など薬剤師を取り巻く業界の最新ニュースをお届けします。

ランキング
最新記事
ネット検索ならベスト
フォントが小さく情報が多い
時給4000円以上ならココ
ランキング
PVアクセスランキング にほんブログ村
来客数
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示