薬剤師にほんの少しの権限を



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処方箋



今回の東京女子医大病院の件についてコメントを頂いたので紹介させてもらいます。


ご迷惑ならば即座に削除いたします。




女子医大への処方の問い合わせは

1)処方せんと照会内容を記載したFaxを送信、
2)それを確認した薬剤部から医師へ照会、
3)薬剤部から返事を折り返し連絡する、というルールでした。

私自身は、調剤薬局窓口での対応ももちろんですが、疑義照会の間に薬剤部が入ることで、どんなやりとりがあったのかが非常に気になります。相手が同じ薬剤師なので話がしやすい面もありますが、こちらの意図をきちんと理解してくれないときは悲惨な結果を招きます。





このコメントを読んで思ったのは

今後似たケースの事故は間違いなく再発すると思います。


そもそも東京女子医大病院はかなり大きな病院です。

処方箋だけでも1日に約2500枚の処方箋が出るらしいです。

1か月に2500枚ではありません。1日に2500枚です。


するとおそらく疑義照会の数は相当な件数になる事でしょう。

そして疑義照会は病院の薬剤部を経由して行わるとの事ですが

これは病院の薬剤部にとってもかなりの負担を要します。

もちろん病院の薬剤部はそれ以外にも本来の仕事があるわけですが

果たして薬局からの疑義照会は

病院の薬剤部にとってどのような位置づけだったのでしょう。



最近話題にした岐阜県の羽島市民病院の様に

病院の薬剤部と医師が疑義不要の取り決めを行い

簡易な疑義(例えば漢方の食後の処方箋を食前に変更するなど)

を簡略化できるようにしているのであれば

膨大な疑義照会をスクリーニングできて効率化できたでしょう。


しかしそうでない場合

薬剤部は重要度の高いもの低いもの問わず

医師へ疑義照会しなければならない事になります。

ひょっとしたらある程度は

薬剤部の判断で回答している場合もあるかもしれませんが

今回コメントをくださった方もおっしゃっている通り

やはり薬局が疑義したい事の本質を病院の薬剤部が汲んでくれない限り

疑義照会の本質的な部分が全く活かされません。



今回の件の医師からの「そのままで」という疑義の回答には

疑義内容の重さが見えず、すべて横並びの疑義回答の様な気がします。


「多めに処方したのはあえてそうした。だからそのままで出して。」

というイメージが目に浮かびます。

再考の余地なし。



ただ実際は

「そのままでいいか、そのままではいけないか」

という2択ではありません。

そもそも問題があって疑義しているわけです。

そのままでいいならばその理由を知る義務があります。


そして当然何も知らない患者さんにも説明する義務もあるでしょう。



もちろん中には理由をきちんと説明してくれる方もいらっしゃいますし

前もって処方箋に用量が基準と異なる理由を明記してくれる方もいらっしゃいます。


ただ高橋秀和先生の記事

「東京女子医大 過量投与の責任を自覚せよ」

にもある通り、薬剤師が疑義照会をする事で医師が機嫌を損ねるケースは

決して「レア」なケースではありません。

むしろ薬剤師あるあるです。

ただ、機嫌を損ねるだけならば問題はありません。

それが薬剤師の仕事と考えれば、それを怠る方が大問題です。


しかし疑義照会に端を発して経営に影響が及んだり

違う人の疑義において門前払いになったりするのは違う気がします。



一方で、それにより不利益を被るならば穏便に済ました方が良いと言う

「大人な意見」を主張する薬剤師が多いのも事実でしょう。






これはもう制度を抜本的に見直す必要があると思います。

いや、そんな大それた事は言いません。


「リフィル処方箋の解禁を!」

なんてさらさら言うつもりはありません。



ただもう少しだけ薬剤師に権限を与えてもらえないでしょうか。



例えば疑義照会が不要なケースの幅を広めれば

本当に大切な疑義だけが鮮明になるはずです。


先発品を後発品に替える事ぐらいしか権限がない現状は異常ですし

軟膏10g1本を5g2本に替えるぐらいの権限があっても良くないですか?


そして行われた疑義に関しては

理由を明記する事を義務化する。

基準から外れた処方に関して

「医師への確認済み」だけでは無効とし

しっかりその意図を明確化し、なお且つ医師から患者さんへの説明も義務付ける。

その上で薬剤師も服薬指導で注意喚起を促す。

たったこれだけの事が徹底されれば

今回のような事故を未然に防ぐことはできたかもしれませんし

今後起きうる事故を防げるかもしれません。


もちろんわざわざ制度の見直しとして行わなくても

個別で行っている所はすでに行っています。

しかし閉鎖的な所はいつまで経っても閉鎖的なので

門戸を開くための見直しがやはり必要だと思います。

特に東京女子医大病院などは話を聞く限り

ずいぶん闇が深そうなので

このままの体制だと100%また事故が起きるでしょう。



最後に1つだけ疑問な事があるのでついでに書かせていただきます。


それは東京女子医大病院が

抗がん剤やハイリスク薬を院内処方に戻す事を始め

今後はリスク高めの薬まで院内に戻すという計画がある件です。


もちろんリスクの高い薬を院内処方にするのはメリットも大きいはずで

個人的にも賛成の面はあります。


しかし昨今の東京女子医大病院の不祥事は全て「薬絡み」の事故。

そんな中さらに院内の薬剤部の負担を増やして

果たして今後全く問題ないと言えるのでしょうか。


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特定機能病院の承認を取り消されて病院の収益が減っているので安全管理の面では薄くならざるを得ないでしょうね。
抗がん剤や免疫抑制剤の薬価差益も相殺されてしまうでしょう。
女子医大は自動調剤機など最新の機器を導入して医療ミスを減らそうとしているようですが今回の事故やプロポフォール事件のようなハードウェアでは防げない事故に対して対策を講じているわけではないようです。
私も同じ事故が起こる可能性は極めて高いと思います。
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