東京女子医大病院の事故。医師の主張に全く納得がいかない。



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ラミクタール



東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年、脳腫瘍(しゅよう)の女性が添付文書に記載された量を大幅に上回る抗てんかん薬を投与され、副作用で死亡していたことが遺族への取材でわかった。

<東京女子医大病院>薬16倍投与、女性死亡…14年



ラミクタールを別の薬と併用する際の投与量は

最初の2週間が1日おきに25mgなのに

今回、初回から200mgを投与して中毒性表皮壊死症(TEN)の症状が出て

治療を受けた女性が後日亡くなってしまったというニュースです。



この処方は院外処方で

薬局は過量と思い疑義照会を行ったが

「そのままで」

という指示をもらったそうです。


そして亡くなった女性の旦那さんも

「効果が不十分かもしれないので、上限量で始める」

という医師からの説明を受けている事から

おそらく医師は用量を間違えたという事はなさそうです。


そして問題となっているのが

副作用の説明があったか否か。

これに医師側は


「事前に副作用の説明を行った」
「量が多いことで(TEN発症の)可能性が増すことは確かだが、体質の問題の方が大きい」


と話し

遺族側は

「副作用の説明は全くなかった」
「死ぬような危険性がある処方をやってくれと言うはずがない」



と一見対立している意見に見えます。

しかし、これこそまさに昨今の週刊現代が報じている

「副作用をどこまで伝えるか」と似ている問題だと思います。

そして副作用に対する意識の差が生んだ最悪の結果です。

(もし医師が全く副作用に触れていなければ話は別ですが)



あくまでこれは推測ですが

医師側もおそらく診察時に

処方はラミクタール(200mg)でいくと決めていた事でしょう。

それを

「死ぬ危険性がありますがそれでも薬を使用しますか?」

という聞き方はしないと思いますし

副作用に関する説明があったとしても

「皮膚の副作用が出る事があるので注意してください」

程度のやり取りに収まっていたのではないでしょうか。

遺族側も

「まさか死に至るような薬は処方されないだろう」

という意識があったと思います。



ただこれが医師側からすると

「副作用の説明は行った」

となり遺族側は

「そんな説明は受けていない」

という意識の違いを生んでいるのではないでしょうか。





ニュースではほぼ蚊帳の外で

あまり細かく触れているものがありませんでしたが

気になるのは実際に疑義照会を行った薬局。


そのまま過量での指示をもらったわけですが

それを踏まえた上でどのような服薬指導を行ったのでしょう。

そしてそもそもどのような疑義を行ったのでしょうか。


今回のニュースは医師側に焦点が当たり過ぎて

そこらへんもかなり重要な所だと思うんですが報じられていないので

知る由がありません。



話しを戻しますが

今回のケースは週刊現代の

「副作用を知らせていなかった」

と似てはいますが

実際はかなり次元が違う話しであるとも思います。



そもそも警告に記載された内容で

しかもそれを破っての過量投与なわけですから

医師側がいくら「副作用の説明は行った」と主張しても

「説明を受けた・受けてない」の水掛け論になる事自体おかしな話しであり

相当丁寧にリスクを説明する義務は100%医師側にあったと思います。


もし仮に、医師側が実際は懇切丁寧な副作用の説明を行い

受診勧奨の目安まできちんと話していたとして

その上で起きた事故であったとしても

「量の問題ではなく体質の問題」と切り捨てられた遺族の気持ちを考えたら

納得なんかできるはずがありません。




もし万が一、過量投与を行っても

中毒性表皮壊死症にならなかった可能性もあります。

中毒性表皮壊死症になっても手遅れにはならない可能性もあったでしょう。

しかしそれでもリスクを承知でラミクタールを上限から使用した

その結果亡くなってしまった事はそれ以上でも以下もありません。




リスクを承知で不適当な処方を行って

その結果人が亡くなってしまっているんです。

しかもそのリスクは回避できたものと言っていいでしょう。


これを医師側の過失と言わずに一体だれが納得するのでしょうか。


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セカンドオピニオンの推奨や薬局選択の自由のように、
現在の制度ではヤブ医者にかかるのも疑義照会を行わない薬局に行くのも全ては患者の自己責任ということになってしまいます。
しかし患者側もそういった制度が裏にあるということは知るよしもありません。
今回の事件で国民が気づいてくれればいいのですが…

No title

私は今回の件が起きる半年前まで調剤薬局に勤務していました。女子医大病院からの処方せんを1ヶ月に数枚程度受けていました。

その頃、女子医大への処方の問い合わせは(その後変更されていなければ、ですが)、
1)処方せんと照会内容を記載したFaxを送信、
2)それを確認した薬剤部から医師へ照会、
3)薬剤部から返事を折り返し連絡する、というするルールでした。

私自身は、調剤薬局窓口での対応ももちろんですが、疑義照会の間に薬剤部が入ることで、どんなやりとりがあったのかが非常に気になります。相手が同じ薬剤師なので話がしやすい面もありますが、こちらの意図をきちんと理解してくれないときは悲惨な結果を招きます。私自身も嫌な思いを何度も経験しました。

本件で言えば、既に適正使用の注意喚起まで出ていた内容ですし、バルプロ酸との併用リスクと合わせ、警告が出ていることが疑義照会できちんと医師に伝わっていたのかどうか。この内容で「医師がそのままで大丈夫と言ったから」は薬剤師の免罪符にはならないと感じます。

余計な御世話ですが、同じ年にプロポフォールの件と続けて起きているわけですから、薬剤部長も金稼ぎの講演会は自粛して、医療安全や事故防止、調剤内規などのマニュアルを事前事後でどう変えたのか、全部公開されてはいかがかと。

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