薬剤師の数は本当に足りないのか?



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薬剤師の数に関しての問題は

正しい答えがなく難しい問題で

つい10年前ぐらいには今頃には

「薬剤師飽和は間違いない」

という事も目にしましたが

蓋を開けてみるとそんな事はありませんよね。


ただ、それも「そんな事はないだろう」という

主観的で大分曖昧なものだと思います。


そしてそんなことを考えていくと気になって仕方ないんです。

何が気になるかと言うと


和歌山県の薬剤師会の件です。


薬学部新設を検討しているあの和歌山県です。


と言うのも和歌山県の薬剤師会及び病院薬剤師会が署名活動を行い

薬学部新設を懇願した事を聞いて

最初は本当にどうしようもないと思っていました。


最近までは地方創生の一環として

薬剤師会がちょうどいいネタを提供したぐらいに思っていたのですが


どうも本気で薬剤師不足と思って

良かれと思ってやっている可能性も

なくはないかもしれないと思う様になってきました。

そうでもないと普通署名運動までやりますか?


実際に薬学部新設は

手放しで歓迎されたわけではなく

運営の議論の場では反対派の意見もあり

例えば、もともと薬学部の立地予定地は

和歌山市立伏虎中学校の跡地を検討しているのですが

同じ敷地に市民会館も設置する予定みたいなんです。


しかしそれは化学物質を扱う薬学部と市民会館を同敷地に設置するのは

そもそもおかしい。薬学部ありきで話しが進められていないか。

という意見も出ているみたいなんです。


地方の活性化に関して意見は一致していると思いますが

薬学部新設に関しては足並みがそろっていない気がします。



ただそれでも薬剤師会は薬学部新設を熱望しているわけなんですが

今回少し冷静に見つめなおす事にしました。

テーマはずばり


「和歌山県の薬剤師の数はどうなの?」


というテーマです。




これは冒頭でも言った通り

主観的に「足りてる」「足りてない」と言っているとキリがないので

全国平均と比較してみていきます。

薬剤師の人数
都道府県別にみた人口10万対薬剤師数より




これは「人口10万人対薬剤師数」ですが

これに関しては全国平均よりわずかに少ないレベル


確かに少ないかと言われれば「若干少ない」という所でしょう。


しかしもし薬学部ができればこれが劇的に上向くのかと言われれば

それは疑問が残る所です。


たとえばこのデータでも

「薬学部があるのに全国平均に達していない県」はたくさんあります。

逆に佐賀県なんかは薬学部がない地方なのに全国平均より上です。


それに公立大=地元志向が強いという印象がありますが

実際に他県からの学生は多く

現在の公立大を見ても半数以上は他県の学生です。

他の公立大のある愛知・岐阜なども全国平均に足りていません。


あと別な気になるデータとして


和歌山県は医薬分業があまり進んでいません。


平成26年度は46.1%です。全国平均は68.7%の時代です。

そうなると

「薬局薬剤師のなり手がいないから問題なのか!?」

と思うかもしれませんが

「人口10万人に対する薬局数」では

和歌山県は平均以上なんですよね。

和歌山県の薬剤師

都道府県別にみた薬局数より
(H26年度人口対10万人)


よって分業率は関係なく


少なくとも人間に対する薬局の数は十分足りているんです。


逆にもし和歌山県が分業率80%とかになった場合は

患者さんの奪い合いでどんでもない事になりますよ。




では一体なぜ和歌山県の薬剤師会は

あのようなキテレツな行動をとったのか。


それは純粋に


薬剤師の数が少なかったからではないでしょうか


もちろんそれは相対的なものではありません。

絶対的な人数です。



和歌山県の人口は96万人です。

他県で言えば香川県が一番類似しています。97万人です。

しかし香川県は同じ人口でも薬剤師の数は1800人いて

一方の和歌山県は1600人しかしません。


また、同じ近畿内では大阪や兵庫や京都などは人口も多く

もちろん薬剤師数も多い。

同じ近畿地方なのに薬剤師の絶対数を見ると

「薬剤師が足りない」

というのも心情として分かります。


ただ、いくらそうだとしても

薬剤師の数も平均的

薬局の数も平均以上の数

他の都道府県はそれ以下の条件下で働いている県もあるわけです。


それをどこぞのチェーン薬局みたいに

とりあえず数を増やせばいい。

将来の事よりも目先の利益という考えならば

本当に薬剤師という職業自体が崩壊してしまいます。



大学を作っても薬剤師の数は劇的に増える事はまずありませんし

そもそも現状を見る限り和歌山県では増やす必要もないでしょう。



それでもそんな未来の薬剤師の芽を摘むような

不確定な周り道を選ぶくらいならば

もっといい道があるはずです。


例えば和歌山県は7割近くが女性の薬剤師です。

そして子育てなどの潜在薬剤師もたくさんいると思います。

まずはその様な薬剤師の働きやすい環境を整えてあげるべきではないでしょうか。

そして同じ近畿地方にはたくさん薬剤師がいるわけです。

Uターン、Iターンなどで薬剤師が他県から来るような

そんな政策に力を注いだ方が良いと思うんです。



「薬剤師が少ない。じゃあ薬学部を作ろう」ではあまりに情けないです。

カンボジアに学校がないから学校を作ろうとはわけが違う。



そして現時点で薬局が適正数ならば

その分の薬剤師を病院へ誘致しましょう。

今回の件は病院薬剤師会もかんでいる事から

おそらく病院薬剤師不足も問題視されているのでしょうから。





和歌山県薬剤師会の皆さんは目を覚ましてください。



薬剤師不足は幻想です。


もちろん現実的に足りない所もあるでしょう。

問題は長期目線で見る必要があると言う事。


そもそも全国平均という指標で考える自体が

適切でないと思うならば仕方ありませんが

一旦できたものをなくす事は絶対できません。


私立なら勝手に潰れるかもしれませんが

公立大ならばおそらくずっと残り続けるでしょう。

地方税垂れ流しです。


もちろん薬剤師過剰時代になっても大学はありつづけます。

そしてその過剰になる事が分かっていて加担するならば

あの薬学部が跋扈した時代よりも

さらに罪は深いと考えるべきです。

そして安易に大学関係者の地位をもくろんでいる薬剤師会の上層部は

言うまでもなくなお重罪だと思います。





という事でいつも通りの

新設を検討している薬学部を叩く話題に繋がってしまいました。



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