薬剤師1人つき処方箋40枚は適当な訳がない



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院外処方箋1枚の調剤に要する薬局薬剤師の業務時間は平均12分前後に達することが、厚生労働科学研究班「薬局・薬剤師の業務実態の把握とそのあり方に関する調査研究」(研究代表者:桐野豊徳島文理大学学長)が2015年度に実施した薬局のタイムスタディ調査で明らかになった。
処方箋1枚調剤は12分前後、薬剤師配置基準に「合致」‐厚労科研で薬局の実態調査


この調査報告では

「処方箋40枚につき薬剤師1人といのは概ね合致している」

という見解みたいなんですが

そんなアホな話はありません。





この調査結果から推測すると

処方箋1枚当たりにかかる時間が12分前後という事みたいなので

40(枚)×12(分/枚)=480分=8時間

つまり8時間労働で処方箋40枚を1枚あたり12分でさばくので

40枚は妥当だという事でしょう。


しかしこの調査では

院外処方箋の受付やお薬手帳の確認、ジェネリック薬の希望確認、薬袋の準備や記入、薬歴確認、処方箋監査、医師への疑義照会、計数調剤や計量調剤、監査、薬剤交付、服薬指導までの一連の調剤業務に薬剤師が費やした時間


となっており


これには薬歴を記入する時間が含まれていません。


仮に薬歴を1分で書き終えるような

スーパー薬剤師でも40枚薬歴を書くのに40分かかります。


しかしそんな薬剤師はいないわけで

昨今の薬歴未記載の問題に置いても

「薬歴を書く時間がない」という現状があったにも関わらず

この調査の中に含まれていないのはどうなんでしょう。




では、仮に薬剤師1人につき

処方箋40枚というのが合致しているとしましょう。


しかし今後の薬局は

対人業務にシフトしていくというのは間違いないわけですが

そこで浮上する一番の問題点は

対人業務の時間が増えても、調剤業務が減る事はない


という点にあると思います。


この調査の分析結果でも

「今後、対人業務にシフトする中で、1処方箋あたりの時間が増えるのか減るのか、さらに薬剤師の業務の見直し等の中で、引き続き検討すべき」


という見解ですが

処方箋1枚にかかる時間は増えるに決まってますよね。

これは昨年通知された「薬剤師以外の調剤業務禁止」により

薬剤師以外には調剤をさせないようにと

厚労省から念をおされた事からも

一連の調剤業務は薬剤師のみが行う事とされました。


つまり調剤業務の負担は変わらないまま

対人業務にシフトするという状況です。

それで処方箋1枚当たりの時間が減るとしたら

薬局の中で産業革命が起こる必要性がでてきますが

薬局は設備投資にお金をかけない所も多いので

あまり期待できないでしょう。

少なくともここ数年は変わらないと思います。



ではその分、薬剤師1人あたりの処方箋枚数というのも

当然枚数を減らして、より対人業務にシフトするように仕向けなければ

ただ現場の薬剤師の負担だけが増える事になります。

しかし調剤業務の時間を減らす解決策はゼロのままです。





この手の問題は

処方箋1枚当たりの時間が増えるのか減るのかではなく

処方箋1枚あたりの時間が増えるのは必然であり

それに伴う適正な処方箋枚数を検討しなおす必要がある事だと思います。


薬剤師1人あたりの処方箋枚数を増やすなんて愚の骨頂でしかありません。



個人的には薬剤師1人当たりの処方箋枚数が増えるような議論が上がるならば

もはや処方箋枚数という括りをなくしても良いと思います。


もちろんこの40枚という省令が

ある程度労働者を守る抑止力になっているのは間違いありません。


しかしこの省令が出たのは昭和39年、今から50年以上も昔の話です。

医薬分業が全く進んでいない時代です。

つまり薬剤師の仕事も今とは全く異なるものです。

しかし時は経ち、今や全国に5万7000件も薬局が存在し

分業率も70%を達成しました。

そして今やこの処方箋40枚につき薬剤師1人というのは

逆に足かせになり

経営者に利用されている部分の方が大きいと思います。


処方箋1枚とっても

1枚あたりの重さ(処方箋内容)も異なれば

門前薬局・面薬局の立地の違いもあり

薬局の設備や薬剤師のキャリアなど

様々な要素が入り組んだものになっています。

昨今では在宅も推進されており

薬剤師が1人かかる時間は大幅に増えていくはずです。



特に薬局に1人しか薬剤師がいない状況

いわゆる「1人薬剤師」の負担は大きく

1人で調剤業務全部から指導、薬歴まで書くのに

40枚は多すぎます。

一包化に時間をかけている間に次々患者さん来たら

ホントに焦ります(個人談)。



それを年間の処方箋枚数の平均で人数を求めるのは

もはや時代錯誤。



大事なのは客観的な数字よりも

現場の薬剤師の負担だと思うんです。



それに薬剤師1人が40枚以上を扱う状況でも

急に薬局が罰則を受ける事はまずありませんし

「募集をかけているけどなかなか薬剤師が集まらない」

という風になだめられて

1人で処方箋枚数40枚を超えて仕事をしている薬剤師もいるはずです。

もしくは毎日かなりの仕事量で

とても適正人数とは言えない状況でも

「薬剤師1人当たりの処方箋枚数は守っているから大丈夫」

という様な薬局ももちろんあると思います。

登録だけいくつもの薬局で行って

「薬剤師は適正人数」と言っている薬局もあるでしょう。



もはやこのような形骸化した40枚ルールであれば

抑止力としての機能すらも不十分ではないでしょうか。





現場の薬剤師と仕事量を配慮した

適正人数を配置しない限りは

単に負担増を強いられるだけです。


そして個々の負担が増えて

その分丁寧な指導はできず

さらにミスを犯す可能性も高くなります。

まさに負のスパイラルに陥るでしょう。


ぜひ早い段階で

薬剤師1人につき処方箋枚数40は改善すべき事だと思います。


ただ、これからの現状を考えると

とても人件費を増やす方向へ舵を切るのは難しく

薬剤師不足を問題視している現状ですからね。

おそらくどんなデータが出たとしても

40枚ルールが変わる事は困難でしょう。


現状との乖離は進むばかりです。


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