抗がん剤廃棄問題の福音になるか?



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閉鎖式接続器具


米ノースカロライナ大学附属病院(UNCH)のスティーブン・エッケル副薬剤部長は2日、都内で講演し、同院で人体に影響を及ぼす抗癌剤等の廃棄額が年間約8000万円に上ることを紹介。閉鎖式接続器具(CSTD)を用いることにより、残った抗癌剤を複数回利用するドラッグ・バイアル・オプティマイゼーション(DVO)を導入した結果、導入時に比べて薬剤費を71%削減できた実績を示した。
DVO導入で薬剤費7割減


日本病院薬剤師会の調査検討委員会が昨年行った

抗がん剤の廃棄に関する全国調査では

187施設での廃棄されている抗がん剤が1年に約94億円と算出されました。

さらに慶応大大学院の岩本隆特任教授の試算によると

年間400~500億円分の廃棄があるという試算もあります。


これだけの廃棄額は国の医療費にとっても大きな影響であり

1バイアル当たりで請求される患者さんにとっても大きな問題です。


この問題を解決する2つの方法として

「メーカーへの小規格の販売の提案」と「分割活用」

の2つが今の所検討されていますが

今回は分割活用の閉鎖式接続器具(CSTD)の活用で

71%の薬剤費を削減できたという米国の病院の報告です。


ところで日本でも今回の診療報酬改定から

無菌製剤処理料が変わりました。



これまでは 閉鎖式接続器具を使用した場合でも

「揮発性のない抗がん剤は100点」

「揮発性のある抗がん剤は150点」
(イホスファミド、シクロホスファミド、ベンダムスチン塩酸塩の3製剤)

という点数でしたが

薬剤による区別をなくし

「閉鎖式接続器具を使用した場合は180点」

という点数になりました。

抗がん剤以外も高い薬ありますからね。

非常にいい改定です。

(価格によっては廃棄した方が良い薬剤もあるでしょうが)


これにより閉鎖式接続器具のコストも当然それなりにかかるわけですが

それでも抗がん剤の廃棄額よりはマシという事で

今後どれほど普及するかによって

抗がん剤の廃棄薬と抗がん剤コストが変わってくるでしょう。


患者さんも廃棄する薬にお金を払うよりも

無菌製剤処理料で180点取られた方が大分お得です。


あとは閉鎖式接続器具を使用して残薬がなくても

患者さんにバイアル単位で請求する病院がいないことを願うばかりです。



それにしてもスティーブン・エッケル氏が

「安定性と無菌性が重要」と強調し

閉鎖式接続器具の調剤訓練や微生物検査の実施などにも

力を入れていることから

やみくもに閉鎖式接続器具を使用すればいいというわけでもなさそうです。


ただそれでも抗がん剤による曝露防止につながる効果も期待されているみたいなので

今後の動きが気になる所ですね。


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