いつから薬剤師はエゴイストになったのか

最近よく推奨されるかかりつけ薬局ですが
かかりつけ薬局のメリットとしては
・重複投与や飲み合わせの確認が容易に行える
・処方薬はもちろんサプリメントなどの相談にも乗ってもらえる
等が主に挙げられます。

しかし日本薬剤師会が発表したものによると
薬局を選ぶ基準として
「病院・診療所に近いから」というのが71%(日経DI2012年1月号)
という状況にあるらしいです。

このデータが示す事は
かかりつけ薬局の認知度の低さはもちろんですが
そもそも「かかりつけ薬局にするメリットを感じていないこと」
そして患者さんが薬局を選ぶ一番重要な要素が
「薬剤師の質や接遇などではなく待ち時間」であるという事です。

ではなぜ患者さんを第一に考えているはずの薬局は
患者さんにかかりつけ薬局を広く進められないのか。

恐らくそれは
患者さん視点と薬局視点から
かかりつけ薬局を考えてみたときに
違う見え方をしている事が大きいと思います。

そこでまず患者さん目線から考えていきましょう。

例えば重複投与や飲み合わせの確認などは
お薬手帳を提出して薬剤師に確認してもらえれば毎回同じ薬局でもらう必要はありません。
それと同時にどのような処方であったとしてもそれを断る事は薬局には出来ません。
薬に関する相談でも別に数回しか行った事がない薬局に聞いても良いわけです。
あとこれは薬剤師側の落ち度なのですが
正直どこで薬を貰っても質の違いはそこまで相違ないという事。
それならば受診した所から近い薬局で待ち時間の少ない所を優先するのが自然でしょう。
ついでに言うならばかかりつけ薬局と言うもの自体
ただのお客さんの囲い込みという印象もあるのかもしれません。

次に薬局目線で考えると
仮に患者さんがお薬手帳を忘れたとしても情報が蓄積されているので
もし手帳を忘れたとしても問題ありません。
しかしかかりつけ薬局でなければ
手帳を持参せずに多くの診療科の服用中の薬剤がある場合
それをスルーする訳にはいかず
結局手間がかかり患者さんを待たす事にもなります。
それに服薬指導の質としても
薬歴などで患者情報を経緯的に把握する事が出来るために
より密な薬情報の提供が可能です。
在庫の面でも毎回来局する患者さんであれば
在庫を確保しているため在庫不足で待たせる事はありません。
問診票などで時間が取られるのも1回で済みます。



と、ここで双方の視点を考えて思うことがあります。


それは薬局は患者さんの健康のためにも
時間短縮のためにもかかりつけ薬局が必要と感じる一方で
患者さんからすれば大したメリットがないと感じてしまう事が重要であり
忘れがちなのが「それを受け入れない薬剤師側」が問題だと思います。


患者さんのためを思って薬剤師が行う事は100%患者さんにメリットがあり
それを受け入れない患者さんはおかしいと考える。
例えば物議を醸した今回のお薬手帳問題も
手帳を持たない事はデメリットでしかないと考えるはずです。
かかりつけ薬局も同様です。

しかしそれはどうなのでしょうか。

そもそも患者さん側で「なんとなく」でも必要と感じているならば
そしてその必要性をしっかり伝えていけていれば
今の薬局に対するバッシングはそこまで起こらなかったのではないかと思います。


病院受診後でもなぜ薬局で薬剤師にもう一度説明する必要があるのか?
なぜ薬局では薬を渡すだけなのにあんなに待たされなくてはならないのか?
そしてお薬手帳なんかをなぜ黙って売りつけるのか?

これが世間の正直な声である一方で
それを「患者さんのために」ということを盾に
薬剤師側は
「世間的にはそう捉えられてしまうのか残念で仕方ない」と考えてしまい
患者さんの正直な声を真剣に受け止めなかった事
そして改善に努めなかった薬剤師にも原因があると思います。


例えば再度お薬手帳の事で恐縮ですが
短絡的に「20円安くなるから要らない」という人は論外ですが
もし手帳の重要性を説いてそれでも不要という人には
もう手帳は要らないのではないのかと思います。
それがもし薬剤師側がどうしても手帳を持つべきと感じるのであれば
20円のお金は貰わないので手帳を持ち歩いてくださいと頼めばいい。
そこを「20円のお金で健康を棒にふるのか!」と考えるのは違うと思います。
それは薬剤師のエゴであり手帳の必要性を伝えきれなかった薬剤師側にも
問題があると考えなければなりません。

薬局とは処方箋を受け取った時点で利益が出る商売です。
しかもある程度の収入の見込みがあった上で行う事業がほとんど。

しかし本来は双方のメリットを考えた上で
お客さんに了承を得てお金を頂くのが世の中の自然な流れです。
どうやらそこらへんの薬剤師と患者さんの感覚の相違が
「薬剤師は本当に必要か?」という論争を巻き起こしている大きな要因ではないでしょうか。

実際は患者さんのためを思って職務を真っ当している薬局がほとんどだと思います。
それは素晴らしい事というか当然ではあるのですが
もっと治療とは別な視点で患者さんに目を向ける努力も必要だと思います。

薬剤師が考える医療人と患者さんの薬局に関する認識。
この距離を縮める事が今後の薬剤師の大きな職務になる事は必須でしょう。
そして距離を縮めるために薬剤師側からもっと寄り添う努力が必要だと思います。


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