オンライン服薬指導解禁が及ぼす影響



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大手薬局チェーンのアインホールディングス(札幌市白石区)は、2018年6月18日、国家戦略特区で薬剤遠隔指導を行うため、愛知県に事業登録の事前相談を開始したと発表した。
アイン、特区でのオンライン服薬指導を開始へ


オンライン服薬指導の最大の焦点は

「既存の調剤薬局の形にどれほど影響を与えるか」

になりますが

そもそもオンライン服薬指導の話しが出るのは当然で

「医師による診察がオンラインで完結するのに

薬剤師による服薬指導が対面でなければならない」

なんて筋が通りませんからね。

実際に

「一気通貫の在宅医療」の実現に係るワーキンググループにおいても

診察をオンラインで済ませても、薬の受け取りを薬局に行くのであれば意味がない

という意見も出ています。



ただそもそもオンライン服薬指導は多くの薬局には関係のない話しです。

と言うのも

オンライン診療(名前が遠隔診療から代わったそうです)を行う医療機関と薬局は

ほぼマンツーマンの形で行う事になると思われます。


もちろん遠隔診療が爆発的に普及して

薬局もオンライン服薬指導がスタンダードになる時代が来ればまた別でしょうが

今回の診療報酬改定の遠隔診療の加算を見る限り

ここ数年での大きな普及の可能性は低いと考えられます。


そして仮にオンライン診療とは無関係に

普通の医療機関が対面で診察し

オンライン服薬指導が調剤薬局で普及したとしても

正直そこまで需要はないと思います。


と言うのも患者さんが薬局を選ぶ最大の理由は

「信頼のおける薬剤師の元で薬が欲しい」の32%を超えて

「以前からよく利用している薬局だから」 55.5%
「受診している病院・診療所から近いから」51.5%

患者のための薬局ビジョン実現のための 実態調査報告

が依然として患者さんが薬局を選ぶ上位2つの理由らしいです。

これをかみ砕いで言えば

いつもの薬局でなるべく時間をかけずに

病院の診察とセットで薬を貰って帰りたい


という考えの人が依然として多いと言えるのではないでしょうか。


そうなると例え診察を病院で行って

薬だけはオンライン服薬指導を利用するため

自宅に帰ってスマホやパソコンでアプリを立ち上げて

薬剤師から服薬指導を受け

後日薬の配送と言うのは正直面倒です。


そして調剤薬局側には遠隔診療とは違い

何の点数もついていないのでメリットがありません。

普通に対面で来れる人には対面で来てもらう方がベストです。


となると必然的にオンライン服薬指導を行う調剤薬局は

大して増えないのではないかと思います。





ただこのオンライン服薬指導が解禁されて気になる事が1つだけあります。

それはあるニュースとの兼ね合いです。


最近ぱったり話題にでませんが

昨年ニュースになった総務省が発表したグレーゾーン解消による

いわゆる「服薬指導後の薬剤の発送は合法」というものがありました。

服薬指導後の薬剤の配送は合法


これはその名の通り

先に服薬指導だけを済ませて薬は後で届けると言った

新たな形式のものですが

この形式では調剤した薬局が配送しなければならず

今回のオンライン服薬指導に関しても

今のところ薬の郵送に関しては調剤した薬局が届けるのが前提とされています。

しかしいずれこの薬の配送に関しては徹底的な議論がされると思います。




そう遠くない未来の形として

先に対面で服薬指導を済ます事が可
オンラインで服薬指導をするのも可

という時代においては

もはやすでにモノ(薬)と情報提供(服薬指導)はセットではありません。


実際に今回の規制改革推進会議の場でも。

これから考えるべきテーマは、薬のデリバリーです。デリバリーと、服薬指導という情報提供とを分けて考えてもいいのではないかと。薬剤師さんはもうちょっと付加価値の高い仕事をおやりになって、届けるのは薬剤師以外の宅配便に依頼するというスキームもこれから考えられたらいいのではないかと思うのですがいかがでしょう。

第18回 医療・介護ワーキング・グループ 議事録


という意見も出ています。

そして今後「服薬指導」と「薬の郵送」が隔てられるのであれば

一気に薬局の概念が変わる可能性も決して少なくありません。


例えば服薬指導は薬局内で行い

もし薬の変更や臨時薬が処方されたらそれだけその場で渡し

残りの薬は後日郵送。

薬局は待たされる事も少なく患者さんの利便性は飛躍的に高まる。

と考えられるのも自然でしょう。





そしてもう1つ気になるのがOTCの販売に関してです。



現在、要指導医薬品は薬剤師による対面販売が義務化されていますが

そもそも対面であることの本音の部分は

「市販薬でも薬剤師による対面販売が必要なのに、処方箋薬のネット販売はありえない」

という前提があったわけですが

今回の件で少なくとも理屈上では

要指導医薬品のネット販売の牙城は崩れます

そうなると先にOTC薬は全てネット販売解禁に移行する方が早そうです。


でも思うんです。

スイッチ化して間もないから要指導医薬品で対面販売が義務づけられているなんて

変えるべきでしょう。

そして数年経てば自動的に1類医薬品に移行するのであれば

薬そのものの分類が正しいとは到底思えません。



個人的には本当に扱いが厳格であるべきOTCのみを

対面販売の要指導医薬品として規制し

一度OTCの分類をガラガラポンすべきだと考えます。


内服のロキソニンがネットで買えて

湿布のロキソニンテープがネットで買えないなんて

どう考えてもおかしいでしょう。






という事で話題のオンライン服薬指導ですが

それ自体が直接的な影響を与える事は

そこまで多くはなさそうですが

それに付随して多くの事に多大な影響を及ぼしそうです。


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