無人レジの導入に考える薬局の未来



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国内大手ドラッグストアが2025年までにすべての店舗で無人レジを導入する。医薬品や化粧品などにICタグを貼り付け、カゴに入れたままでも一括で読み取れるようにする。
ドラッグ全店に無人レジ ツルハなど、25年までに


少し前にニュースになったドラッグストアの無人レジの導入ですが

ここでの無人レジの導入とは

顧客が商品のバーコードを自分で読み取って会計するセルフレジとは違い

商品を買い物カゴに入れたままの状態で台の上に乗せ

機械が商品を一括で判別して会計できるタイプのものになります。


すでにドラッグストアは医薬品だけでなく日用品の販売も行われ
(もはやどちらがメインか分かりませんが)

夕方などの混雑時ピークの時はレジで待たされる事も少なくありません。

そうなるとそれを一挙に解決できる無人レジの導入は多くのメリットが生まれるでしょう。



ただドラッグストアの仕事はレジ業務だけではありませんので

浮いた分の人手は対人業務にまわされる事なく

結局店内の清掃や品出し等の業務をメインに行うことになると思います。

これらの仕事までロボットに代わるのはさらに先の事でしょうからね。


そして浮いた分の人件費は店舗展開の拡大に投資したり

営業時間も伸びて24時間営業のドラッグストアがかなり増えると思います。

ですから今回のニュースを受けて

「薬の専門家により意見を求めやすくなる」

と言った意見も目にしますがその点に関しては

個人的には現状維持止まりではないかと考えます。


薬の販売に関して

より薬剤師や登録販売者が関与できるようになるか否かは

また別の次元の話になりそうです。


そもそもこの流れは

2類以下の医薬品の情報提供が「努力義務」になったその瞬間から

医薬品は薬剤師・登録販売者の手を離れたものになりつつあります。


もはや一般用医薬品の販売ルールとして

「必要な資質・知識を持った専門家の関与のもとに販売が行われること」

とは形だけの現状も否定できません。



ただこうして無人レジが導入される事は大歓迎です。

例えば24時間営業になれば

夜中でも薬を購入したい人に販売する事が可能になりますし

介護用品などが24時間購入可能になれば助かります。

また見方を変えれば夜間や休日における

「市販薬で済ませるか」
「病院を受診するか」

と言ったトリアージ機能もドラッグストアが担う事ができるでしょう。


それにドラッグストア以外の小売業も

一般用医薬品の取り扱いを増やす流れになるでしょうから

薬はより身近に手に入りやすくなります。


まさに昨今の調剤薬局に必要とされている健康サポートの機能は

ドラッグストアをはじめとした薬局以外が担う事になるのではないでしょうか。



そもそも薬局とドラッグストアでは

品揃えもドラッグストアのそれとは桁違いになりますし

何より市販薬を購入する際の一番の懸念である値段に関しては

全く勝負になりません。

「薬は市販で購入するよりも病院で貰った方が安くて効く」

という刷り込みすらある以上

値段はかなり重要な要素だと考えます。



中には

「薬局が関与することでより正しい市販薬の販売が可能」

という主張もあるかもしれませんが

医療用医薬品と一般用医薬品は想像以上に性質が異なり

決して医療用の延長線上に一般用医薬品はありません。


それにこれからの時代は

一般用医薬品を購入する多くの人は薬剤師でも登録販売者でもなく

スマホ越しの誰かからの情報で薬を選ぶ時代が

より一層進んでいく事も考えられます。





ただ薬局での一般用医薬品の販売に未来がないのかと言えば

決してそうとは言えないとも考えます。


その理由の1つは要指導医薬品の存在です。


要指導医薬品は市販薬の中ではネット販売もできない

店舗販売で薬剤師のみ販売可能となっています。

価格競争もそこまで起きておらず

まさに薬局が扱うとすればピッタリです。


ただ現状要指導医薬品に分類されている医薬品に焦点をあててみると

その扱いの厳格さゆえの要指導医薬品と言うよりも

取りあえずスイッチ化した直後ゆえの要指導医薬品

という側面のものが多いです。


しかしこれを

本当に薬剤師の関与が必要なものだけ要指導医薬品として薬剤師が販売する

というスキームが構築されればまた違うものになってくると思います。


昨今の緊急避妊薬よろしく

「薬剤師による適切な販売が可能とは思えない」

と言った主張(批難)も行われますが

許可制にして販売させれば

間違いなく多くの薬剤師は勉強します。

どうしてそう言い切れるのかと言えば

扱いの厳格な医薬品ならば

効果の面でもメリットを享受できるかもしれませんが

それなりのデメリットもあるわけで

それはつまりそれ相応の責任を負う必要が出てくるからです。

今では形骸化されつつある市販薬の販売ですが

要指導医薬品の情報提供は義務である以上

薬剤師の責任は明確になります。


それに要指導医薬品の拡大は

これからの医療費削減にも必須のものだと考えます。






しかし薬剤師の市販薬の役割に変革が起きるのは

今の牛歩的なスイッチ化の現状を見れば

まだまだ先のことになるでしょう。



昨日もスイッチ化の検討会が行われ

PPIや変頭痛薬のスイッチ化が見送られました。

⇒【厚労省評価会議】PPIスイッチ化は再審議‐「カルシポトリオール」は不可



もはや医療用医薬品のスイッチ化の議論においては

正しい議論の末に行われるものではなく

いかに声の大きい発言を尊重するか

になっている現状ではどうしようもありません。

パブリックコメントで賛成多数でも意味がなかった

緊急避妊薬の件も記憶に新しいです。


そもそもこの件に関しては肝心の薬剤師会自体も

「将来的にネット販売での販売か可能になってしまうから」

という開いた口が塞がらない理由で反対している有様なので

薬局の一般用医薬品の立ち位置は制度だけが一人歩きするものになるでしょう。






・・・と、無人レジの導入のニュースの事を考えながら

数カ月ぶりに近所のドラッグストアに足を運んでみたんですが

思いのほかに医薬品コーナーで相談している人がけっこういたんですよね。

しかも年代も20代と思われる若い女性も相談しており

薬の相談において対面での相談は想像以上に需要がありそうです。


そうなると無人レジの導入が完了した時代においては

一周回って

「有人レジ導入」

といった差別化が来る時代がくるかもしれないなあと思いながら

依然としてレジに並び会計を待っている今日この頃でした。



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