ヒルドイドを含む保湿剤の保険外しは仕方ない



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健康保険組合連合会(健保連)は2017年10月6日、2018年度診療報酬改定に向けて、お薬手帳の重複調剤防止効果や保湿剤の処方に関するレセプトデータを分析し、取りまとめた結果を公表した。
健保連、保湿剤の保険適用除外を提言


ヒルドイド美容目的問題の一番厄介な点は

純粋な薬剤費の伸びもそうですが

ヒルドイドを貰うために初診料・再診料及び処方箋料や

薬局でかかる諸々の費用を考えるとさらに医療費がかさむ点でしょう。

そういった面を考えれば

もし皮膚乾燥症の病名での保湿剤単独処方ができなくなるというのは賛成です。


そして一度この導入は医師側にとっても大きなメリットがあると思います。



そもそもヒルドイドを貰うには当たり前ですが医師の処方が必要です。

では本来ならばヒルドイドが適正使用されるように

「医師が本当に必要な量だけ処方すればいい」

という単純明快な事だと思うんですが

このご時世、患者さんの申し出を断って関係性を悪くしてまで

医療費の事を考えることはまあ難しいことではあると思います。
(もちろん賛成すべきことではありませんが)

当然医師の中にも悪いと思いつつも

仕方ないと思って処方しているケースも往々にしてあることでしょう。

ただ今回の規制のようにヒルドイド単独処方が不可となることで

医師側としても正当に断る理由ができるのは大きな意義があると思います。

モンスターペイシェントにヒルドイドを要求されても

「国の方針で出せなくなったんですよ」

と湿布70枚制限と同様に一言で済みます。

この

「納得してもらうことにかかる労力」

これが激減するのは現場にとって大きなメリットになるでしょう。


患者さんの中に

「乾燥症以外の病名つけてヒルドイドちょうだい」

という患者さんは稀でしょうし

医師の中でわざわざ抗ヒスタミン薬を抱き合わせて違う病名を付けてまで処方する医師も

おそらく(?)少数派でしょうから

少なくとも患者側からの美容目的での保湿剤利用は激減できると思います。



そもそも皮膚乾燥症への保湿剤使用単独は

かなり現実的に保険適用外になりそうですが

それでもたった年間93億円の薬剤費削減にしかならないことから
(処方箋料等含めると医療費全体としての影響はもっとあるでしょうが)

本丸は保湿剤自体を全て保険適用外にすると

年間約1200億円の薬剤費削減になるという点でしょう。



そして今回の資料によると

ご丁寧にOTCの保湿剤の値段を引き合いにだしている点や

諸外国と比較して保湿剤は保険適用外であることを明示している点からも

これを機に保険適用から完全に外す

というのはかなり現実的にあり得るのではないでしょうか。


すると当然湧き上がるのが

「本当に保湿剤が必要な人はどうするんだ」

という主張です。

ヒルドイド利用者には美容目的なんかには1gも使用せず

本当にヒルドイドが生活に必要不可欠な人だっているでしょう。

ただこれに関しては

本当に必要な人にだけ保湿剤を保険で認めてあげれば良いと思うんです。

湿布の70枚制限であっても

医師のコメントがあって本当に必要な人には上限を超えて処方可能な点を考えると

そこまで問題ないと思うんですよね。


では今度は

「本当に必要な人の線引きはどうするのか」

という問題になるでしょうが

これは保湿剤が必要なエビデンスがある疾患を踏まえて

かなり厳密に行われる必要があるでしょう。


ただこれにより必然的に割をくらう人が出てきます。

例えばいくら乾燥がひどく他の薬ではダメな人でも

おそらく保険適用外となるでしょう。

もちろんこれは良いことではありませんが

今回の一連の流れをみると必然とも思えます。


と言うのも

医療費削減のために何かできることはないかと議論している中で

「ヒルドイドは美容目的で使われて医療費に悪影響を与えている」

なんて事態が公にも知られている自体

鴨が葱を背負って来るようなものでしょう。

世論を味方に付けて話もスムーズに進みやすいです。






でも思うんです。

叩きやすい所から叩いて世論を味方に付けるというやり方は

今の時代、決して悪いことばかりだと思いません。



しかしもし本当に必要な人に必要な薬が使われていれば

結果不幸になる人が出る数は少しでも減らせます。


もちろん、そんなことはただの理想であり現実的にはほぼ不可能です。

しかし今回の件は

「ヒルドイドは美容にいい」
「病院では安く大量に貰える」


というSNSを筆頭にした言わば

「本当に医療用として保湿剤が必要な人」以外が

あまりにも多く加担した結果起きたものになるということ。

そしてさらなる問題はその加担した人の中で

責任を感じている人はそんなにいないのではないかと思う点です。


むしろ今回の規制が実行されたら

真っ先に不満を口にしそうな気がします。




そうなるとやはり利用する側のモラルが大切だと思うんですが

以前も書いた通りモラルに頼っては何も解決しませんので

⇒医療費ガン無視でヒルドイドを美容目的に使用し続ける理由


やはり話が大きくなる前に

何らかの規制が入る必要があるでしょう。


そうなると保湿剤全体が保険から外れるか否かは今後の動き次第ですが

まあ今回の報道後でもツイッター上で

「ヒルドイドは病院でもらうと安いよ」

というつぶやきを見る限りはまあ既定路線で保険から外れるでしょうね。


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ヒルドイドについても市販で買えますし、
いっそのこと
短期でしか使用しないOTCのある薬剤については薬価はあれど保険適用から外して仕舞えばいいような気もしますけどね
ヒルドイドに限らず、PLとかも含めてね
どうしても必要な人はどうするんやって意見もあったとしても
それが市販で買えるんですから市販でどうぞってことでいいような気もします
ワセリンなんか三類、
ヘパリン類似物質に至っては二類
登録販売者でも取り扱えますよ
費用にしてもセルフメディケーション税制の優遇をすれば何とでもなると思いますよ

はじめまして。
私はアトピー持ちの看護学生です。
この記事を読ませていただいてすごく共感しました。
国の負担を考えると削れるところは削らなければいけないし、適用外になるのは仕方ないと感じます。
ただ腹が立つのは、根拠も出処も分からない情報をみんながあまり考えずに広めて行くことです。医療を提供する側はもちろん倫理観が必要だと思いますが、受け取る側もただ受け入れるだけではなく、倫理観を持つことや、自分でも考えることが必要だと思います。
湿布もですが、無駄が出ないようにすること、必要な人が必要な量を貰えるシステムになっていって欲しいです。

為になりました。ありがとうございました。
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