「かかりつけ薬剤師の効果に疑問」より疑問なこと



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フリーライターの早川幸子さんが書いた記事

かかりつけ薬剤師の効果に疑問、薬剤費削減額の2.7倍のコスト発生

が話題になりました。

ざっくり説明すると

かかりつけ薬剤師によって削減された薬剤費は7260万円。

一方のかかりつけ薬剤師にかかるコストは2710万円。

つまりトータルで考えると4550万円のマイナスとなり

医療費削減とは言えないのではないか。

そしてそもそも残薬調整はかかりつけ薬剤師のみに課せられている業務ではなく

通常の薬剤師でも行われていることである

という主張です。


あくまでかかりつけ薬剤師においての

「残薬調整」

のみに焦点を絞った話しをしているため

一概にメリット・デメリットを語るのは難しいと思いますが

かかりつけ薬剤師を設けた意図の一丁目一番地は

まさに残薬調整・薬剤費削減になると思うので

個人的にはお金を主軸に議論をするのはアリだと考えます。



そして日本調剤は差し引きマイナスになっているとはいえ

早急にかかりつけ薬剤師の成果を金額で弾き出す点は

制度自体の見せ方が上手いと感じました。




ただ全面的に日本調剤の取り組みを支持できないのは

同業者として見る、まさにその「見せ方」にもあります。






日本調剤側はこの度

平均残薬調整額に見る「かかりつけ薬剤師」の有意差

というデータを示しています。

「かかりつけ薬剤師」効果で 薬剤費年間1億円削減へ 日本調剤「かかりつけ薬剤師」を効果検証!


これはその名の通り平均の残薬調整額を示すもので

かかりつけ薬剤師:19206円
一般薬剤師:8500円


という結果になり

かかりつけ薬剤師がより密接に患者さまの服薬管理に関わり、一元的で継続的な服薬指導を行うことで有意差が出ている

と結論付けています。



そしてさらに日本調剤は

薬局タイプ別にみる残薬調整額

というデータも示し

・門前
・医療モール
・診療所、クリニック前
・面対応

の4つの薬局タイプでどの薬局が最も残薬調整に関与できているかと言うもので

門前(166,145円)
医療モール型(80,853円)
診療所・クリニック前(51,364円)
面対応(44,188円)

と断トツに門前薬局が多く

日本調剤としては

「かかりつけ薬剤師」制度スタートにあたり、病院門前タイプの薬局に対する「かかりつけ機能」について懐疑的な内容の議論がありました(中略)。日本調剤では全店舗の7割が大病院前の門前薬局を運営しており、高単価処方が多い門前薬局ほど「かかりつけ薬剤師」による服薬指導は効果が高いと思われます。

と結論付けています。



これらを見て個人的な感想を言いますと

まず1つめのデータの

かかりつけ薬剤師or通常薬剤師による残薬調整の結果ですが

今回の記事を書いた早川幸子氏の主張の1つである

「かかりつけ薬剤師」による残薬の減額が大きいとアピールするのは、反対に高い報酬がつかなければ、積極的に残薬調整をしない薬剤師の怠慢と映りかねない。また、「かかりつけ薬剤師」を指名しないと、残薬調整してもらえないという誤解を患者に与えることにもなる。

この主張は大分エッジが効いていますが

概ね同意します。



もちろん日本を代表する調剤薬局チェーンの日本調剤さまなので

かかりつけ薬剤師の同意が得られないとしても

残薬調整のための啓発は行っていると思うのですが

それでもかかりつけと非かかりつけで2倍以上の残薬調整額の差が生じるのは

単に「患者さんに密に接することができた結果」なのか甚だ疑問です。




そして2つめのデータですが

門前薬局に減額調整額が多く

面対応はその4分の1の残薬調整額



という結果が出ていますが

そもそもかかりつけ薬剤師とは

「患者さんが複数の医療機関を受診したため生じる重複投与を防ぐ」

といった面での活用がメインだと認識していたのですが

門前が面対応の4倍の調整額というのはどうなんでしょう。

結果的に門前のかかりつけ薬剤師の必要性への疑問を

助長する結果になっている気がします。


そもそも医療モールにかかりつけ薬剤師が必要かも疑問です。





制度スタート当時から賛否両論あった

かかりつけ薬剤師ですが

最近ではその制度自体の是非以上に

かかりつけ薬剤師の同意・算定が本当に正しいと言えるのか

という点が問題視されている気がします。


今年の3月に日本調剤は

「1店舗当たりのかかりつけ薬剤師指導料の平均算定件数が月200件を突破」

とも公開されました。

そしてその時も書きましたが

1店舗でかかりつけ薬剤師の算定が月200件という数字が適切か否かは

正直判断できません。

日本調剤のかかりつけ薬剤師への意識をHPから見てみる


それにかかりつけ薬剤師によって

単なる残薬調整額では図れないものもあることでしょう。



ただ、仮にかかりつけ薬剤師の算定やその説明が不十分であったり

利益至上主義で上辺だけのものであったものが発覚した場合

結局全てがぶち壊されると思うんですよね。



薬歴未記載や付け替え問題同様に

ややこしい問題に発展しないことを願います。


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