OTC薬販売調査公表でネット販売に問題アリ

毎年行われているOTC薬の販売調査の結果がでました。
平成28年度医薬品販売制度実態把握調査結果について
毎年適正なOTCの販売がなされていないため
今年も調査結果も決して「良」という訳ではないんですが
まあ通常運転で可もなく不可もなくといった感じでしょうか。
(一番ダメな思考回路です)
そしてそんな中でも調査結果に関して気になった点がありました。
ひとつはDIオンラインの記事です。
第1類医薬品のインターネット販売については、ほとんどの項目で改善傾向にあった。しかし「薬剤師により情報提供が行われた」項目については、前々回90.9%、前回82.0%、今回69.8%と年々低下を続けている
医薬品販売の実態調査結果が公表
記事の中には以上のように書かれています。
ただこれだけ見るとあたかも
情報提供を行った薬剤師は約7割しかいない
とミスリードされがちですが実際は
薬剤師 69.8%
登録販売者 0.0%
その他・わからなかった 30.2%
となっていますので
・最低でも7割は薬剤師が第1類の情報提供を行ったことが確認できた
・ただし残りの3割は誰が情報提供を行ったか確認できなかった
ということになります。
第1類の販売ルールが遵守されていないのは事実ですが
一概に7割しかルールが守られていない訳ではなさそうです。
しかしこれ以外にも
第1類医薬品販売時の相談に対し回答があったかどうか
という調査がありましたが、それに回答した人が
薬剤師 70.1%
登録販売者 0.0%
その他・ わからなかった 29.9%
というこちらも
「その他・わからなかった」という結果が3割も出ている点です。
はっきり言って
「その他・ わからなかった」
という結果がこれだけ多い・むしろ例年より悪化していることは
かなり問題だと思います。
この調査は店頭での販売ではなく
インターネットでのOTC販売の調査結果になりますので
このご時世インターネットでの第1類の販売に関して
本当に専門家(薬剤師)が対応しているのかを担保することなど造作もないと思います。
しかし現時点で「その他・わからなかった」
とカテゴライズされるものが3割もある事は
何か確信犯的なものを邪推してしまいます。
DIオンラインの書き方も強ちミスリードではないかもと感じます。
それにしても医薬品販売のネット販売は対応が本当に追いついているのでしょうか。
この時代において
医薬品のネット販売のシェアが右肩下がりになる可能性は相当低い一方で
今や店舗販売のドラッグストアですらネット販売に参入し
今年になってAmazonも第1類の販売を開始したりなど
医薬品のネット販売のシェアは確実に伸びていくでしょう。
ではそんな時代において
医薬品のネット販売における販売ルールは遵守されないままであると
いつか足元を救われる気がするんですよね。
そして足元を救われるのはネット販売を行う企業だけでなく
先の緊急避妊薬の時の様に
「薬剤師による医薬品販売ルールが守られない現状がある以上、様々な医療用医薬品のスイッチ化には反対」
と言うような議論に発展する可能性もあるでしょう。
厚労省は
「引き続き各自治体などと連携し、事業者に対する実態確認、改善指導を行うとともに、関係団体に制度の遵守徹底を依頼し、販売制度の定着に取り組む」
としていますが
この文言は例年の使い回しです。
厚労省自体も本心では
可もなく不可もなくの評価の印象を受けます。
なんだかOTC薬の販売調査に関しては
これまでの感じで形骸化していく気がします。
来年も似た様な結果になることでしょう。
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