日本調剤が開始した病院への薬剤師派遣に思う事



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日本調剤は病院向けに薬剤師を派遣するサービスを始める。産休・育休を取得する薬剤師の代わりとして、日本調剤の店舗で働く薬剤師らを派遣する。

病院の薬剤師不足、日本調剤が派遣で解決



日本調剤が病院向け派遣サービスを開始したらしいのですが

派遣期間は産休・育休の代替要員という事で

素人目線で見ても需要は見込めそうな気がします。



そもそも日本調剤は

ファルマスタッフという子会社が派遣業を行っているため

病院へのパイプもあり

他の調剤薬局チェーンよりも有利に展開できますし

他者でライバルになるとしたら

同じく子会社が薬剤師の派遣転職業を営んでいる

アイセイグループくらいのものでしょう。



そしてこの病院への薬剤師派遣サービスは

病院側にとってもメリットが多いと思います。




まず薬剤師の数は女性薬剤師の方が多く

そうなると出産・育児休暇で穴が空くのも当然な事ですが

昨今の薬剤師不足や財政状況を考えると

新たに人員を増やす方針に舵を切るのは難しい医療機関も多かったと思います。


そこにわざわざ「産休・育休の代替要員」といった

ピンポイントで確実に需要がある所に派遣業を展開するとなれば

これまで派遣を利用する発想がなかった医療機関も

注目する事間違いなしです。



医療機関は薬剤師の数がギリギリの所も多いため

薬剤師を「確実に」「一定期間」「人員補充できる」

この制度はウケがいいでしょう。



ただ

「それだと普通の派遣薬剤師と同じじゃないの?」

と思われるかもしれませんが

医療機関側からすれば

全く知らない個人の薬剤師を面接して給与の交渉をして契約し

おまけに仲介料もガッツリ取られる。

そしてそもそも薬剤師の確保が難しい。


これらの多くの問題を

日調派遣サービスが解消してくれるため

医療機関側も歓迎するのではないでしょうか。


また、どこのだれとも分からない個人の薬剤師を派遣で雇うよりも

日本調剤を代表して派遣された薬剤師

という事で

過度に期待する事はなくても

まあ大ハズレはないだろうと考えるのが自然です。

日本調剤側も病院に派遣する薬剤師はそれなりに吟味する事でしょう。



もちろん「いくら」で契約するかにはよると思うんですけどね。





ただ今回のこの日調の派遣サービスのニュースを聞いて

調剤薬局チェーンは曲がり角だと改めて感じてしまいました。


と言うのもこれまでは新卒薬剤師をバンバン雇って

調剤薬局を次々と店舗展開するのが当然の流れであった中

決して薬剤師が過剰に在籍している訳ではない日本調剤が

自分の社員を派遣として利用するというのは

もはやこれまでの

調剤薬局事業にビジネスのメリットが乏しい

と言っている様なものであり

昨今のトリッキーな日調の動きを見ていると

確実に方向転換、もしくは次の道を模索している事に必死だからです。




そしてこの派遣サービスも客観的に見ればアリなんですが

これがもし当事者ならば正直歓迎しません。





おそらくですが仮に派遣として出向した場合

ボーナスで色が付いたり、査定に響いたりするかもしれませんし

「病院薬剤師を経験するいいチャンスだ」と背中を押されるかもしれません。

しかしそれって体の良い様にただ使われているだけで

スキルアップを目的とした

「病院薬剤師を経験させることありき」で進んだ話しではありません。



まあサラリーマンなので仕方ないとも思うんですが

派遣先との仲介料を稼ぐために

自分が派遣されるのは正直どうなのと思ってしまいます。


少なくとも派遣の期間は

自分が日本調剤の社員である意味はゼロです。



もちろん病院薬剤師の人手不足の解消といった面においては

個人的には歓迎すべきサービスですけどね。





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オンライン服薬指導解禁が及ぼす影響



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大手薬局チェーンのアインホールディングス(札幌市白石区)は、2018年6月18日、国家戦略特区で薬剤遠隔指導を行うため、愛知県に事業登録の事前相談を開始したと発表した。
アイン、特区でのオンライン服薬指導を開始へ


オンライン服薬指導の最大の焦点は

「既存の調剤薬局の形にどれほど影響を与えるか」

になりますが

そもそもオンライン服薬指導の話しが出るのは当然で

「医師による診察がオンラインで完結するのに

薬剤師による服薬指導が対面でなければならない」

なんて筋が通りませんからね。

実際に

「一気通貫の在宅医療」の実現に係るワーキンググループにおいても

診察をオンラインで済ませても、薬の受け取りを薬局に行くのであれば意味がない

という意見も出ています。



ただそもそもオンライン服薬指導は多くの薬局には関係のない話しです。

と言うのも

オンライン診療(名前が遠隔診療から代わったそうです)を行う医療機関と薬局は

ほぼマンツーマンの形で行う事になると思われます。


もちろん遠隔診療が爆発的に普及して

薬局もオンライン服薬指導がスタンダードになる時代が来ればまた別でしょうが

今回の診療報酬改定の遠隔診療の加算を見る限り

ここ数年での大きな普及の可能性は低いと考えられます。


そして仮にオンライン診療とは無関係に

普通の医療機関が対面で診察し

オンライン服薬指導が調剤薬局で普及したとしても

正直そこまで需要はないと思います。


と言うのも患者さんが薬局を選ぶ最大の理由は

「信頼のおける薬剤師の元で薬が欲しい」の32%を超えて

「以前からよく利用している薬局だから」 55.5%
「受診している病院・診療所から近いから」51.5%

患者のための薬局ビジョン実現のための 実態調査報告

が依然として患者さんが薬局を選ぶ上位2つの理由らしいです。

これをかみ砕いで言えば

いつもの薬局でなるべく時間をかけずに

病院の診察とセットで薬を貰って帰りたい


という考えの人が依然として多いと言えるのではないでしょうか。


そうなると例え診察を病院で行って

薬だけはオンライン服薬指導を利用するため

自宅に帰ってスマホやパソコンでアプリを立ち上げて

薬剤師から服薬指導を受け

後日薬の配送と言うのは正直面倒です。


そして調剤薬局側には遠隔診療とは違い

何の点数もついていないのでメリットがありません。

普通に対面で来れる人には対面で来てもらう方がベストです。


となると必然的にオンライン服薬指導を行う調剤薬局は

大して増えないのではないかと思います。





ただこのオンライン服薬指導が解禁されて気になる事が1つだけあります。

それはあるニュースとの兼ね合いです。


最近ぱったり話題にでませんが

昨年ニュースになった総務省が発表したグレーゾーン解消による

いわゆる「服薬指導後の薬剤の発送は合法」というものがありました。

服薬指導後の薬剤の配送は合法


これはその名の通り

先に服薬指導だけを済ませて薬は後で届けると言った

新たな形式のものですが

この形式では調剤した薬局が配送しなければならず

今回のオンライン服薬指導に関しても

今のところ薬の郵送に関しては調剤した薬局が届けるのが前提とされています。

しかしいずれこの薬の配送に関しては徹底的な議論がされると思います。




そう遠くない未来の形として

先に対面で服薬指導を済ます事が可
オンラインで服薬指導をするのも可

という時代においては

もはやすでにモノ(薬)と情報提供(服薬指導)はセットではありません。


実際に今回の規制改革推進会議の場でも。

これから考えるべきテーマは、薬のデリバリーです。デリバリーと、服薬指導という情報提供とを分けて考えてもいいのではないかと。薬剤師さんはもうちょっと付加価値の高い仕事をおやりになって、届けるのは薬剤師以外の宅配便に依頼するというスキームもこれから考えられたらいいのではないかと思うのですがいかがでしょう。

第18回 医療・介護ワーキング・グループ 議事録


という意見も出ています。

そして今後「服薬指導」と「薬の郵送」が隔てられるのであれば

一気に薬局の概念が変わる可能性も決して少なくありません。


例えば服薬指導は薬局内で行い

もし薬の変更や臨時薬が処方されたらそれだけその場で渡し

残りの薬は後日郵送。

薬局は待たされる事も少なく患者さんの利便性は飛躍的に高まる。

と考えられるのも自然でしょう。





そしてもう1つ気になるのがOTCの販売に関してです。



現在、要指導医薬品は薬剤師による対面販売が義務化されていますが

そもそも対面であることの本音の部分は

「市販薬でも薬剤師による対面販売が必要なのに、処方箋薬のネット販売はありえない」

という前提があったわけですが

今回の件で少なくとも理屈上では

要指導医薬品のネット販売の牙城は崩れます

そうなると先にOTC薬は全てネット販売解禁に移行する方が早そうです。


でも思うんです。

スイッチ化して間もないから要指導医薬品で対面販売が義務づけられているなんて

変えるべきでしょう。

そして数年経てば自動的に1類医薬品に移行するのであれば

薬そのものの分類が正しいとは到底思えません。



個人的には本当に扱いが厳格であるべきOTCのみを

対面販売の要指導医薬品として規制し

一度OTCの分類をガラガラポンすべきだと考えます。


内服のロキソニンがネットで買えて

湿布のロキソニンテープがネットで買えないなんて

どう考えてもおかしいでしょう。






という事で話題のオンライン服薬指導ですが

それ自体が直接的な影響を与える事は

そこまで多くはなさそうですが

それに付随して多くの事に多大な影響を及ぼしそうです。


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日調が院内でOTCを販売!ただし流行らないと思う理由



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日本調剤(東京都千代田区)は、2018年6月1日、倉敷中央病院(岡山県倉敷市)の院内に薬店「NICHO+くらしき」(読み方:にっちょうぷらすくらしき)を出店した。
日本調剤が倉敷中央病院の院内に薬店を出店



このニュースの注目度が高い理由は

「敷地内でOTC販売?」

と言うことよりも

「日調がまた何か始めたぞ」

と言うインパクトの方が高いからではないでしょうか。

DIオンラインのタイトルも

「日本調剤が倉敷中央病院の院内に薬店を出店」

としています。



しかしそもそも敷地内でOTCを販売するのは病院側のアイデアであり

プロポーザルで日調が手を挙げただけらしいので

このニュースで本当に注目すべきは

敷地内を飛び越えて病院内にOTCの販売を推奨した

倉敷中央病院側の方と言えるでしょう。

そして個人的にはこの倉敷中央病院。

日調以上にかなり攻めている病院だと思います。




ところで病院内でOTC薬や衛生用品を販売するのは

薬店側も利用者側にも病院にとっても

意外とメリットが多いのではないかと考えます。


まず薬店側ですが

「病院内で販売している薬」と言う信用の存在は大きく

医師が一言「あそこの薬店で買ってくださいね」と言えば

購入する人も多数いることでしょう。

医師側がOTCの販売にポジティブであれば医療費削減にも繋がります。


また「病院内で販売している薬」として販売することは

いわば病院の信用を借りて販売している様なものなので

一般の利用者に対しても

利益率の高いOTCが売れやすくなるのではないでしょうか。

「利益を追求する」となると聞こえは悪いですが

病院側が指定したOTCを販売しているらしく

双方がかなり連携している様子なので

ある程度のブレーキもかかり下手にもめる事もなさそうです。



そしてメリットは病院側にもあります。

まずこの薬店が行う業務の1つに薬鑑別がありますが

これは有効活用できると思います。


例えばこの病院は院内調剤らしいので

事前にこの薬店に残薬を持ってきてもらい

残薬を病院の薬剤部に伝える事で残薬調整の外注にも繋がります。

患者さんとしては500円の手数料を薬店に取られますが

残薬調整で浮いた差額の方が高ければ利用する人も多いでしょう。



今回の件で起こる問題点の1つとして

「個人情報の扱い」があるみたいですが

これに関しては事前に承諾を得ることも検討中であり

積極的な情報共有の動きをみせている事からも

はじめは病院側の情報を薬店側が利用する事がメインと思いましたが

その逆の利用も存分にありえそうです。





今回敷地内に薬店を誘致した倉敷中央病院は

外来が1日1000人もいる中で

薬剤師を100人抱えての院内調剤らしいです。

以前も書きましたが

医薬分業の恩恵を受けていない病院の1つです。

医薬分業の廃止は医療費削減になる。でも進まない理由。



では医薬分業に反対なのかと言えば良く分かりません。

ただしOTCの販売推進のために自分の病院で販売させたり

さらには病院内の薬店での体組成計や骨密度計を利用するなど

医師会の顔色は全く見ていない事は間違いなさそうです。

色んな意味でこの病院かなり攻めていると思います。



しかしこのニュースを受けて

全国の病院内で薬店が乱立する可能性はやはり低いと思います。

と言うのも依然として

ヒルドイドを美容目的で安く手に入れるために処方されるケースがあったり

自己負担額がないからと言って先発品を希望するなどの

「病院で薬を貰う方がお得」

と言う利用者側のモラルを変えるのは相当難しいからです。


一方でそのニーズに応える医療機関もまた少なくない現状で

利用者(患者)に負担を強いることが難しいのもまた事実です。


そして今回のケースを見ても

薬店と連携を取る姿勢はかなり積極的です。

いい意味でも悪い意味でも病院側の関与が必要になってくるでしょう。


となるとこのビジネスモデルを真似して

病院内でOTCを販売させる医療機関は

そうそう増えないのではないかと考えます。


薬店側からしても敷地内薬局以上に未知の世界ですからね。



ただ今後日調がポンポン敷地内でOTCを販売し始めたら

それ以上に分かりやすいリトマス試験紙はありませんので

きっとそう言うことでしょう。



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