「薬剤師による処方提案は反論」は生産性ゼロの議論



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2018年7月5日 平成30年度第4回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録


「処方提案は薬剤師による反論、対案」とした事が話題になっている

平成30年度第4回医薬品医療機器制度部会ですが

そもそもこういった薬剤師批難はそれなりに意義がありました。

例えば

無茶苦茶な理論で薬剤師側を批難するものであったとしても

その背景には医師会にとって

「叩く事による医療財政上のメリット」

が確かに存在していたからです。

すると医師側からするとトータルの利益を考えて

多少矛盾をはらんでいようが叩けばオールOKの風潮があり

いわば「医師会の立場で主張する限り何でも許される」節がありました。


ただ今回の件で言えば

言葉は悪いですが中川委員の超個人的な発言であり

もちろんこれが

「処方提案をすれば加算を算定できる」

の議論であれば話しは別ですが当然そんな事もなく

また医師会側にとっても処方提案を批難する事は

何ひとつメリットにはなりません。

確かに今でも「処方提案」を

「反論」「対案」などと捉える医師は存在しますが

ただ処方提案することが医師の権限を狭めることにも

薬剤師の権限を拡大する事にも繋がりませんからね。

あくまで「提案」のカテゴリーです。

そしてこの件に関して他の出席者からは

「例えば処方提案としてのレジメンの作成は欧米では薬剤師の役割として当たり前なので、やはりここでの処方提案は違うのではないか」

的な発言もありましたが

おそらく中川委員は言っている事が根本的に違います。






中川委員はズバッとモノを言う姿勢が高く評価されているそうで

今年の6月に行われた医師会の役員選挙でも

中川委員は見事、副会長を継続する事ができました。

一方、同じ副会長に当選した松原氏は当選こそしたものの

失言により会長からの推薦を得られない事態にも発展しました。


となると完全に余計なお世話ですが

いくら歯に衣着せぬ発言に定評のある中川委員でも

今は発言が可視化される時代という事を忘れない方がいいと思います。


そしてこれは個人的な感想なんですが

中川委員は

医師の利権を守るため

という建前があって今回の様に

「処方提案は医師に対する反論だ」

と主張する面もあり

それならまあ100歩譲って仕方ないと思うんですが

ひょっとすると本気で

処方提案は薬剤師による反論

と考えているのではないでしょうか。

この平成が終わる時代に完全に取り残されています。

(まあだからこそあれこれ発言できるのかもしれませんが・・)


確かに今の薬剤師会は

いくら叩いても反撃される事がないサンドバック状態。

医療財政上でもこれ程叩きやすい所はない状態と言っても

過言ではありません。

ただ

「敵を知り己を知れは百戦危うからず」という言葉がありますが

今回の様に資料のあら探しで本質的な議論ができない所を見ると

もし薬剤師側がしっかり議論する立場に回った時

中川委員は本当に困ると思います。

これは幸野委員との中医協での議論を見れば明らかで

もはや議論になっていませんもんね。

(ちなみに中川委員は中医協を交代させられたので

中医協での幸野委員とのバトルは今後見る事ができません)



では、今回の批難を受けて

じゃあ薬剤師側はどうする?と言う話しですが


今回の件に関して言えば

薬剤師会は明確に抗議した方がいいのではないかと思います。


窮鼠猫を嚙まない事で有名な薬剤師会が動くには

絶好のチャンスだと思うんです。


と言うのも今回の件に関して

さすがに薬剤師側からの怒りの度合いが桁違いです。


少なくとも今回の件の意見を目にする上では

相当ヒートアップしていると感じました。


これはつまり

たとえ薬剤師会が多少返り討ちにあっても

たとえ結果何も変わらなくても大多数が

薬剤師を代表してしかるべき反論を取る姿勢

に期待しているのではないでしょうか。


この件に関して賛否両論はほぼなく

ほぼ中川委員の意見に対して否を唱えるばかりでした。

もしこれが敷地内薬局の是非を問うものであれば

正直賛否両論あるため薬剤師会としての対応は難しいと思います。


ただし今回の件に関しては

すでに薬剤師会がとるべきベストアンサーは出ている様なものなので

これに乗らない手はありません。






個人的には議事録を読む前は

「どうしてその場で反論しなかったんだ」

くらいに思っていたんですが

議事録を読む限りほぼ周りは敵ばかりと言った状態であったため

もはや反論できる状態ではなかったと思います。




ですからぜひ薬剤師会として

改めて立ち上がって欲しいんですがどうでしょうか。


いち医師会の委員が

薬剤師全体の職能に口を出すのであれば

薬剤師会が個人の発言を指摘しても何ら問題はないと思うんですけどね。




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OTCへのスイッチ化は根本的に難しいと思った瞬間



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先日PPIのスイッチ化が不可になりましたが

おそらく今後もあらゆる医療用医薬品のスイッチ化は

厳しいものになるだろうと確信しました。



そもそも今回のPPIのスイッチ化が不可とされた決定打は

「現状においてOTCが適切に販売されていない現状がある」

という事が理由と言っても過言ではありません。



ただ、今後も薬剤師・登録販売者によって適切な販売が行われないことが

スイッチ化の議論の際に引き合いに出されて

待てど暮らせどスイッチ化が進まない可能性もあるのであれば

まずは販売する側が襟を正してから

今後スイッチ化の是非において適切な議論を行うべきだと

以前ここでも書きました。

PPIのスイッチ化不可の本質的な問題



ただもはやそんな次元ではなく

スイッチ化は根本的に難しいことだと感じました。


ではどうしてそう思ったのかと言いますと

そもそも今回のPPIのスイッチ化が見送りになった原因の根拠とされる

医薬品販売制度実態把握調査結果(いわゆる覆面調査)です。



この調査結果は近年厚労省が毎年公表しているものになるんですが

今年(2017年度分)の調査結果に何だか違和感を感じたんです。


正確に言えばその違和感はPPIのスイッチ化の議論の時に感じたんですが

実際に調べてみたら驚くべきことが発覚しました。


それは「ある調査結果」がこれまで顔を見せる事はなかったのに

今回のスイッチ化の検討会の資料に使われる際に急に姿を現したんです。

そうです。その調査結果がまさに


「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときの対応」


なんです。

厚労省データ

平成29年度医薬品販売制度実態把握調査結果について

そしてさらに驚くべきことは

この濫用のおそれがある医薬品を複数購入しようとした調査結果は

今年初めて公表されたにも関わらず

調査結果のグラフにはご丁寧に平成26年度からの推移が記載されています。

あたかも毎年調査され

その結果を公表していたかのような雰囲気です。


平成28年度医薬品販売制度実態把握調査結果について

平成27年度医薬品販売制度実態把握調査結果について

平成26年度医薬品販売制度実態把握調査結果について


※過去の調査には濫用性の医薬品については一切触れられていません




ではなぜこのような絶妙なタイミングで

この結果を今年から公表する事にしたのでしょうか。


たまたま超優秀な厚労省が公表するのを忘れていたのでしょうか。

はたまた様々なデータを持っていながら

それを自分達の都合の良い様に引き出すために利用しているのでしょうか。



下手に疑うのも良くありませんが

まあ前者というのは考えにくいですよね。

となると後者だとしたら

やはりスイッチ化がすすむことは

我々が想像する以上に相当難しいのではないでしょうか。


でも思うんです。

今回厚労省的には明確に

要指導医薬品・第一類・第二類の販売状況の適正化を調査しているに加え

濫用性のある医薬品についても調査対象ということが

今回明らかになりました。

そしてこれは個人的な感想ですが単に

濫用性のある医薬品の販売が適切でないことをあげて

「ほら、やっぱり安易にスイッチ化するのは危ないよね」

と利用するためだけとは思わないんです。

やはり濫用する事に対してそれなりの危惧を感じているのではないでしょうか。


しかしながら今回濫用性のある医薬品としてあげられたのは以下の薬。

エフェドリン、コデイン(鎮咳去痰薬に限る) 、ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬
に限る)、ブロムワレリル尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン(鎮咳去
痰薬のうち、内用液剤に限る)




これらは第二類医薬品に分類されており

ほとんどが全国どのドラックストアでも購入可能です。

そして利便性最強のネットでも購入可能です。

「利便性」と言えば聞こえはいいですが

正直購入のハードルが低いだけです。

実際にPPIの議論の場では

「濫用性のある医薬品を質問されずに購入できた」ケースは36.6%

という事で進んでいた議論が一転しましたが

ネット購入の場合は63.4%が質問等されずに購入できた調査結果があります。


そして対面・ネットに関わらず

もし本気でこれらの濫用性のある医薬品を複数購入する気があるならば

余裕で購入する事ができるのが現状です。

実質濫用性のある医薬品を購入するハードルなんてもはやないも同然です。


しかしある意味要指導医薬品や第一類医薬品より注目を浴びてしまう

これらの濫用性のおそれのある医薬品の販売の現状はザルであることを考えれば

もうこの濫用性のある医薬品は今すぐにでも

要指導医薬品に分類し直すべきではないでしょうか。


これを販売する側の責任として押し付ける事に無理があるのは

重々承知なはずです。




そして仮に

スイッチ化を阻止するための道具として利用するだけの調査ならば

この調査結果は完全に本末転倒であり

利用者の健康を害するリスクが高いのを承知で放置するのだとすれば

厚労省は本気で腐っているとしか思えません。




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やっぱり薬学部はこれ以上は不要



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日本私立薬科大学協会がまとめた2018年度の私立薬科大学(薬学部)入学志願者調査の結果、入学志願者数は9万5937人と前年度に比べて4667人少なく、5年ぶりに10万人を割り込んだ。4年連続の減少となる。
【18年度調査】5年ぶり志願者10万人割る



私立薬科大学への入学志願者が5年ぶりに10万人を割り込んだそうです。

ただ、薬学部を1校しか受験しないという学生は少数派で

単に学生側が複数受験しなくなってきているだけかもしれませんので

薬学部の人気が底打ちとは言い難いと思います。

しかし過去3年の実際の薬学部に入学した学生の数は

12608人(2016年)
12765人(2017年)
12320人(2018年)


と確かに今年は例年よりも少ない入学者になります。


まあ「資格が得られる大学は不況に強い」と言われていますので

今の景気がいい状態を考慮すれば

特段薬学部の人気が下がってきているわけでもないのかなあと思います。


個人的には薬剤師の輩出はとっくに絞っていく時期にあると思いますので

その役割を国家試験にだけ担わせるのではなく

入学の段階でさらに絞るべきでしょう。




ところで薬学部の入試倍率などのニュースを目にして改めて思う事が

関東を除く地方にできた

いわゆる新設薬学部は完全に失敗だったということです。


もちろん中には成功のケースもあり

九州の熊本にある崇城大学などは12.3倍の倍率となって

人気の高い薬学部も存在します。


ただ大多数の薬学部は倍率も低く

中には定員割れを起こしている薬学部まで誕生している始末です。

そして個人的に思う

「地方の新設薬学部の失敗」

というのは単に入試倍率の話しではなく

地方の薬学部を目指す学生の受け皿になっていない

という点で失敗だと思います。




最近はあまりきかなくなりましたが

少し前までは

「すべての都道府県に薬学部を」という主張もあり

その理由に

地方の薬剤師不足のため

と、本音か建て前か分かりませんが理由としていました。


ただこれが果たしてどれだけの効果があったのか

かなり疑わしい所です。



確かに地方に薬学部ができることで薬剤師の数は多少増えるでしょう。

しかし学生は自分の学力に見合った大学に入学するのが普通です。

そして地方の新設薬学部の偏差値は軒並みひどい状況です。


すると例えば偏差値55くらいの学生が

いくら自分の県に薬学部があったとしても

その地元の大学の偏差値が40代だった場合

正直入学をためらう人も決して少なくないでしょう。


それに学生の通学時間は多くても2時間。

それ以上の通学時間がかかる場合は

おそらく自宅を離れて一人暮らし

の選択をするでしょうから

いくら自分の県に薬学部があっても

通学可能なレベルでない限り

わざわざその大学に行くメリットはありません。

「薬学部は薬剤師の免許が取れればどこも同じ」

と割り切って地元の薬学部に行く人もいるかもしれませんが

今の薬学部の入学者のうち

どのくらいの割合の人がストレートで薬剤師になれるのかと言えば

約半数です。


そして残念ながらストレートで薬剤師になれる率は

偏差値とある程度の相関関係にあります。


するといくら

「どの大学に入学しても薬剤師になるならば同じ」

と考える人でも偏差値を重視するのは必然です。



つまり薬剤師不足のために薬学部をつくっても

残念ながら偏差値が低い学生の受け皿にしかならずに

中~高偏差値の学生の受け皿になり切れていない現状の大学が大多数。


さらに偏差値が低い学生の受け皿になっても

結局国家試験合格にまでたどり着かないと言った悪循環。

いくら地方の薬剤師不足として薬学部をつくっても

結局絵に描いた餅なんですね。


かたや国公立大の薬学部は依然として人気なので

かりに公立大の薬学部を創っても

結局他県の優秀な学生との競争になるだけで

その県の薬剤師不足には大きく貢献もしないでしょう。


ですからこれ以上の薬学部は不要ですし

さらに「地方の薬剤師不足のため薬学部がもっと必要」

という人をあまり信用していません。


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