今回の薬歴未記載問題がこれまでと違う所



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2018年3月26日、一部業界紙が、コスモファーマ(福島県郡山市)グループで、一部店舗に薬剤服用歴(薬歴)の未記載があると報じた。コスモファーマは、同社ウェブサイトによるとグループ全体で218店舗を展開する。
コスモファーマグループで薬歴未記載




このニュースのタイトルを目にした人は

あれだけ騒ぎになったのに

未だに薬歴未記載問題を引き起こす薬局に

あきれ果てた人も少なくないと思います。

ただ今回のニュース、何だか違和感が多いです。



DIオンラインによると

未記載だった薬歴を記入する際に、本社から薬歴の記載日を調剤日に一致させるように指示があったとしている。

と書かれています。

すると

①薬歴を未記載で放置したのが問題なのか
②本社から薬歴の記載日の指示があったことが問題なのか

そしてその両方なのかいまひとつピンと来ません。


以前問題となった薬歴未記載問題は①のケースが大半でした。

「そもそも薬歴を義務的に書くことに本当に意味があるのか?」

という議論も度々行われますが

現行では薬剤服用歴管理指導料を請求する以上は

薬歴の記載は必要なものになりますので算定する以上書く義務があります。

ただ今回のコスモファーマの場合は


未記載だった薬歴を記入する際に、本社から薬歴の記載日を調剤日に一致させるように指示があった

という事みたいなので薬歴を記載しなかった訳ではなさそうです。

そもそも保険請求する前の未記載なのか保険請求後の未記載なのか

そこが重要なポイントだと思いますが今の情報では良く分かりません。



ただ1つ言えることは

今回の不祥事が発覚したきっかけが

グループ全体での薬歴未記載発覚が原因ではなく

一部店舗で発覚との事らしいので

今回の件で問題になった原因の根源は

森友学園問題ではありませんが

本社からの指示があった

というのが大きいのは間違いないでしょう。





昨今の薬局の不祥事に関しては

本社からの指示はなかったとして

現場が責任を負うことが一種のスタンダードでした。


しかし今回の件で言えば

本社からの指示があったと明確に書かれていることから

これまでの薬局が起こした不祥事とは異なります。


文字に起こすと

組織ぐるみの調剤報酬の不正請求

となり、ことの問題は深刻そうです。




現に今回の件を受けて

全国のコスモファーマはグループ全体での調査に至りました。

今回の発端となったのは

コスモファーマ大阪(福島県郡山市)のオレンジ薬局(大阪府泉南市)

という事みたいですが

まあ本社からの指示があったのがこの店舗だけ

というのは無理がありますよね。

となると全国のコスモファーマの店舗でその実情が明らかになり

蜂の巣をつついたような大問題に発展すること必至でしょう。

返金もオレンジ薬局だけでは済まないと思います。

するとグループ全体のダメージは避けられません。


今回の不祥事は

本社からの指示があった以上悪いのは本社だと思います。

というよりも企業としての脇の甘さゆえに起きた問題だと考えます。

自分がコスモファーマの偉い立場の人ならば

「薬歴はその日のうちに記載するように」

と釘をさす程度に留めておいて後は忖度してもらうでしょう。


そもそもコスモファーマの場合がどれだけ薬歴を放置していたか知りませんが

あれだけ世間を騒がせた後の未記載なんてたかが知れていると思います。

もちろん程度の問題ではないのも事実であり

どんな事情があろうが未記載で保険請求したのならばアウトです。

しかしそれをご丁寧に

本社が記載日と調剤日を一致させるように指示する事自体

正直余計なお世話でしかありません。



余談ですがその点、大手は色んな意味でしっかりしていると思います。

モラル的には問題があったとしても

それを見極める能力は桁違いです。

そして結果として全国の調剤薬局・ドラッグストアチェーンにおいて

企業側としては現場の薬剤師の責任として終わらすのが

結局ベストだという認識を高めてしまったのではないでしょうか。




個人的には今回の不祥事によってコスモファーマは

それなりのペナルティを受けて然るべきだと思います。

そして本社が関与している以上言い訳も立ちません。

ただ思うんです。

では現場の薬剤師に一切の責任がないかと言われれば

そんな事もないと考えます。

ただ現場の人間の中には

「まさかこんな事で」

という認識の人もいる事でしょう。



今回はたまたま本社からの指示がありましたが

むしろ珍しいケースです。


そうなると新人薬剤師の方も入社した頃だと思いますが

自分が入った薬局が明らかに悪しき風習を受け継いでいる場合

それは企業からすれば

「現場の薬剤師の勝手な判断で行っていること」

とみなされてしまう可能性は決して低くありません。

つまり責任は空気を読んだ現場の薬剤師になります。




昨今では薬歴に限らず現金問屋や処方箋付け替えなどが公になりましたが

全国ではまだまだ色んな不祥事が当たり前の事として行われていると思います。

それは大手に限らず個人の薬局においても同様です。


「学生みたいな考えだとこれからやってけないぞ」

と言われていながら完全にアウトな事をやっている職場の方は要注意です。



新人薬剤師の皆さん

自分の身は自分で守っていくしかありませんよ。


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無人レジの導入に考える薬局の未来



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国内大手ドラッグストアが2025年までにすべての店舗で無人レジを導入する。医薬品や化粧品などにICタグを貼り付け、カゴに入れたままでも一括で読み取れるようにする。
ドラッグ全店に無人レジ ツルハなど、25年までに


少し前にニュースになったドラッグストアの無人レジの導入ですが

ここでの無人レジの導入とは

顧客が商品のバーコードを自分で読み取って会計するセルフレジとは違い

商品を買い物カゴに入れたままの状態で台の上に乗せ

機械が商品を一括で判別して会計できるタイプのものになります。


すでにドラッグストアは医薬品だけでなく日用品の販売も行われ
(もはやどちらがメインか分かりませんが)

夕方などの混雑時ピークの時はレジで待たされる事も少なくありません。

そうなるとそれを一挙に解決できる無人レジの導入は多くのメリットが生まれるでしょう。



ただドラッグストアの仕事はレジ業務だけではありませんので

浮いた分の人手は対人業務にまわされる事なく

結局店内の清掃や品出し等の業務をメインに行うことになると思います。

これらの仕事までロボットに代わるのはさらに先の事でしょうからね。


そして浮いた分の人件費は店舗展開の拡大に投資したり

営業時間も伸びて24時間営業のドラッグストアがかなり増えると思います。

ですから今回のニュースを受けて

「薬の専門家により意見を求めやすくなる」

と言った意見も目にしますがその点に関しては

個人的には現状維持止まりではないかと考えます。


薬の販売に関して

より薬剤師や登録販売者が関与できるようになるか否かは

また別の次元の話になりそうです。


そもそもこの流れは

2類以下の医薬品の情報提供が「努力義務」になったその瞬間から

医薬品は薬剤師・登録販売者の手を離れたものになりつつあります。


もはや一般用医薬品の販売ルールとして

「必要な資質・知識を持った専門家の関与のもとに販売が行われること」

とは形だけの現状も否定できません。



ただこうして無人レジが導入される事は大歓迎です。

例えば24時間営業になれば

夜中でも薬を購入したい人に販売する事が可能になりますし

介護用品などが24時間購入可能になれば助かります。

また見方を変えれば夜間や休日における

「市販薬で済ませるか」
「病院を受診するか」

と言ったトリアージ機能もドラッグストアが担う事ができるでしょう。


それにドラッグストア以外の小売業も

一般用医薬品の取り扱いを増やす流れになるでしょうから

薬はより身近に手に入りやすくなります。


まさに昨今の調剤薬局に必要とされている健康サポートの機能は

ドラッグストアをはじめとした薬局以外が担う事になるのではないでしょうか。



そもそも薬局とドラッグストアでは

品揃えもドラッグストアのそれとは桁違いになりますし

何より市販薬を購入する際の一番の懸念である値段に関しては

全く勝負になりません。

「薬は市販で購入するよりも病院で貰った方が安くて効く」

という刷り込みすらある以上

値段はかなり重要な要素だと考えます。



中には

「薬局が関与することでより正しい市販薬の販売が可能」

という主張もあるかもしれませんが

医療用医薬品と一般用医薬品は想像以上に性質が異なり

決して医療用の延長線上に一般用医薬品はありません。


それにこれからの時代は

一般用医薬品を購入する多くの人は薬剤師でも登録販売者でもなく

スマホ越しの誰かからの情報で薬を選ぶ時代が

より一層進んでいく事も考えられます。





ただ薬局での一般用医薬品の販売に未来がないのかと言えば

決してそうとは言えないとも考えます。


その理由の1つは要指導医薬品の存在です。


要指導医薬品は市販薬の中ではネット販売もできない

店舗販売で薬剤師のみ販売可能となっています。

価格競争もそこまで起きておらず

まさに薬局が扱うとすればピッタリです。


ただ現状要指導医薬品に分類されている医薬品に焦点をあててみると

その扱いの厳格さゆえの要指導医薬品と言うよりも

取りあえずスイッチ化した直後ゆえの要指導医薬品

という側面のものが多いです。


しかしこれを

本当に薬剤師の関与が必要なものだけ要指導医薬品として薬剤師が販売する

というスキームが構築されればまた違うものになってくると思います。


昨今の緊急避妊薬よろしく

「薬剤師による適切な販売が可能とは思えない」

と言った主張(批難)も行われますが

許可制にして販売させれば

間違いなく多くの薬剤師は勉強します。

どうしてそう言い切れるのかと言えば

扱いの厳格な医薬品ならば

効果の面でもメリットを享受できるかもしれませんが

それなりのデメリットもあるわけで

それはつまりそれ相応の責任を負う必要が出てくるからです。

今では形骸化されつつある市販薬の販売ですが

要指導医薬品の情報提供は義務である以上

薬剤師の責任は明確になります。


それに要指導医薬品の拡大は

これからの医療費削減にも必須のものだと考えます。






しかし薬剤師の市販薬の役割に変革が起きるのは

今の牛歩的なスイッチ化の現状を見れば

まだまだ先のことになるでしょう。



昨日もスイッチ化の検討会が行われ

PPIや変頭痛薬のスイッチ化が見送られました。

⇒【厚労省評価会議】PPIスイッチ化は再審議‐「カルシポトリオール」は不可



もはや医療用医薬品のスイッチ化の議論においては

正しい議論の末に行われるものではなく

いかに声の大きい発言を尊重するか

になっている現状ではどうしようもありません。

パブリックコメントで賛成多数でも意味がなかった

緊急避妊薬の件も記憶に新しいです。


そもそもこの件に関しては肝心の薬剤師会自体も

「将来的にネット販売での販売か可能になってしまうから」

という開いた口が塞がらない理由で反対している有様なので

薬局の一般用医薬品の立ち位置は制度だけが一人歩きするものになるでしょう。






・・・と、無人レジの導入のニュースの事を考えながら

数カ月ぶりに近所のドラッグストアに足を運んでみたんですが

思いのほかに医薬品コーナーで相談している人がけっこういたんですよね。

しかも年代も20代と思われる若い女性も相談しており

薬の相談において対面での相談は想像以上に需要がありそうです。


そうなると無人レジの導入が完了した時代においては

一周回って

「有人レジ導入」

といった差別化が来る時代がくるかもしれないなあと思いながら

依然としてレジに並び会計を待っている今日この頃でした。



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いまの薬局に一番必要なこと



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薬剤師は処方箋の2・3%で不備を見つけて患者の健康被害を防ぎ、推定2200億円の医療費削減に貢献している-。こんな調査結果を、神村英利福岡大薬学部教授と福岡市の4薬局でつくる研究班が処方箋約3万枚を分析して明らかにした。
処方箋の2.3%に不備 禁忌薬や重複投与 福大教授ら調査


こうやって薬局そして薬剤師の仕事の評価を数字として示す事は

非常に大きな意味があると思いますが

今回一番意味があったのが

新聞に取り上げられた点、そして

ヤフーニュースに載ったことではないでしょうか。




そもそもこの研究結果

正直良く分かりません。



年間2200億円の医療費削減につながる試算ということですが

この金額を見て客観的に判断できる人はそう多くないと思います。

例えば医療費に占める調剤医療費は7兆円を優に超え

その中の技術料は1.8兆円(平成28年)になりますから

約1割程度の医療費削減効果ならば

薬局がない方がベターと考える人がいるかもしれません。

もちろん単純なお金だけの比較では評価できず

お金に以上に大切な

「健康被害のリスクを減らす役割」

を薬剤師が担っているとすると

薬剤師の技術料は決して安くないと感じる人もいるかと思います。



一方で

この研究では疑義照会が処方箋の2.3%ということですが

言い換えれば

「97%以上の処方箋では疑義照会がなかった」

ということになりますが、それならば結果論だとしても

少数派を引き合いに出すのは違うのでは?

と考える人だって当然いることでしょう。




ただ多くの人はきっと今回のニュースを見てこう考えるはずです。




薬局の関与で2200億円の医療費削減

これが適切なのか否かなどはまず判断できませんが

何だかメリットである事は間違いなさそうです。

疑義照会をして健康被害のリスクを回避

何だか良く分かりませんが

それにより健康を損なわずに済んだことを考えれば

メリット以外の何者でもないでしょう。



そうなると今回の研究結果を見て

少なくともネガティブなイメージを持つ人はほとんどいないはずです。

つまり正直良く分からないし比較しようがないけれど

何となく薬局は

「薬を渡しているだけではないんだな」

という良い印象を持ってもらうというのは

今さら言うまでもありませんがかなり重要で意味がある事だと考えます。




そもそも薬局は

「何しているのか分からないがとにかく待たされる」

という印象は多くの人に根付いていると思います。


そして

「何をしているか分からない」

という事は

自ら率先して調べるという稀有な存在の人を除けば

「何もしていない」

と捉える人が多いのも自然なことだと思います。

つまり薬局の存在は

何もしてないのに待たされて金がかかってしまう場所

というイメージも当然あることでしょう。

そして漠然としたイメージは案外バカにできません。


例えば今後の医療費の分配にも関わってくる

大事な議論の場である中医協ですら

本来きちんとしたデータを持って議論するのが当然ですが

「薬局は儲け過ぎ」

という感情で薬剤師の仕事は批難されます。

また話は少しズレますが

ヒルドイドの美容目的に端を発する自己負担増なども

確証したデータだけでなく世論が動かした結果の賜物でしょう。




となると昨今言われる薬局バッシングにおいても

風向きを変える方法の1つとして

感情論でどれだけ世論を味方につけるか

と言うのはかなり大切なことになると考えます。


、、、と今さら改めていう事ではないかもしれませんが

薬局や薬剤師の役割は

我々が想像している以上に世の中に知られていません。



もちろん中には意見として

「個々の薬剤師がもっともっと患者に信頼されるような仕事をするべきだ」

という意見も当然あるでしょう。

確かにこれはド正論だと思いますが

残念ながら正論だけでは人は動きません。

そして薬局をほとんど利用しない

いわゆる識者が薬局・薬剤師を批難するのも現状です。

昨今の池田信夫氏や元新聞記者がいい例でしょう。






という事で世論を味方に付けるのは大変重要な事ですが

今回の研究結果を実際に受けて

フジテレビのグッデイで薬局の特集が組まれたらしいです。

⇒グッディより


数年前は情報番組「特ダネ」で

薬局を介すことで支払いが増え「説明書を断って少しでも安く」

という特集があり

薬剤師会が抗議文を送ったという事件がありましたが

今回は薬局の役割について好意的に紹介してくれたみたいです。


グッデイの視聴率がどれだけあるのか知りませんが

仮に1桁台だとしても数百万の人に届く事になりますので

これ程コスパのいいインフルエンサーはいません。

これも今回の研究結果がもたらした良い影響の1つであることは間違いありません。








という事で今回の研究は

様々な展開もあり結果的に素晴らしい事だと思いましたが

ただ欲を1つだけ言わせてもらえば

もう少し早くこの結果が出て

ヤフーニュースに取り上げて欲しかったですね。




まあ仮にそうなっても

次の診療報酬改定に影響がどれだけあったか甚だ疑問ですが。。。。




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