日本薬剤師会が敷地内薬局誘致に反対。それでも誘致は進むと思う理由。



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   





薬剤師会が敷地内薬局に対して見解を発表しました。


見解では、10月1日以降の「一体的な構造」に関する規制の概要を説明するとともに、「保険薬局の指定に当たっては、留意事項通知で示されている趣旨・内容と照らし合わせ、少しでも独立性に疑問がある場合は指定されないよう強く求める」と要望した。
日薬「敷地内薬局の誘致は薬局ビジョンに逆行」


もともと薬剤師会の山本会長も


「嫌悪感に近い。不愉快極まりない」


とかなり憤慨していらっしゃいましたが

薬剤師会として正式に意思を示した事になります。



いやーよかった。

これで一安心ですね。


全国の公的病院の門前薬局はほっと胸をなでおろした事でしょう。



と、言いたい所ですが

おそらく多くの人が懐疑的な見方をしていると思います。

個人的にもそう思っています。



患者のための薬局ビジョン

~『門前』から『かかりつけ』、そして『地域へ』~

を公表している中で、この敷地内薬局は完全に矛盾し

「保険医療機関による無秩序な敷地内への保険薬局の誘致は、患者のための薬局ビジョンの趣旨に逆行するものと言わざるを得ない」


という反論も行っているわけですが

おそらく厚労省側からしたら

完全に想定の範囲内だったのではないかと思うんです。







現在多くの公的病院の問題点として挙げられるのが

経営状況の悪化です。

日本病院会と全国公私病院連盟は11日、2014年の「病院運営実態分析調査の概要」を発表しました。それによりますと、病院全体での平均在院日数は同年6月時点で15.55日(前年同月比0.8日減)、病床利用率は72.51%(同0.48ポイント減)、100床当たりの収入金額は1億7637万6000円(同2.6%増)、同じく費用額は1億9051万円(同4.7%増)などという状況で、赤字病院が77.8%(同7.7ポイント増)となったことが分かりました
14年の病院経営状況、赤字が77.8%に大幅増―日病、公私病連



赤字になる原因としては

人件費がかなりかかってしまう事が挙げられますが

何と言ってもやはり診療報酬が厳しい状況において

十分な収益を上げるのが難しいという点も大きいです。



こういった病院経営が困難な際に

敷地内に薬局を誘致する事で安定した収入が

診療報酬に無関係で毎月・毎年得られると言うのは

かなりのメリットです。


そしてこのメリットは完全に想定内だったのではと考えます。

きっと素晴らしい頭脳の持ち主である役人さんたちが

「患者さんの利便性向上という建前で病院と薬局の構造上の規制緩和を行えば、薬局を誘致して賃料でかなりの収益になるのではないか」


と考え、役人さんたちからすると

「門前からかかりつけへ、そして地域へ」

という薬局ビジョンに矛盾するのは百も承知。


それでも診療報酬は医療費増のため赤字脱却ほどのプラスは見込みなし。

かと言って赤字だからと閉鎖できない公的病院ですから

病院と薬局、これらを天秤にかけて

病院経営を優先したのではないでしょうか。


実際、規制緩和の報道がなされた時は

病院と薬局の経営的な一体化はないと担保した上で

「公道にいったん出るという不便さ解消」
「フェンスが不要に」

などと言った一見誰も損しない様な事を謳っていました。


そして規制緩和は施行され

この一連の敷地内薬局の誘導問題は今騒がれる事まで

計算され尽していた事なのではないかと思うんです。




ただそんな規制緩和に対して

当初から反対していた方達がいるんです。

それはなんと



日本薬剤師会なんですね。



日本薬剤師会の山本信夫会長は6月4日の定例記者会見で、政府の規制改革会議で薬局の構造規制の緩和が議論されていることに対し、反対する決議を採択したことを説明した。

薬局の構造規制緩和に反対決議、日薬



いつもディスってばかりの薬剤師会なんですが

実は昨年の規制緩和の議論が行われている事に対して反対していたんです。


反対の理由がポジショントークゆえの事なのか

今まさに起きている敷地内薬局の問題を危惧したからなのか分かりませんが

薬剤師会としてこの件は行き当たりばったりの対応ではないんですね。



ただやはり今後敷地内薬局は進むと思います。



公的病院の経営を考えたら

他にやるべき事はあるんじゃないかと言いたいですが

手軽に収益を得る事ができる事業でもあり

また、それに乗っかる薬局も出てきてしまう以上

いくら薬剤師会が正式に反対を公表しても対処してもらえないと思うんです。


そして何より規制緩和の議論が起きた時に反対した薬剤師会ですが

結果規制緩和は進んでおり

再度敷地内薬局に対して異を唱えた所で

効果があるとはあまり思えないんですよねえ。



この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク

4

follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

国立病院の敷地内薬局誘致中止から思う事



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   



国立病院機構災害医療センター(東京都立川市)はこのほど、2016年8月から進めていた病院の敷地内に保険薬局を誘致する計画を中止することを決めた。10月4日に厚生労働省が国立病院機構本部に対し、「(敷地内薬局の誘致は)厚労省の所管法人として望ましくない」という見解を示したことを受け、機構本部と同センターが協議し計画中止に至った。
災害医療センター、敷地内薬局の誘致計画を中止



という事で敷地内薬局の誘致を中止したニュースについてです。

厚労省側は

患者本位の医薬分業の実現のため、かかりつけ薬剤師・薬局を推進するという方針になっている。(敷地内薬局の誘致は)その政策の方向性に合致せず、厚労省の所管法人として望ましくない

との見解を国立病院機構へ示し

協議の結果敷地内薬局の誘致中止に至ったらしいです。

ただこれが

全国の公的病院の敷地内薬局誘致への牽制になるかと言えば

まあそんな事はないでしょうね。





今回の誘致中止を決定した国立病院機構災害医療センターは

東京の国立病院であるため

日本薬剤師会のお膝元の東京都薬剤師会も

誘致当初から反対の見解を発表した事で一層圧力が高まった

もしくは厚労省の立場として今回の主張通り

医薬分業の理念から逆行する方針のため

同じ厚労省の管轄であるが故に体裁をまもるために

「仕方なしに一部の国立病院だけは誘致を止める」

という意向がバンバンしてきます。


と言うのも大阪府にある国立病院の刀根山病院も

同様に薬局の誘致を行っていましたが

即座に誘致の公募を取りやめました。

その理由が医薬分業の理念が~という訳ではなく

「土地貸付などを行う際には本部に届け出る必要があるが、刀根山病院はその手続きを行っていないまま、公募公示を誤って掲載したため」

という説明を行いさらには

今回の厚労省の見解は「あくまで災害医療センター(の敷地内薬局誘致)に関するもの」

と全国の国立病院に対しての見解ではないとしている事からも


「別に空気を読んで誘致を中止にしたわけではない」
「全国の国立病院が敷地内薬局を誘致しないとは限らない」


という姿勢が読み取れます。


そしてもし仮に

全国の国立病院での誘致が中止になったとしても

今度は官庁が文科省の大学病院などでは

厚労省のビジョンとは無関係に誘致が進むと思われますし

同様に公立病院では総務省が官庁のため

誘致を阻止するのは難しいと思います。


ただ国公立大学で薬学部がある所などは

大学で医薬分業について講義する一方で

付属の大学病院では敷地内に薬局を建てるのは

「正直どうなの?」と思ってしまいますけどね。



ですから最初このニュースを見た時は

「めずしく薬剤師会の活動が実を結んだ!?」

と思ったんですが

大事な事はいわゆる東京や大阪以外の

薬剤師会会員もそんなに多くない

地方の国立病院への誘致への影響はどうなのか?

さらには

厚労省管轄外の公的病院に関しては果たして誘致を阻止できるのか?

という所だと思うんです。




個人的な予想だと全国の国立病院も誘致なしは限定的。

さらに他の公的病院は関係なく敷地内薬局を誘致すると思います。


しかしもし薬剤会により全国の敷地内薬局を阻止する事ができたとしたら

正直薬剤師会の見方が180度変わりますね。



まあないでしょうけど。。。


むしろ今回の件で薬剤師会側も厚労省側も

実績を挙げたとしてガス抜きになったと考えるのであれば最悪ですけどね。




この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク

4

follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

敷地内薬局誘致の舞台は関ケ原にて!



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   




昨今話題の敷地内薬局誘致ですが

今回は国民健康保険病院が敷地内薬局の誘致に乗り出しました。

国民健康保険関ケ原病院 というカッコいい名前の病院です。

保険調剤薬局事業者募集に関する選定手続の実施について(公示)

しかしこちらは他の誘致とは変わった条件を提示しています。

その条件と言うのは

「大垣薬剤師会会員であること」

つまり薬剤師会に加入していないと認められないというものです。

※ちなみに大垣市とは岐阜県にある岐阜第2位の都市です。



敷地内薬局の一連の騒動に関して

珍しく日薬側も重い腰を上げ

敷地内薬局の誘致に関しては否定的な立場を表明し

国立病院が敷地内薬局の誘致を取り下げた事もあるくらい

話が大きくなっているわけですが

今回の誘致する薬局の条件として

大垣薬剤師会の会員が挙げられている以上

大垣薬剤師会だけの問題ではない事態でしょう。



日薬の会長も一連の敷地内薬局誘致を

「極めて不愉快」と激しく批難している中で

→相次ぐ敷地内薬局誘致‐日薬・山本会長「極めて不愉快」

敷地内薬局を考えている薬局の会員の除籍や

加入の拒否などを行う事が当然予想されると思いますが

個人的には案外敷地内薬局を認める判断を下すのではないかと思っています。




と言うのも現にこの国民健康保険病院は

外来患者数が平成27年だと1日あたり平均219人の外来患者数で
→国民健康保険関ケ原病院 公立病院改革プランの進捗確認 および評価

近くに門前薬局が1件
(GoogleMAPで見たらシャッターが閉まっていましたが・・・)

あと少し離れてチェーンのドラッグストアが1件あるだけで

しかもそこは調剤併設型ではなさそうな感じになっています。


すると実質的に敷地内薬局が出来ても

既存の薬局がもともと1件だけ。
(現在の状況は変わっているかもしれませんが)

さらにこの病院自体も赤字が恒常的にあるみたいなので

事業立て直しの一環として例外的に許可してしまうのではないかと思っています。




また宮城県の石巻薬剤師会でも復興事業として

夜間・休日に対応する薬局をつくるために

薬剤師会が率先して敷地内薬局の誘致に積極的な所もあります。

→夜間・休日対応に特化した薬局を開設へ

ですからもはや敷地内薬局は各地域の薬剤師会の対応ありきで

各々に任せるという方向性も考えられなくはありません。





しかし思うんです。

石巻薬剤師会の件は超特殊なケースですよね??


ですから例外として仕方がないとしても

そもそもの日薬が敷地内薬局を反対する理由が

「医薬分業の理念を損なう」
「患者のための薬局ビジョンの趣旨に逆行する」


と言う主張だったわけで

仮に石巻の様な特殊な事情でない限りは

いくら誘致した病院の前に

門前薬局があろうがなかろうが正直関係ない話しです。

そして今回は敷地内薬局の強制執行という訳でなく

薬剤師会に下駄を預ける形になっている中で

もしこれで了承してしまったのならば

薬剤師会が敷地内薬局を認めるという事になり

結局医薬分業云々と言うのは詭弁でしかなく

単に「門前薬局が困るという理由で敷地内薬局を否定していただけ」

と捉えられてもおかしくないでしょう。



そしてこのケースは全国多発的に起きている敷地内薬局に

さらなる弾みをつける事になってしまうのではないでしょうか。

まさに身から出た錆だと思うんです。

そしてそれ以降薬剤師会の「敷地内薬局反対」という事自体が

何の説得力も持たないものになってしまうでしょう。






もちろん日薬が全国の薬剤師会の意思をくみ取り

全部の意見を尊重するなんて言う事は100%不可能です。

しかしそれでも今回の様な医薬分業という理念の下に

敷地内薬局に反対する姿勢を取るのであれば

余程の特殊なケースを除いては絶対に認めてはいけないケースだと思います。



よってこの国民健康保険病院に関して

薬剤師会はNOと意思表示するのが当然であり

もしこれを例外的に認めるのであれば

日薬もしっかり見解を述べる必要があります。


そしてそれすら行わないのであれば

結局日薬は東京薬剤師会などの声の大きい所に便乗しただけの

いつも通りの薬剤師会だったと言えるでしょう。


この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク

4

follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加
プロフィール

black black

Author:black black
薬局・病院・医療業界など薬剤師を取り巻く業界の最新ニュースをお届けします。

ランキング
最新記事
ネット検索ならベスト
フォントが小さく情報が多い
時給4000円以上ならココ
ランキング
PVアクセスランキング にほんブログ村
来客数
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示