調剤後の服用確認の制度設計は超重要



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厚生労働省は、2018年11月22日に厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会を開催し、「服用期間を通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を実施すること」を法律で規定することを提案。さらに、把握した患者の服薬状況、実施した指導内容などについて、調剤録への記録を義務付けることを提案した。
調剤録への服薬状況や指導内容の記載の方向に




ほぼ確定した

「服用期間を通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を実施すること」

の法律の規定ですが全部が悪い方向へ進むとは思いません。

例えば自己注射や吸入器などのデバイスを使っての管理が初めてであったり

副作用リスクが高い薬やハイリスクの患者さんに薬が追加になった場合に

確認を行う事に関して

「どうしていちいち電話してくるんだ」

という感情よりも

「わざわざ気にかけてくれて親切だな」

という感情の方がおそらく可能性としては高いと思うんです。

ただこの場合もっとも注意が必要なことは

それが本当に患者さんのためと思っての確認の電話になるのか

はたまた薬局としての義務としての電話なのか

この2つのズレが生じてしまうと

より一層薬局への不満は確実に高まることは間違いありません。




そもそも今回の件の発端としては

来局日以外の服薬期間中に、電話での確認など継続的な服薬指導をしている薬局は39.9%で、していない薬局(47.9%)
日薬、薬局を機能で3つに分類するよう提案

この実情が問題視された事も発端の1つとされています。
(建前上かもしれませんが)


しかしこの確認を行っていた薬局は

「本当に自ら電話等で確認が必要と思った上で行ったもの」

だったはずです。

これを義務的にDO処方の患者さんにわざわざ電話して聞いている薬局は

ほぼ皆無だったでしょう。


日本薬剤師の乾氏は今回の件に関して

「制度化することで39.9%が100%になるのではないか」

と言う事で賛成派ですが

大事な事は39.9%や100%等の数字上の問題ではなく中身の問題で

本当に必要な患者さんに行われる様な制度設計がなされるのか

この点が非常に重要になってくると思います。



ただし制度部会の議論を見る限り

結局「誰のため」に「なぜ」法律を定めてまでやるのか

空想上の理想論ばかりで語っている気がしてなりません。

「服用期間を通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を実施すること」

となんだかもっともらしい感じもしますが

はっきり言って現場を知っていると思えない方々の発言を見る以上

ただ形だけの100%を目指せばOKの様に見えます。





また法令にまで組み込むとなると当然ですが

「できていませんでした」が通用しません。

となると昨今のハーボニー偽薬事件のように

結局現場の薬剤師の責任という事態も考えられます。

現状処方箋40枚以上を薬剤師1人でやってきた薬局は

相当厳しい負担になることでしょう。

もちろん100歩譲って加算が取れるのであれば

また話は違ってくるかと思いますが

あれだけ医師会から

「加算は付けるな」と釘をさされている状況では厳しいと考えます。

厚労省的には継続服用の確認を薬局が行う事の未来に

リフィル処方箋を見ている可能性もゼロではないかもしれませんが

これもまた医師会が目を光らせている以上

それが実現できるのかと言えばこちらも相当難しいでしょう。




そうなると今回の件は

業務は増える、加算は取れない、現場からは不満が出る、厚生局の仕事が増える

これに対して薬剤師会が乗っかる理由が分かりません。

ここに来て「患者さんのため」と正論を振りかざすのでしょうか。

医師会ですら反対しているのに

ここだけは医師会と反対の立場をとる意味も理解できません。




と言う事で

どう考えてもメリットに乏しい今回の法令追加ですが

あえて正論に乗っかり

「患者さんへのメリットが見えればそれが唯一の救い」

と考えるしかないと開き直るのも大切かもしれません。


これまでも散々言われてきた

「何しているか分からない薬剤師の姿」が

多少なりともオープンになって

その存在意義を感じてもらうことに繋がるのであれば

多少の業務上の負担もやむなしと考えます。



ただその中身をいかにもお役所的な形式上の内容で決定され

そしてそれをどうしようもない薬局が義務だからといって

ただ電話をかける。

そして患者さんはそれを迷惑がる。

こんな未来がすでにうっすらと見えてしまうんですよね。



この法令に関しては

しっかり議論を詰めていかないと

下手をすれば医薬分業における

最大級の負の遺産となる可能性もあるのではないかと

正直思っています。


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薬剤師会は本当に薬局の機能分類に賛成するの?



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薬局を3つの機能に分類するという話しですが

勝手に薬局を3つに分けても患者さん側にとっては

結局近い薬局に行って終わりだと思うと以前書きました。

⇒患者が薬局を選ぶ基準に理想論を持ち込む人達に驚愕


そもそも調剤拒否すらできませんしね。

ただこれらの諸問題が解決して

本当に患者さんのニーズに沿った薬局がそれぞれの役割を全うできれば

100歩譲って良しとしても

はっきり言って

「薬局を3つの機能に分類する」

これってただの建前で

本音の部分はシンプルに「基本的な機能を有する薬局」の評価を

合法的に引き下げる手段としか思えません。

薬剤師会としてはそうは考えないのでしょうか。




そもそも集中率が80%を超えている薬局が過半数を越える現状において

個人の薬局の薬剤師会会員は決して少ないとは言えません。

そんな中で薬局を3つの機能に分類すること

つまり現状の薬剤師会会員に対して逆風としか考えられない提案をすることは

内部から相当な批難を浴びると思うんですが

それは杞憂なのでしょうか。


まあ個人的にもただ薬を渡して薬歴を書くだけで利益を上げている薬局は

すぐにでも淘汰されるべきだと思いますが

その線引きが難しいため

結局薬局の機能に依存してしまうのは分からないでもありません。

薬局が変わらないといけないことは

自他ともに認める事実でしょう。



しかし制度部会に出席している薬剤師会副会長自らが

調剤しか実施していない薬局、現行法で定められた疑義照会や薬剤情報提供など、最小限の業務しかしていない薬局があるのは、私としては残念。

と身内を擁護する姿勢がゼロところか

むしろこの様な場で認めてしまい

なお且つ現状大多数を占める薬局の逆風になるスタンスをとるのは

これって薬剤師会的にまずいんじゃないの?と思ってしまいます。

まあ自分は薬局の経営者でもないので

薬剤師会上層部の立ち位置にとやかく言う資格はありませんが

もし自分が経営者ならば不信任決議案を提出していますね。
(そんなシステムがあるならば)

今後薬剤師会としては

決して安くない会費を払っている会員の経営者に対し

一体どのような説明を行うのか気になります。



では薬剤師会としてはどの様な立場をとるべきなのか

と言えば答えは決まっています。

薬局の機能分類に反対するべきです。


しかし制度部会の議論を見ると薬剤師会は毎回徹底的なバッシングにあって

とてもNOとは言える雰囲気ではありませんよね。

ただこの件に関しては最強の味方が付いています。

そうです医師会です。



医師会は薬局の機能分類に対して

薬局が報酬として加算を設けることを危惧して反対の立場をとっています。

医師会としては全ての薬局の報酬を

限界ギリギリまで下げるつもりであるため

仮にかかりつけ薬局や

高度薬学管理機能を有する薬局が法令上設定されてしまうと

加算を付けざるを得ないと考えているため反対の立場をとっています。

医師会のイメージとしては

現状10の薬局への報酬があるとして

それを将来的に3くらいにするつもりなのに

かかりつけ薬局などを設定すると5~10に値する抜け道を作ってしまう

こんなイメージを勝手に想像しています。


では薬剤師会側としても

薬局の機能を分類して5~10の報酬を得られるとするのが

理想的なのは理解できますし

薬局が変わるためのいい機会であることも分かります。



ただ繰り返しになりますが

勝手に薬局側を分類しても

患者さんはいつも通りの近くの薬局に行きますし



そもそも論で言えば

最低限の仕事しかやっていないと

日薬自体も自責の念で薬局を批難していますが

残念ながら薬局が叩かれているのは

その最低限の仕事すらやっていない事が

大きな原因の1つであることを考慮するべきでしょう。

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薬局の主張「処方箋に検査値を載せるべき」は正しいのか?



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処方箋に検査値が載ると

薬剤師はもとより患者さんにとっても

メリットは大変多いと思います。



例えば検査値から過量投与量の発覚や

副作用の可能性を疑う時などにも使い道は様々です。

薬剤師国家試験の問題においても

腎機能や肝機能障害による薬剤の投与量の適正化を問う問題も出題されており

もはや学生時代から検査値を学ぶ事は当たり前で

それを知ることのメリットも分かっているはずなんですが

どういう訳か薬局薬剤師にはこの検査値がかなり遠い存在になっています。




ただ個人的にも

処方箋に検査値を載せる事に賛成の立場ですが

それを薬局側が

「処方箋に検査値を載せるべき」

と一方的に主張するのは何か違う気がするんです。



そもそも当たり前ですが検査値を処方箋に載せるのは医療機関です。

では処方箋に検査値を載せるとなると

おそらく医療秘書の方や事務の方が載せることになるでしょう。

すると当然間違ったデータや古いデータを載せるなどのチョンボは

言語道断であり

可能性としては相当低いと思いますが

他人の検査値を間違って載せてしまったりした場合はこれまた大問題に発展します。

検査値を載せる同意を得るのも医療機関側です。



もちろんすでに処方箋に検査値の記載が進んでいる医療機関では

そこら辺の不備がないように自動的に紐づけされていると思いますし

時代の流れとして電子処方箋が普及するに連れて

改善されるとは思いますが現状全く普及していませんもんね。


しかしこれ以上に高いハードルがあります。

それは

「人は頼まれてやる仕事に対してあまり寛容ではない」

と言う事です。

たとえそれが自分のためでなく誰かのためだとしてもです。



例えば薬局においても一包化加算が存在しないとして

医師から「患者さんのために一包化をやってくれ」

と何十人も依頼されたら

いくら患者さんのためとはいい気分はしませんよね。

実際に仕事上において一方的に相手に求める事は

例えそれが患者さんのためだとしても

絶対に正義かと言われればそれは違うことも少なくありません。



しかしこの寛容さを最大限に引き出す魔法の手段があります。

それは双方の信頼関係です。




例えば今から5年前の2013年から

処方箋に検査値を載せ始めた京都大学病院ですが

それに続く医療機関も増加傾向にあります。

中には検査値の記載だけでなく

疑義不要のプロトコルなどを作成し連携している

医療機関と薬局もあります。

もちろん加算などあるはずがありません。


この連携が上手くいっている理由は分かりませんが

間違いなく言える事が

医療機関と薬局の信頼関係で成り立っているということです。


そもそも

「処方箋に検査値を載せるだけ」

と思っている人も多いかと思いますが

京都大学病院の場合は

アドヒアランスや服用状況や健康食品などの薬局で得た情報を

病院側へフィードバックするシステムも構築しており

決して一方的な情報提供ではなく

薬局側もチーム医療に貢献しているんです。

これは医療機関と薬局の信頼関係がないと

絶対にスタートしませんし機能しません。

また継続こそしても新たな情報が薬局に渡ることはありません。


つまり薬局からの一方的な依頼の結果ではなく

医療機関と地域の薬局信頼の結果であり

処方箋の検査値はそのツールの1つに過ぎないんですね。

ですから一言で言えば

最近あまり聞かれませんが

薬薬連携が非常に大切だと考えます。




ただそうは言ってもそれが一番難しかったりしますよね。

薬局と医療機関がうまく連携がとれている地域もある中で

大半がそうではないのが現状だと思います。

医療機関側が積極的でない可能性も存分にあり得ます。




では具体的に「処方箋に検査値が載るため」の道筋ですが

ざっくり3パターンが考えられます。


1つは「全国一律に検査値を載せる」ですが

これはまあ言わずもがな難しいでしょう。

昨今の薬局事情を考えれば

ここまで好待遇になるとは思いませんし

何より某職能団体から猛反発が起きること必至です。


では検査値を載せる事に加算がついたらどうでしょう。

これは現実的になくもなさそうです。

現に一般名処方加算として処方箋に加算もついているため

導入時の飴としてはアリではないでしょうか。

ただこれは検査値を知ることによって削減できた医療費と

加算に費やされたコストのバランスが重要になってきます。

すると後者はすぐに把握可能ですが

前者に関してはまあ相当時間もかかりそうです。

となると余計なコストと捉えられて

推進されない可能性も非常に高いと思います。




となるとやはり最終的な着地点として

地域の薬剤師会単位で信頼関係を構築していったり

もしくは電子処方箋の普及になってくるのでしょうか。


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