薬局の主張「処方箋に検査値を載せるべき」は正しいのか?



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処方箋に検査値が載ると

薬剤師はもとより患者さんにとっても

メリットは大変多いと思います。



例えば検査値から過量投与量の発覚や

副作用の可能性を疑う時などにも使い道は様々です。

薬剤師国家試験の問題においても

腎機能や肝機能障害による薬剤の投与量の適正化を問う問題も出題されており

もはや学生時代から検査値を学ぶ事は当たり前で

それを知ることのメリットも分かっているはずなんですが

どういう訳か薬局薬剤師にはこの検査値がかなり遠い存在になっています。




ただ個人的にも

処方箋に検査値を載せる事に賛成の立場ですが

それを薬局側が

「処方箋に検査値を載せるべき」

と一方的に主張するのは何か違う気がするんです。



そもそも当たり前ですが検査値を処方箋に載せるのは医療機関です。

では処方箋に検査値を載せるとなると

おそらく医療秘書の方や事務の方が載せることになるでしょう。

すると当然間違ったデータや古いデータを載せるなどのチョンボは

言語道断であり

可能性としては相当低いと思いますが

他人の検査値を間違って載せてしまったりした場合はこれまた大問題に発展します。

検査値を載せる同意を得るのも医療機関側です。



もちろんすでに処方箋に検査値の記載が進んでいる医療機関では

そこら辺の不備がないように自動的に紐づけされていると思いますし

時代の流れとして電子処方箋が普及するに連れて

改善されるとは思いますが現状全く普及していませんもんね。


しかしこれ以上に高いハードルがあります。

それは

「人は頼まれてやる仕事に対してあまり寛容ではない」

と言う事です。

たとえそれが自分のためでなく誰かのためだとしてもです。



例えば薬局においても一包化加算が存在しないとして

医師から「患者さんのために一包化をやってくれ」

と何十人も依頼されたら

いくら患者さんのためとはいい気分はしませんよね。

実際に仕事上において一方的に相手に求める事は

例えそれが患者さんのためだとしても

絶対に正義かと言われればそれは違うことも少なくありません。



しかしこの寛容さを最大限に引き出す魔法の手段があります。

それは双方の信頼関係です。




例えば今から5年前の2013年から

処方箋に検査値を載せ始めた京都大学病院ですが

それに続く医療機関も増加傾向にあります。

中には検査値の記載だけでなく

疑義不要のプロトコルなどを作成し連携している

医療機関と薬局もあります。

もちろん加算などあるはずがありません。


この連携が上手くいっている理由は分かりませんが

間違いなく言える事が

医療機関と薬局の信頼関係で成り立っているということです。


そもそも

「処方箋に検査値を載せるだけ」

と思っている人も多いかと思いますが

京都大学病院の場合は

アドヒアランスや服用状況や健康食品などの薬局で得た情報を

病院側へフィードバックするシステムも構築しており

決して一方的な情報提供ではなく

薬局側もチーム医療に貢献しているんです。

これは医療機関と薬局の信頼関係がないと

絶対にスタートしませんし機能しません。

また継続こそしても新たな情報が薬局に渡ることはありません。


つまり薬局からの一方的な依頼の結果ではなく

医療機関と地域の薬局信頼の結果であり

処方箋の検査値はそのツールの1つに過ぎないんですね。

ですから一言で言えば

最近あまり聞かれませんが

薬薬連携が非常に大切だと考えます。




ただそうは言ってもそれが一番難しかったりしますよね。

薬局と医療機関がうまく連携がとれている地域もある中で

大半がそうではないのが現状だと思います。

医療機関側が積極的でない可能性も存分にあり得ます。




では具体的に「処方箋に検査値が載るため」の道筋ですが

ざっくり3パターンが考えられます。


1つは「全国一律に検査値を載せる」ですが

これはまあ言わずもがな難しいでしょう。

昨今の薬局事情を考えれば

ここまで好待遇になるとは思いませんし

何より某職能団体から猛反発が起きること必至です。


では検査値を載せる事に加算がついたらどうでしょう。

これは現実的になくもなさそうです。

現に一般名処方加算として処方箋に加算もついているため

導入時の飴としてはアリではないでしょうか。

ただこれは検査値を知ることによって削減できた医療費と

加算に費やされたコストのバランスが重要になってきます。

すると後者はすぐに把握可能ですが

前者に関してはまあ相当時間もかかりそうです。

となると余計なコストと捉えられて

推進されない可能性も非常に高いと思います。




となるとやはり最終的な着地点として

地域の薬剤師会単位で信頼関係を構築していったり

もしくは電子処方箋の普及になってくるのでしょうか。


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分割調剤、このままでいいの??



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リフィル処方箋に対するアンケート調査が行われたみたいです。

⇒リフィル処方せん、薬剤師の半数超が「導入すべき」



リフィル処方箋


結果を見ると

医師の4分の1がリフィル処方箋に賛成

反対が約半数と言うアンケート結果みたいですが

個人的には

医師のリフィル処方箋への賛成は意外と低かった

と言う感想です。

そもそもこのアンケートはエムスリーキャリのアンケートなので

いわゆる勤務医師や勤務薬剤師が多数の回答者でしょう。

するとリフィル処方箋絶対反対の医師会のような

開業医の集団ではありませんので

勤務医からすれば反対はしなくてもアリと考える医師が

半数くらいいるのではないかと思ったんですが

実際は4分の1程度しか賛成ではなかったので

想像以上に低かったのが個人的な印象です。


ただリフィル処方箋自体が市民権を得られていませんので

そもそも「リフィル処方箋ってなに?」という層が

医師の中にも結構いると思うんですが

それらの人に対しても今回の質問であるように

リフィル処方箋=一定期間内に反復使用できる処方せん

と言われてもあんまりいいイメージは持ちませんよね。

「責任の所在はどこにあるのか」「長期処方や分割調剤と何が違うのか」

等の明確な答えを得られないままこの質問を投げかけられたら

リフィル処方箋は反対となるのも分からなくもありません。

正直言って、分からない(26.8%)が本当の答えではないでしょうか。

もしくは医師会の動きを見る限り

リフィル処方箋が進むわけがないと思う層もいるかもしれません。



ただそれより遥かに意外だったことが

分割調剤に対する薬剤師側の答えです。


分割調剤



この中の「今のままでよい」という回答が

分割調剤を推進すべきと拮抗しているわけですが

正直想像以上に多いと思いました。

そして個人的にはこのままでは良くないと考えます。




まず分割調剤は確かに患者さんのメリットにはなりますが

残念ながら医師にも薬剤師にとっても

あまり制度的にメリットはありません。

少なくとも利益はほぼありません。

すると

「将来的なリフィル処方箋のために分割調剤を頑張ろう」

とする薬局ってかなり少ないと思いますし

そもそも薬局の努力だけで分割調剤は進むものではありませんからね。


となるとその先にリフィル処方箋が見えているとしても

そもそも分割調剤は普及しません


これは結構致命的な欠点です。


しかしリフィル処方箋の議論になると

一般的に言われますよね

「まずは分割調剤をしっかり行ってから」と。

ただ個人的には

分割調剤の延長線上にリフィル処方箋はないと思うんです。


なぜなら必要とされる薬剤師の能力と責任がこの2つでは

大きく異なるからです。


言い方は悪いですが

分割調剤は特に何のスキルも求められずに制度がスタートされ

分割調剤を正しく行うために必要な薬剤師の能力的なものは

ほぼスルーされてここまで来たと思います。

ただしリフィル処方箋が仮に導入された場合には

単に「処方箋の使い回し」ではありませんので

それに応じた薬剤師の技能も求められると思いますし

利便性や経済性を優先するだけのものにしてはいけないと思うんです。


となるといくら分割調剤が増えて

その先にリフィル処方箋があったとしても

それに対応できるとは到底思えません。





と言っても個人的にはリフィル処方箋には賛成の立場なので

仮にこのアンケートに回答するとすれば

リフィル処方箋に対しては「推進すべき」に当たりますが

分割調剤については正直「分からない」と回答すると思います。

そしていつまで経っても

「まずは分割調剤をしっかりやってから」

と言われるのであれば

今そのメリットを享受している方には申し訳ないですが

もはや分割調剤は「廃止すべき」という立場です。


少なくとも今のままの分割調剤の形がいい事とは思いません。



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どうして薬学生の就職先にドラックストアが人気なのか



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今の学生の就職先のトレンドとして

「ドラッグストアが人気」という事らしく

昭和薬科大学でも

ドラックストアへ就職を決める学生が

4年制時代と比べて11.7%から21.6%に増えているそうです。

⇒ドラッグストアが薬学生の人気就職先に


実際に旺文社の6年制薬系学科の就職動向調査でも

医薬品販売業、いわゆるドラックストアに該当する層が

2015年度は全体の5.5%ですが

2017年度では9.2%となっており確かに増加傾向にありそうです。

他の就職先も見てみると

調剤薬局は32.6%→31.7%
病院・診療所22.2%→20.6%

となっており、薬局も病院・診療所も若干ですが減少傾向にあるため

整合性が取れてそうな感じはします。

平成27年就職先動向調査

平成29年就職先動向調査



それに加えて

「ドラッグストアの薬剤師の初任給が高いこと」

これは揺るぎない事実であるため

その意図としては調剤薬局と争ってでも

薬剤師の確保を急いでいるという事の

裏返しであり

ドラッグストアの人気が高まった可能性はもちろん高いですが

ドラッグストアにおける薬剤師の需要は確実に高まっていると思います。





例えばあのマツキヨが業界1位(売上高)から転落し

今では第4位となっています。

ではどうしてマツキヨが4位に転落したのかと言えば

決して業績が悪かったわけではなく

他のドラッグストアが調剤薬局をM&Aし

売り上げを拡大させたためと言われています。


そして独自にドラックストアでも

調剤併設型も増やし

さらに単に調剤併設ではなく

「かかりつけ」や「健康サポート」の薬局を目指したりと

ニーズに応えた薬局も展開していることから

ドラッグストアにおける薬剤師の需要は

今後しばらくは高まるのではないでしょうか。



ひと昔前はドラッグストアの一番の欠点として

「調剤経験が積めない」事が大変ネックでしたが

こう言った時代の流れもあり

ドラッグストアに勤務しても調剤経験がないため転職に不利

と考える学生も減って

おまけにドラッグストアの給料は元々高めであるため

奨学金の返済で追われる学生にとっても

ドラッグストアは理想的な職場になったのでしょう。


それにもはや調剤薬局とドラッグストアの垣根は

学生からすればなくなりつつあるのかもしれません。


また、もっと踏み込んで言えば

最初の就職先を勤め上げる薬剤師の方がレアでしょうから

昇給などは度外視して

初任給から30万円を越えるドラッグストアを就職先に選ぶことは

ある意味賢明と言えるのかもしれません。





ところで学生が選ぶ就職先についてですが

個人的には学生が何を基準にどの職場に就こうが

二十歳半ばの大人の判断なので全て自己責任であり

本人の自由でしかありませんが

先日の制度部会でも某委員が

「病院薬剤師への評価が低い事」

とそれにより

「優秀な学生が病院でなく調剤薬局に就職すること」

に対して危惧していましたね。

⇒厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会



でもこれ、はっきり言って余計なお世話だと思うんです。




一見すると

「病院薬剤師への評価、つまり報酬を上げて学生を病院へ」

と言う理論も分からなくもありませんが

そもそも病院薬剤師でも人気がある所は

給料云々を抜きにして未だに大人気ですし

逆に評価が多少ついたところでこれまで薬剤師不足で嘆いていた病院が

薬剤師の給料を大幅に上げて募集をかけるなんてまずありえません。


と言うのも2012年の診療報酬改定で

病棟薬剤業務実施加算がスタートし

その後も病院薬剤師に対する評価は少しずつですが点数として付加されています。

もちろんその「評価の度合い」が適切かどうかは議論が必要な所でしょうが

少なくともここ10年を見ると

これまで病院薬剤師がほぼ評価されていなかった過去

を考えると時代は変わってきています。

しかし一方で病院の薬剤師不足は解消されていませんし、偏在は健在です。


何より薬剤師への評価が多少上がったからと言って

ピンポイントで

「じゃあ薬剤師の給料だけ加算がついた分増やしましょう」

とはまずなりません。

そもそも薬剤師を奪い合うのは調剤薬局やドラッグストアになるので

そこでの競争で勝てる程の報酬が薬剤師に与えられるのかは甚だ疑問です。


実際にここ10年どころか20年を見ても

医療機関で働く病院薬剤師の数は大して増えていませんからね。


多少病院薬剤師に加算がついて

それにより薬剤師の雇用が増えるのかと言えば

歴史を見れば明らかです。





最近よく医師会をはじめとする方々が

調剤薬局を叩くついでに

「病院薬剤師の評価を上げろ」

と言っており

確かに病院薬剤師への評価が上がること自体は悪い事では

ないと思いますが、それは結局絵に描いた餅で

そう主張する人の本心は別の所にあり

結果的に病院が多少得をするだけに落ち着くのではないでしょうか。


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