生活保護受給者の後発品使用に関して思う事



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   




厚生労働省は17日、生活保護の医療扶助で後発医薬品の使用を原則化することについて、パブリックコメントの募集を開始した。
生活保護の医療扶助は原則後発品、意見募集


「生活保護受給者に原則ジェネリック医薬品を」

となると必ず言われることが

生活保護受給者を差別するつもりか

と言う意見です。



ジェネリック医薬品の使用率が7割を越えている地域もあり

目標は8割を目指している今の時代において

ジェネリック医薬品を使用する事自体が

どうして差別なのか良く分かりませんが

どうやら「選択権がない事」が良くないみたいです。

確かにジェネリックの効果に疑問を持っても

原則先発品しか使用できないとなると

それがイコール不平等という考えも

見方によっては仕方ないのかもしれません。


ただ今回の件において

「生活保護受給者に対する差別だ」

という人の意見は完全に悪手だと思うんです。



と言うのも

生活保護受給者とよく引き合いに出されるのが

年金で生活している高齢者ですが

実際に生活保護受給者と比較して見て行きたいと思います。


例えば国保の場合最高で月に約6.5万円です。

これは40年間保険料を払った場合の満額になります。

そして厚生年金ですが、こちらはバラつきが大きいため一概に言えませんが

平均で月額約15万円です。

そして医療費の負担額は1~3割負担です。


かたや生活保護受給者ですが

こちらは地域によって差がありますが

住宅扶助を含めて約10~15万円といった所でしょう。

そしてご存知の通り医療費はゼロです。


収入がなく年金から病院までの交通費を払って

自己負担額を減らすために

進んで後発品を選ぶ年金暮らしの高齢者がいる一方で

生活保護受給者は全て無料です。


どうですか?

この現状があって

仮に生活保護受給者を原則後発品にしたところで

とても「差別」という言葉が適切とは個人的には思いません。

それに最悪医師の裁量で先発品を選ぶことも可能です



それでもなお後発品の使用を原則とする事が不服であるならば

まずは同じ土俵に上がる必要があると思うんです。


つまり生活保護受給者も1割でも0.5割でも自己負担があるべきでしょう。



現役世代の保険料は上がる事はあっても下がる事はありません。

おまけに医療費の自己負担額は確実に増えて

年金の支給額は減り支給される年齢も引き上げられます。

すべての世代の負担が増えている一方で

生活保護受給者の負担だけこれまでと一緒というのは

虫が良すぎる話しではないでしょうか。






まあこんなことを書くと

一部の方からバッシングを食らうんですが

何も生活保護受給者に限った話しではなく

医療費の自己負担がゼロの方も、もれなく自己負担を発生させるべきだと考えます。



その理由はなぜかと言うと

何も意地悪をしたいのではなく

そもそもあらゆる医療費免除の方が

これからも医療に対する不安や負担をできるだけ軽減できるための

全ての人達による痛み分けだからです。


このまま医療費を含めた社会保障が

未来永劫続く事は残念ながらありません。




という事であらゆる保護を受けている方は

少しでも負担を増やすべきだと考える立場ですが

生活保護受給者の後発品使用に関しては

正直どちらでもいいという立場です。



というのもすでに生活保護受給者の後発品使用割合は72.2%で

全体の65.8%よりも高い水準にあります。

厚労省HPより


つまり今さら生活保護受給者を原則後発品にしても

実際に医療費削減にはおおよそ上限に達していると言うことです。

「上限に達する」まで言うと語弊がありそうですが

そもそも生保の方の医療補助が約1.8兆円になりますから

たかだか外来での薬剤費をジェネリックに変更した所で

正直医療費削減には繋がりません。焼け石に水です。


ですから今さら生活保護受給者を原則後発品にさせても

大して意味はないのですが

そんな事は資料を作ったり閣議決定している厚労省が

誰よりもよく分かっています。

そして後発品の使用を原則とすると

生活保護受給者を守る立場の方々からバッシングを受けるのも

百も承知なはずです。

実際に舛添元知事が厚労省大臣だった時に

後発品使用を原則とさせようとした結果

猛反対が起きて中止せざる得なくなりました。


しかし時代は代わり

与党の力が強くなり過ぎているのか分かりませんが

今回は閣議決定した後にパブコメを募集する始末。

これは少なくとも「生保は後発品を使うべき」と言う意見が

すでに多数派なんでしょう。


この手の話しはもはや実問題より感情論の問題が大きく

なお且つ

「世論の意見を尊重している」

様に見えることがとにかく大事ですからね。



まあこの手法が正しいとは思いませんが

やはり医療費負担額ゼロに対して

もう一度よく考えなおす時期に来ているのではないかと思います。


この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク


follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

PPIのスイッチ化不可の本質的な問題



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   

厚生労働省は2018年8月1日、第5回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議を開催した。ナプロキセン(医療用医薬品名ナイキサン)、プロピベリン塩酸塩(バップフォー他)はスイッチOTC化を「可」としたが、前回から継続審議となったプロトンポンプ阻害薬(PPI)のOTC化は、今回も議論が平行線をたどり、最終的に「否」となった。
PPIのOTC化、紛糾の末に「否」



PPIのスイッチ化が不可になりました。


安全性やPPIのスイッチ化の意義を考えれば否定的な意見があり

逆に安全性と利便性を天秤にかければスイッチ化に賛成という

両者の意見が割れるのも必然でしょう。


もちろん中には良く分からない反対意見もありましたが

医師側が全面的に否定しているわけでもなく

日本消化器病学会や国立国際医療研究センター国府台病院病院長などは

スイッチ化を容認しています。


そして今回のPPIのスイッチ化が不可とされた決定打は

市販薬を適切に販売できていない現状があるから

ということらしいです。

「濫用などの恐れのある医薬品を複数購入しようとした時の対応」について、「質問されずに購入できた」ケースは36.6%(2016年)だった。


これを見て結論PPIのスイッチ化はダメ

という理屈は一見筋が通ってそうですよね。


まずは販売する環境をしっかり整えてから議論はそれから

という主張はまあ間違ってはいないとは思います。


仮にPPIがスイッチ化するとその効果の高さから

CMでも宣伝され

適切な使い方をせずに思考停止で連用してしまう可能性も

決して低いとは言えないでしょう。


でも思うんです。

販売体制が現段階では整っていない現状があるから

「PPIは不可」とするならば

今回の検討会議でスイッチ化が認められた

ナプロキセンやプロピベリンがなぜ認められたのか理解できません。


PPIと同じ理論で言うならば

こちらの販売体制問題も考えるべきではないでしょうか。


もちろんナプロキセンやプロピベリンが濫用される可能性は低いと思いますが

PPIと同様に長期で使用してしまう可能性もあるでしょう。




それにこの検討会議で問題視された医薬品の販売現状として

濫用される恐れのある市販薬が正しく販売されていない

と言うことでしたが

濫用のリスクの高い医薬品の多くは第2類医薬品に分類され

薬剤師はおろかネットでも買えて

ドラッグストアでも買えて家電量販店でも買える

おまけにその販売形式は情報提供が「努力義務」です。

安価で依存性も高い医薬品を

濫用を防ぐリスクを完全に排除する事は残念ながら不可能です。


もちろんそれをまねいてしまった原因の1つとして

薬剤師や登録販売者の販売時において

それが十分に機能していない事も大きな問題です。

薬を取り扱う側が適切な販売を行っていない事は

反省すべきことです。



今回の検討会議で引き合いに出された覆面調査の

「医薬品販売制度実態把握調査結果」は

近年は毎年公表されている調査結果になりますが

正直公表だけ行ってそれが活用されていたとは思えません。


ただ、個人的な意見を言わせてもらえば

おそらくこの状況はこのままでは大して変わらないと思います。


かと言って今後スイッチ化の議論があるたびに

この事を引き合いに出されたらスイッチ化は一生進みません


今回、薬の販売が

「濫用のおそれがある薬が36.6%で質問されずに購入できた」

ということですが

たとえこれが改善されて10~20%くらいになったとしても

「まだ正しく販売されているとは言えない」

といつまで経っても話は前に進まないと思います。





そもそもスイッチ化は薬剤師の職能拡大でもなく

医師の権利を奪うことでもなく

最重要課題の医療費削減のためです。


言ってしまえば

PPIがスイッチ化されるべきか否かの次元の話しですらないと思います。



そして今回の最大の問題は

今後のスイッチ化が不可になる理由が

薬剤師・登録販売者の落ち度にあるとされることです。


スイッチ化の議論が賛否別れると

次も間違いなくこの事が議題に挙がることでしょう。




ですから薬を販売する側に落ち度がある事をしっかり認めて

もし適切な販売が行われていない事が常態化してあるならば

一定期間の販売停止のペナルティを与えたり

2類以下でも現在濫用が問題視されている市販薬は

自主的に文書の提供を義務付けたりするなどの対策を取ればいいと思います。

ネット販売を不可とするのも要指導医薬品に限定する必要はないでしょう。

もしくは状況に応じて再分類を行うのもアリだと思います。





少し前のノルレボのスイッチ化の時も

結局薬剤師による適切な販売が担保できない云々が引き合いに出されて

スイッチ化は見送りになりました。

しかし

「じゃあどうすればいいのか?」

という議論はそこで止まっている気がします。



ですから今回の検討会議を機に

もう一度市販薬の販売を見つめ直すべきではないでしょうか。



この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク


follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

薬剤師批判の取扱説明書



にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
   





個人的に医薬分業批判は嫌いじゃないんですが

度々目にする「医薬分業批判」と「薬剤師」がぶつかってしまうのは

安く見積もっても

その医薬分業批判があまりにもお粗末である理由が大きいと思います。


薬剤師側からすると

「また変な事言っているよ」と

素人の付け焼刃の批判として片づけられてしまい

全く建設的ではありません。


ですからここでは薬剤師にとっても改めるべき正しい批判になるように

いい医薬分業批判とダメな批判を紹介していきたいと思います。






まず最初に薬剤師批判は大きく以下の3つ分類されます。




・薬剤師は薬を棚から取るだけなのに儲け過ぎだし待たされたり質問されたりして面倒くさい

・調剤薬局は院内調剤の3倍のコストがかかる

・医薬分業を理解しているがそれでもコストが高い

この3つに収束されると思います。



まず最初の薬剤師は薬を棚から取るだけなのにお金がかかり

毎回同じことを質問されて面倒くさいという批判です。


この意見は薬局を利用する個人の意見としてはアリだと思うんですが

それなりの発言力がある人がにわか知識で発言してしまうと

ほぼ間違いなく炎上するので要注意です。

これに関しては

「薬剤師の仕事は調剤だけ」と言う

今の時代のタブーな知識で薬剤師を批判してしまうため

バッシングを受けやすくなってしまいます。

そもそも他人の仕事を批判する覚悟があって行う訳なので

それ相当の下調べと心の準備が必要です。



では次の

調剤薬局は院内調剤の3倍のコストがかかる

ですがこれは橋下徹氏が良く言っている

自称インテリに多い印象があります。

ただこの批判に対してなんですが

医薬分業が3倍のコストがかかるから調剤薬局はいらない

というのは間違っているので簡単に訂正していきます。


まず調剤薬局が高いのは間違いではないかもしれませんが

もし調剤薬局を廃止して全て院内調剤(病院で薬を貰う場合)に戻した場合

薬をもらうための値段が3分の1になる事は100%ありません。

それはどうしてか。


まず病院で医療を受けるには様々なコストがかかります。

例えば管理栄養士に栄養指導をしてもらうとお金がかかりますし

セラピストにリハビリを行ってもらうとお金がかかります。


しかし外来で薬の指導をしてもらう場合

はっきり言って格安のコストになっています。


これは国の政策として薬は調剤薬局でもらう方針であるため

と言うのが理由の1つですが

とにかく病院で薬を貰う場合は安すぎるんです。

ではもし調剤薬局がなくなった場合どうなるのか。


間違いなく今度は病院で薬を貰う場合に支払うお金は高くなります。

これまでは調剤薬局に割り振っていたコストを

今度は病院が求めるのは必然ですよね。


すると医薬分業はコストが3倍というのは即崩壊しますので

調剤薬局がなくなれば値段が3分の1となる幻想を抱いている人は

まず考え直してください。



そしてこの手の批判を行う人の最大の欠点としては


調剤薬局だと値段が高くなるという情報を先に得た結果

結論ありき(コストがかかりすぎる)で話を展開してしまうため

是々非々の意見ではなく

医薬分業のメリットを完全に無視する論調にある点です。

この場合はプチ炎上するので警戒が必要です。



ただこれは非常に勿体ない話しで

「医薬分業はこんなメリットもある」
「しかしそれに対してこのコストは本当に正しいのか」

とすればおそらく薬剤師側からも支持を得られると思います。



これを行えているのが最後の

医薬分業を理解しているがコストが高すぎと批判する事です。

この批判は本当に価値がある批判だと思います。


そもそも前提として

今の医薬分業の形が100%正しいと思っている薬剤師は

おそらくいません。


利益追求する企業もあれば

不正を行う企業もあり

理解しがたい調剤報酬の部分もあります。

そこで医薬分業自体のどの部分に欠陥があるのか。

何が制度として歪んでいるのか。

この辺を指摘できる人は体感的に正しい批判だと思います。


この場合、極端に「薬剤師は不要」とエッジが効いた意見を言っても

まず炎上する事はありません。




ということで薬剤師及び調剤薬局の批判を行う場合は

これらのことを踏まえて批判する事をおすすめします。




安易な批判によってTwitterのフォロワーは増え

ブログのアクセスがアップするかもしれませんが

割に合わない薬剤師からの反論の嵐になる可能性も大です。


また最近のトレンドとして

取りあえず薬剤師を批判してみたら

想像以上の反論があったので

後から慌てて調べて徹底抗戦するけれど

振り上げた拳の下ろし方がわからない人も見かけますので

それだけは避けてください。


またAIがいるから薬剤師は不要という批判もありますが

それはAIの時代になってから批判しましょう。


この意見に賛同する方はクリックをお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク


follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加
プロフィール

black black

Author:black black
薬局・病院・医療業界など薬剤師を取り巻く業界の最新ニュースをお届けします。

ランキング
最新記事
ネット検索ならベスト
時給4000円以上ならココ
急募情報に特化
RSSリンクの表示