「薬局は薬を取ってくるだけなのにお金をとり過ぎ」は正しい!?



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確かに調剤医療費の伸びは著しいですが

その原因と見てみると一目瞭然です。

医療費



仮に薬局をボコボコに叩いて多少医療費を捻出した所で

残念ながら抜本的な解決にはなりません。

それ以上に早急に薬剤費に手を付ける必要があり

薬局に

「調剤後も継続的なフォローを行うべき」

なんて議論を行う前に

「ランソプラゾールでなくタケキャブが本当に必要なのか?」

と言ったような

費用対効果の議論を行うべきだと思うんですが

まあ道のりは険しいでしょう。


ただ調剤技術料も1.8兆円にも上るわけで

それを無視して「他をもっと削減すべき」と言うのは

某職能団体と同じになりますので

あえて調剤医療費を削る主張をしたいと思います。



と、本題に入る前に

良くある薬局バッシングでは

「薬局は薬を棚からとってくるだけなのにお金をとり過ぎ」

と言う批難があります。

まあ今どきこの様なバッシングは

自らを「無知です」と自己紹介している様なものですが

個人的には完全に間違いではないと思うんです。


と言うのも確かに棚から薬を数えて持ってくる作業は

もはや薬剤師に限定する必要はないと思いますし

それらの調剤は誰でもできるものになりますので

もし調剤医療費を削るとしたら

調剤は手放して良いと考える派です。

※ここでの「調剤」とは文字通りピッキングや一包化などを指しており

服薬指導や処方箋監査を含めた、いわゆる「調剤権」とは異なるものと考えてください。





ちなみに薬局バッシングの方が

「薬局は棚から薬を取ってくるだけ」

と言うと

「薬の飲み合わせをチェックしたり疑義照会で安全を守っている」

という反論をされるわけですが

実際にこの薬を取ってくるだけのコストにいくらかかっているか

案外知らない人も多いのではないでしょうか。

その様な方のためにざっくり紹介しますと

もし飲み薬が3剤(3種類ではありません)あったとして

それが7日分の場合

なんと105点です。つまり1050円になります。



個人的には薬局の役割は非常に重要なものであり

その職能を十分に発揮するべきだと考える立場ですが

もし自分が

「薬局は本当に不要であり今すぐに全部なくなって欲しい」

と言う立場であれば

声を大にして

「どうして薬を棚から薬を取ってくるのにこんなにお金がかかるんだ」

と改めて批判しますね。




ただ調剤を手放して

調剤業務は基本的に調剤補助の方が行うとして

その際の配合変化などの

薬学的な知識が必要な場合はどうするのかと言う問題ですが

これはもちろん全て薬剤師の指示の下で行います。

そしてこれはテクニシャン導入ではなく

あくまでも調剤補助で良いと考えます。


と言うのも薬局で人間が調剤をメインにする時代は

おそらくですがそう長くはないと思いますので
(もしくはかなり集約化される)

今さら資格化してそれをビジネスにする必要もないと考えるからです。

そしてその分、薬剤師はより「対物から人へ」シフトしていけるでしょう。

「もし調剤ミスがあったらどうするのか?」

と言う疑問ですが、薬剤師監視の下行うものなので

責任は薬剤師が負うべきでしょう。

監査でも看破出来ないような調剤は薬剤師が行えばいいだけの話しです。


もちろん薬剤師の仕事が減るのでそれは大きな問題ですが

現時点で80枚の処方箋を

薬剤師2人で調剤し、服薬指導し、薬歴を書いて18時に帰ることが

いかに困難かは百も承知ですよね。

そしてこれからの時代は今以上に機械化は進むでしょうが

一方で対人業務としての薬剤師の負担が増えること

そして薬局としての収入が減り続ける中で

薬剤師の確保もままならない、結果慢性的な薬剤師不足が続くことが必至ならば

調剤補助の導入で薬剤師の負担軽減に繋がり

また薬剤師の確保のための高額な人件費も不要となります。




と言う事で

このままジリ貧で薬剤師が行う業務量だけ増やされて

単純に大手が儲かってけしからんと言う理由で評価が下がる今

報酬は良くて現状維持、マイナスが既定路線の将来を考えれば

調剤料を生け贄に捧げることはデメリットばかりではないと思うんですが

まあ薬剤師側も調剤料がなくなることは死活問題なので

これもまた難しいでしょうねえ。。


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生活保護受給者の後発品使用に関して思う事



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厚生労働省は17日、生活保護の医療扶助で後発医薬品の使用を原則化することについて、パブリックコメントの募集を開始した。
生活保護の医療扶助は原則後発品、意見募集


「生活保護受給者に原則ジェネリック医薬品を」

となると必ず言われることが

生活保護受給者を差別するつもりか

と言う意見です。



ジェネリック医薬品の使用率が7割を越えている地域もあり

目標は8割を目指している今の時代において

ジェネリック医薬品を使用する事自体が

どうして差別なのか良く分かりませんが

どうやら「選択権がない事」が良くないみたいです。

確かにジェネリックの効果に疑問を持っても

原則先発品しか使用できないとなると

それがイコール不平等という考えも

見方によっては仕方ないのかもしれません。


ただ今回の件において

「生活保護受給者に対する差別だ」

という人の意見は完全に悪手だと思うんです。



と言うのも

生活保護受給者とよく引き合いに出されるのが

年金で生活している高齢者ですが

実際に生活保護受給者と比較して見て行きたいと思います。


例えば国保の場合最高で月に約6.5万円です。

これは40年間保険料を払った場合の満額になります。

そして厚生年金ですが、こちらはバラつきが大きいため一概に言えませんが

平均で月額約15万円です。

そして医療費の負担額は1~3割負担です。


かたや生活保護受給者ですが

こちらは地域によって差がありますが

住宅扶助を含めて約10~15万円といった所でしょう。

そしてご存知の通り医療費はゼロです。


収入がなく年金から病院までの交通費を払って

自己負担額を減らすために

進んで後発品を選ぶ年金暮らしの高齢者がいる一方で

生活保護受給者は全て無料です。


どうですか?

この現状があって

仮に生活保護受給者を原則後発品にしたところで

とても「差別」という言葉が適切とは個人的には思いません。

それに最悪医師の裁量で先発品を選ぶことも可能です



それでもなお後発品の使用を原則とする事が不服であるならば

まずは同じ土俵に上がる必要があると思うんです。


つまり生活保護受給者も1割でも0.5割でも自己負担があるべきでしょう。



現役世代の保険料は上がる事はあっても下がる事はありません。

おまけに医療費の自己負担額は確実に増えて

年金の支給額は減り支給される年齢も引き上げられます。

すべての世代の負担が増えている一方で

生活保護受給者の負担だけこれまでと一緒というのは

虫が良すぎる話しではないでしょうか。






まあこんなことを書くと

一部の方からバッシングを食らうんですが

何も生活保護受給者に限った話しではなく

医療費の自己負担がゼロの方も、もれなく自己負担を発生させるべきだと考えます。



その理由はなぜかと言うと

何も意地悪をしたいのではなく

そもそもあらゆる医療費免除の方が

これからも医療に対する不安や負担をできるだけ軽減できるための

全ての人達による痛み分けだからです。


このまま医療費を含めた社会保障が

未来永劫続く事は残念ながらありません。




という事であらゆる保護を受けている方は

少しでも負担を増やすべきだと考える立場ですが

生活保護受給者の後発品使用に関しては

正直どちらでもいいという立場です。



というのもすでに生活保護受給者の後発品使用割合は72.2%で

全体の65.8%よりも高い水準にあります。

厚労省HPより


つまり今さら生活保護受給者を原則後発品にしても

実際に医療費削減にはおおよそ上限に達していると言うことです。

「上限に達する」まで言うと語弊がありそうですが

そもそも生保の方の医療補助が約1.8兆円になりますから

たかだか外来での薬剤費をジェネリックに変更した所で

正直医療費削減には繋がりません。焼け石に水です。


ですから今さら生活保護受給者を原則後発品にさせても

大して意味はないのですが

そんな事は資料を作ったり閣議決定している厚労省が

誰よりもよく分かっています。

そして後発品の使用を原則とすると

生活保護受給者を守る立場の方々からバッシングを受けるのも

百も承知なはずです。

実際に舛添元知事が厚労省大臣だった時に

後発品使用を原則とさせようとした結果

猛反対が起きて中止せざる得なくなりました。


しかし時代は代わり

与党の力が強くなり過ぎているのか分かりませんが

今回は閣議決定した後にパブコメを募集する始末。

これは少なくとも「生保は後発品を使うべき」と言う意見が

すでに多数派なんでしょう。


この手の話しはもはや実問題より感情論の問題が大きく

なお且つ

「世論の意見を尊重している」

様に見えることがとにかく大事ですからね。



まあこの手法が正しいとは思いませんが

やはり医療費負担額ゼロに対して

もう一度よく考えなおす時期に来ているのではないかと思います。


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PPIのスイッチ化不可の本質的な問題



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厚生労働省は2018年8月1日、第5回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議を開催した。ナプロキセン(医療用医薬品名ナイキサン)、プロピベリン塩酸塩(バップフォー他)はスイッチOTC化を「可」としたが、前回から継続審議となったプロトンポンプ阻害薬(PPI)のOTC化は、今回も議論が平行線をたどり、最終的に「否」となった。
PPIのOTC化、紛糾の末に「否」



PPIのスイッチ化が不可になりました。


安全性やPPIのスイッチ化の意義を考えれば否定的な意見があり

逆に安全性と利便性を天秤にかければスイッチ化に賛成という

両者の意見が割れるのも必然でしょう。


もちろん中には良く分からない反対意見もありましたが

医師側が全面的に否定しているわけでもなく

日本消化器病学会や国立国際医療研究センター国府台病院病院長などは

スイッチ化を容認しています。


そして今回のPPIのスイッチ化が不可とされた決定打は

市販薬を適切に販売できていない現状があるから

ということらしいです。

「濫用などの恐れのある医薬品を複数購入しようとした時の対応」について、「質問されずに購入できた」ケースは36.6%(2016年)だった。


これを見て結論PPIのスイッチ化はダメ

という理屈は一見筋が通ってそうですよね。


まずは販売する環境をしっかり整えてから議論はそれから

という主張はまあ間違ってはいないとは思います。


仮にPPIがスイッチ化するとその効果の高さから

CMでも宣伝され

適切な使い方をせずに思考停止で連用してしまう可能性も

決して低いとは言えないでしょう。


でも思うんです。

販売体制が現段階では整っていない現状があるから

「PPIは不可」とするならば

今回の検討会議でスイッチ化が認められた

ナプロキセンやプロピベリンがなぜ認められたのか理解できません。


PPIと同じ理論で言うならば

こちらの販売体制問題も考えるべきではないでしょうか。


もちろんナプロキセンやプロピベリンが濫用される可能性は低いと思いますが

PPIと同様に長期で使用してしまう可能性もあるでしょう。




それにこの検討会議で問題視された医薬品の販売現状として

濫用される恐れのある市販薬が正しく販売されていない

と言うことでしたが

濫用のリスクの高い医薬品の多くは第2類医薬品に分類され

薬剤師はおろかネットでも買えて

ドラッグストアでも買えて家電量販店でも買える

おまけにその販売形式は情報提供が「努力義務」です。

安価で依存性も高い医薬品を

濫用を防ぐリスクを完全に排除する事は残念ながら不可能です。


もちろんそれをまねいてしまった原因の1つとして

薬剤師や登録販売者の販売時において

それが十分に機能していない事も大きな問題です。

薬を取り扱う側が適切な販売を行っていない事は

反省すべきことです。



今回の検討会議で引き合いに出された覆面調査の

「医薬品販売制度実態把握調査結果」は

近年は毎年公表されている調査結果になりますが

正直公表だけ行ってそれが活用されていたとは思えません。


ただ、個人的な意見を言わせてもらえば

おそらくこの状況はこのままでは大して変わらないと思います。


かと言って今後スイッチ化の議論があるたびに

この事を引き合いに出されたらスイッチ化は一生進みません


今回、薬の販売が

「濫用のおそれがある薬が36.6%で質問されずに購入できた」

ということですが

たとえこれが改善されて10~20%くらいになったとしても

「まだ正しく販売されているとは言えない」

といつまで経っても話は前に進まないと思います。





そもそもスイッチ化は薬剤師の職能拡大でもなく

医師の権利を奪うことでもなく

最重要課題の医療費削減のためです。


言ってしまえば

PPIがスイッチ化されるべきか否かの次元の話しですらないと思います。



そして今回の最大の問題は

今後のスイッチ化が不可になる理由が

薬剤師・登録販売者の落ち度にあるとされることです。


スイッチ化の議論が賛否別れると

次も間違いなくこの事が議題に挙がることでしょう。




ですから薬を販売する側に落ち度がある事をしっかり認めて

もし適切な販売が行われていない事が常態化してあるならば

一定期間の販売停止のペナルティを与えたり

2類以下でも現在濫用が問題視されている市販薬は

自主的に文書の提供を義務付けたりするなどの対策を取ればいいと思います。

ネット販売を不可とするのも要指導医薬品に限定する必要はないでしょう。

もしくは状況に応じて再分類を行うのもアリだと思います。





少し前のノルレボのスイッチ化の時も

結局薬剤師による適切な販売が担保できない云々が引き合いに出されて

スイッチ化は見送りになりました。

しかし

「じゃあどうすればいいのか?」

という議論はそこで止まっている気がします。



ですから今回の検討会議を機に

もう一度市販薬の販売を見つめ直すべきではないでしょうか。



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