ジェネリック医薬品を自動で普及させる方法



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日本の医療が恵まれている理由の1つはなんと言っても

だれでも医療費が7割~10割引という点が挙げられます。

また自立支援医療制度や高額療養費制度などによって

自己負担額に上限を設けられているケースもありますね。


しかし医療費は右肩上がりである一方

利用する側の意識は大して変わっていません。


その代表的な例として「ジェネリックの使用」が挙げられますが

個人的にはもはや患者さんの意思にゆだねて

ジェネリック医薬品を推進するのは限界だと思うんです。



その最たる例が自己負担額がゼロの方にとっては

ジェネリック医薬品を選らぶメリットはありません。

現役世代の中でもジェネリックは嫌という人も少なくありません。


ではそもそもなぜジェネリックを毛嫌いする人がいるのか。

これはもはやジェネリックは先発品の劣化コピーでしかなく

説明してどうにかなる話しではなく感情論の部分が大きいからです。


でもこの考えが生まれるのも仕方ないと思います。

だって世の中の大半の人は日本の医療費なんか知った事ではありません。


医療費の自己負担額は未来永劫

最低で7割引、場合によってはタダであると考える以上

一般の人が医療費に関する関心なんて持たないのは自然です。


「医療費を考えてジェネリックを使いませんか?」

と言っても聞く耳を持たない人がいるのも仕方ありません。




でもこれっておかしいですよね。

例えば

「自分は現役世代だからジェネリックを選ばない」
「安くならなくていい」

とドヤ顔で言う人も考えなおす必要があります。

だって3割負担の中で「自分はお金をしっかり払っている」と言っているだけで

他の7割の部分は国民全員で負担している訳ですからね。



そして言葉は悪いですが自己負担額がゼロの人は

今の医療を支える事に関しては貢献している立場ではありません。

医療の恩恵を受けている立場です。

もちろんそれが悪いという事ではなく

「自己負担額がゼロだからジェネリック医薬品を選ぶべき」

という概念が必ずしも正しとは思いません。

ただ医療費ゼロの方は自分で医療費を納める事ができない場合

何かしらのビハインドを抱えている場合がほとんどです。

その様な方が今当たり前に医療を受けているように

今後もどの世代も安心して医療の恩恵を受けれるために

例えば自己負担額がゼロでも

「原則ジェネリックを使用させる」

くらい行っても罰は当たらないと思います。



「でも薬局はジェネリックを勧める事で儲けているんでしょ」

という意見もあるかもしれません。

それはその通りであり

個人的にもそう遠くない未来で後発品体制加算は不要だと思いますし

医療機関が一般名を載せるだけで加算がとれる

一般名処方加算も不要だと考えます。

なるべく早い段階で

ジェネリックの推進にかけるコストはゼロにして

個人が選択すべき流れにもっていくべきです。

ただそれにはやはり自己負担額の増加も必須だと考えます。



ではもし自己負担額の引き上げが行われたらどうなるか?

おそらくその際に薬剤師の役割は大変大きいと思います。


と言うのはこれまで「薬の説明」に趣を置いていた薬剤師の仕事は

患者さんが負う「お金と効果のバランス」を考える必要が出てくるからです。

「今回処方された薬と似た効果でジェネリックはないのか?」
「この新薬はこれまでの薬とどう違うのか?」
「値段に見合う効果はあるのか?」

患者さんの薬に対する関心は爆発的に向上することでしょう。

おそらくジェネリックの使用は劇的に上がると思いますし

おまけにタンスに眠っている薬の山もなくなるはずです。






断言します。

このままでは個人の医療費への関心は高まる事はありません。

アメリカは医療費への関心が高いのは教育がしっかりしているからではありません。

単に病気になると自己負担額が高いからです。

アメリカのジェネリックは数量ベースで89%らしいですが

これがアメリカの薬剤師がジェネリックを推進した努力の結果ではないでしょう。


もちろんジェネリックを使用するのは

あくまで医療費を削減する手段の1つなので

医療費が下がるのであればジェネリック使用を強要する必要もありません。

ただ現状を見ると医療費への関心を自発的に求めるのは相当難しいと思いますし

それを教育でどうにかするのも困難だと思います。

ですから分かりやすい形の自己負担額増しかもはや手段がないとも考えてしまいます。




でもまあ実現しませんよね。

こんな事を考える政治家は次の選挙で無職確実ですし

医師会も猛反対する事でしょう。

自分を含めて国民の多くが素直に首を縦に振るとも思えません。


むしろ医療費を地味に上げたり保険適用外を進めたりと

医療費への関心を最小限に留めるために

分かりにくく医療費の補填を行うのが今の政治家の仕事です。

でもこれって正しいようで

将来的な事を考えると間違っている気がするんですよねえ。




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医薬分業の廃止は医療費削減になる。でも進まない理由。



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日本薬剤師会の山本信夫会長は12日の定例記者会見で、11日の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会で日本医師会の中川俊男副会長が、「医薬分業は限界に来ている」「院内に回帰すべき」などと発言したことに対して、「承服できない」とコメントした。
【日薬】山本会長「承服できない」‐日医・中川氏の分業否定発言に



医薬分業に対して医師会副会長が

「院内に回帰すべき」

と発言しました。

でもこれって病院等の医療機関側にとっても本当に歓迎すべき事なのでしょうか。


そこで今回は

「もし医薬分業が廃止されたら」

という事について考えてみたいと思います。

そしてここでは医薬分業によるメリットはあえて無視して考えていきます。





もし医薬分業が強制廃止され

全ての医療機関で院内処方が義務になった場合でも

当然ながら薬剤師の服薬指導は必須になります。

「医薬分業を廃止にして調剤・投薬が事務員になりました」

では意味がありませんからね。

病院としては薬剤師を新たに雇う必要があります。


しかし今の売り手市場とは違い

分業が廃止されれば17万人をこえる薬局従事者が路頭に迷う事になりますので

一気に供給過多になります。

すると年収300~400万円では見向きもされなかった病院でも

薬剤師確保が可能になる確率は格段に上がります。

ですから今よりローコストで薬剤師を雇う事が可能となるため

雇用の面に関してはそこまで大きな問題に至らなそうです。

(それでももちろん薬剤師不足の地域もあるでしょうが)


ただし問題はその薬剤師を雇う事によって

医療機関にとってどれだけのメリットがあるのかが論点になります。



実際に院内処方でも薬剤師による技術料は発生します。

ただし院内処方は内服の調剤料が1処方につき9点と定額になり

薬剤服用歴管理指導料なども当然ありません。

一般的な処方で4種類の内服薬を28日処方する場合では

おおよそ72点になります。かなり安いです。

もちろん単純計算で仮に1日100枚の処方箋がある所ならば

1日で7万2千円前後の技術料が見込まれますので

仮にそれが20日継続したとしても150万円近くの技術料になります。

これならば薬剤師を安く雇えるとすればそこそこ利益がありますので

まあありえない話しではありません。

しかし現状、処方箋料は68点です。
(もちろん全て68点ではありませんが)

言葉は悪いですが

「処方箋を出すだけ」で680円貰えます。

かたや薬剤師を雇って服薬指導をしても720円です。

おまけに抱える在庫リスク

薬剤師を雇うための給与

を考えれば自分ならば院内に戻したいとは思いません。



では次に実際に院内処方になった場合の

「モノ」の問題を考えます。

医薬分業率は7割を越える現状において

新規開業もしくは改装工事をした時点で

院外処方を選択している医療機関は決して少なくありません。

つまり「院外処方を前提とした創りの建物」である医療機関も相当多いはずです。

すると新たにそれなりの投薬スペースを確保する必要があり

改修工事が必要になる所もあるでしょう。



またこれまで院外処方だった分の薬剤も確保しなければならないため

薬剤棚や分包機の増設も考慮しなければなりません。

当然「薬」の購入額も跳ね上がります。

微々たる薬価差益の代わりにデッドストックも増えます。

まあこの辺は薬剤師と相談しながら在庫リスクが出ない様に調整できるのも

院内処方のメリットかもしれませんけどね。

しかしその他にも薬袋の紙代やインク代に加え

分包紙などのランニングコストもバカになりません。

そうなるといずれにしても「モノ」にかけるコストが

けっこうな金額で発生するのは間違いありません。




ただし分業廃止が悪い事ばかりではありません。

例えばジェネリックの利用促進を考えてみましょう。


今では

「後発品を使うなんてけしからん!」という医師も一定数存在し

その弊害は否応なしに薬局への調剤報酬へと影響を及ぼしています。

しかし院内処方になればこれが一発で解決します。

おそらく後発品体制率は80%を余裕でクリアする事でしょう。


また、患者さんが「後発品は嫌だ」と言っても

「医師の指示なので」の一言で済みます。

自己負担ゼロだからと言って理不尽に先発品を選ぶ方もいますが

そんなストレスからも解消されます。

そして医療費の薬剤費も下がり一石二鳥です。



そして疑義照会においても

医師と病院薬剤師の連携が今以上に密になりますので

疑義照会不要のケースを院内で作成する事も容易になります。

これまでは分かり切っている回答だとしても

逐一疑義照会が必要だったものが簡略化される事でしょう。

疑義照会の簡略化は患者さんの待ち時間の短縮にもなります。

(トータルの待ち時間は伸びるかもしれませんが)


また院内処方のメリットの代表であるカルテの閲覧も

病名の確認などで役立ってきますし

検査値を見る事でより高度な服薬指導が可能になるかもしれません。



そして医療費の問題です。

2016年度の調剤医療費における技術料は1.8兆円となりますから

もし分業が廃止されれば丸々1.8兆円の医療費削減です。

そしてさらに処方箋料もカットできますから

全国の処方箋枚数約8億枚である事を考えれば

こちらもざっくり4~5000億円程度の削減になります。

ただし技術料のコストは院内処方でも発生しますので

この4~5000億円はほぼチャラです。


もちろんここでは調剤薬局の薬剤師が関与する事による

医療費削減等々によるメリットは一切無視していますので

当然単純な比較にはなりませんし荒い計算ですが

形上は約1.8兆円程度の医療費削減となりそうです。

医療費が40兆円をこえる時代なのでその約5%に相当します。




つまり話をまとめると

患者さんに対して薬局薬剤師の介入のメリットを考えなければ

医療費削減が可能です。

そして患者さんの自己負担額も減ります。

服薬指導に関するメリットもあります。



しかしこれまで院外処方だった病院からすると

院内処方に戻す事は正直歓迎しないのが本音でしょう。

それならば処方箋を出して点数を貰った方が

めちゃくちゃコスパが良いです。

今さら改修工事をする病院なんてほぼ皆無でしょうし

在庫を抱え薬剤師を雇い諸々のリスクを抱える。

自分が経営者ならば院内処方に戻す判断はまずしませんね。


でもどうして医師会は平然と公の場で

「院内に回帰すべき」などと言えるのでしょうか。

それはこの言葉を発した

医師会副会長の中川俊男だからこそ言える発言だと考えます。


中川氏が理事長を務めるのは

北海道札幌市の脳神経外科の病院です。


そしてその病院を見てみると

周りに調剤薬局らしきものが存在しないんですよね。

つまり中川氏が理事長を務める病院は

院外処方ではない可能性が高いです。

少なくともグーグルマップで見る限りは門前薬局ではありません。


つまりもともと院内処方である病院の立場と

すでに院外処方に出している病院の場合

医薬分業の在り方に関するスタンスというのは

大分温度差があるのではないかと思います。



そして分業率が7割を越える時代において

病院などの医療機関が多大なコストをかけて

医薬分業を見直すべきという考え方は

病院側にとっても本当に正しいと言えるのでしょうか。



ただ調剤薬局を批難するためだとしても

「院内に回帰すべき」という発言は悪手だと思うんですよねえ。




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分割調剤が今後も進まないと思う理由



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厚生労働省保険局医療課の中山智紀薬剤管理官は、本紙のインタビューに応じ、2018年度診療・調剤報酬改定で処方箋様式を見直して医師からの指示や手続きの明確化・合理化を図った「分割調剤」について、「地域でかかりつけになっている薬局で薬をもらいたいという患者さんの要望があれば、初回からその薬局に行ってもらうよう促すのが原則」と説明し、制度の趣旨に沿った対応を求めた。
【中山薬剤管理官】分割調剤、趣旨に沿った対応を



分割調剤は今後2年間でほとんど進まないと思います。


そもそも分割調剤に対して賛成か反対か以前に

分割調剤自体が絶対的に認知されていないことが大きな問題です。



ではどうして認知が進まないのかと言えば

今のままでは誰も得をしないからです。

強いて言えば患者さんに関しては分割調剤することによって

ジェネリックのお試し
他の医療機関をまとめて一包化してもらえる
薬を薬局で管理してもらえる

などのメリットもありますが

薬局からすると1円にもなりません。

いくら「患者さんのため」と言っても

やはり薬局にとって利益を生まないものは

爆発的に普及するのは難しいです。

百歩譲って将来的な

リフィル処方箋への前段階として取り組むのであればアリかもしれませんが

今の所明確なビジョンが全く見えません。



また医師側にとっても前向きに分割調剤の活用とはなりません。

医師会はリフィル処方箋を反対するため

分割調剤に対しても否定的ですが

それはさておき

個々の現場の医師にとってもわざわざ分割調剤にするメリットは乏しく

それならばこれまで通りに受診してもらった方が病院の利益にもなるでしょう。


これまで長期処方だったものを分割してもらう事はあっても

普通の処方を長期に伸ばすインセティブがゼロである以上

分割調剤を行う上での一番のメリットであるはずの

医療費削減にも全く繋がりません。



これで分割調剤が広まるなんてまず不可能です。




でも分割調剤の認知度を高めて普及させることなんて一瞬で可能です。

例えば分割調剤の処方箋料を

通常の68点から100点くらいに跳ね上げればいいんです。

いやもっと上げてもいいでしょう。


薬局も分割調剤2回目以降も管理料を算定可能としたり

もしくは分割調剤受付に関わる加算を設けて高めに設定してあげれば

薬局からの働きかけも進むと思います。



初回に限り患者さんの負担が増えますが

毎月受診してその度に

再診料・処方箋料と薬局での費用を考えると

トータルで考えると余裕で負担は減ります。

つまり医療費削減にも繋がります。





患者さんにメリットがあっても

それが普及するか否かは

「医療機関にとってメリットもしくはデメリットがあるかどうか」

という側面が大きいです。


平たく言えばお金です。



例えば

小児の上気道感染に抗生剤が当たり前に使われていた現状も

ベンゾジアゼピン系の漫然とした使用も

今年の診療報酬改定で全医療機関の医師が注目する事になりました。

これを越える全国多発的に医師への働きかけを行える術は他にはありません。



もちろんあらゆる事を診療報酬改定に載せて舵を取ることが全て正しいとは思いません。

薬局の身近な例で言えばお薬手帳の扱いがそれに該当すると思います。

「お薬手帳の持参で薬局での支払いが安くなる・高くなる」が毎年行われますよね。


ただこれほど影響力があって周知する能力に長けている方法はないでしょう。


では実際に分割調剤に報酬が付いたとして

医師側にとってはトータルで考えると減収になります。


しかしながら医師会の主張=全ての医師の主張ではありませんので

中には積極的に分割調剤を利用したいと思う医師も決して少なくないと思うんです。

そしてそのためにはまず分割調剤を行う・行わないの前に

その存在を知ってもらう必要があると思います。






個人的には

今年の診療報酬改定の分割調剤に対してほぼ進歩がなかったと考えます。

厚生労働省の薬剤管理官のコメントは

「医師からの指示や手続きの明確化・合理化を図った」


としていますが、これで分割調剤が一歩前進したとは思えません。

そもそも知らない制度の合理化を図っても意味がありません。



そしてこれを見る限り、やはりリフィル処方箋への道は険しそうです。


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