分割調剤が今後も進まないと思う理由



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厚生労働省保険局医療課の中山智紀薬剤管理官は、本紙のインタビューに応じ、2018年度診療・調剤報酬改定で処方箋様式を見直して医師からの指示や手続きの明確化・合理化を図った「分割調剤」について、「地域でかかりつけになっている薬局で薬をもらいたいという患者さんの要望があれば、初回からその薬局に行ってもらうよう促すのが原則」と説明し、制度の趣旨に沿った対応を求めた。
【中山薬剤管理官】分割調剤、趣旨に沿った対応を



分割調剤は今後2年間でほとんど進まないと思います。


そもそも分割調剤に対して賛成か反対か以前に

分割調剤自体が絶対的に認知されていないことが大きな問題です。



ではどうして認知が進まないのかと言えば

今のままでは誰も得をしないからです。

強いて言えば患者さんに関しては分割調剤することによって

ジェネリックのお試し
他の医療機関をまとめて一包化してもらえる
薬を薬局で管理してもらえる

などのメリットもありますが

薬局からすると1円にもなりません。

いくら「患者さんのため」と言っても

やはり薬局にとって利益を生まないものは

爆発的に普及するのは難しいです。

百歩譲って将来的な

リフィル処方箋への前段階として取り組むのであればアリかもしれませんが

今の所明確なビジョンが全く見えません。



また医師側にとっても前向きに分割調剤の活用とはなりません。

医師会はリフィル処方箋を反対するため

分割調剤に対しても否定的ですが

それはさておき

個々の現場の医師にとってもわざわざ分割調剤にするメリットは乏しく

それならばこれまで通りに受診してもらった方が病院の利益にもなるでしょう。


これまで長期処方だったものを分割してもらう事はあっても

普通の処方を長期に伸ばすインセティブがゼロである以上

分割調剤を行う上での一番のメリットであるはずの

医療費削減にも全く繋がりません。



これで分割調剤が広まるなんてまず不可能です。




でも分割調剤の認知度を高めて普及させることなんて一瞬で可能です。

例えば分割調剤の処方箋料を

通常の68点から100点くらいに跳ね上げればいいんです。

いやもっと上げてもいいでしょう。


薬局も分割調剤2回目以降も管理料を算定可能としたり

もしくは分割調剤受付に関わる加算を設けて高めに設定してあげれば

薬局からの働きかけも進むと思います。



初回に限り患者さんの負担が増えますが

毎月受診してその度に

再診料・処方箋料と薬局での費用を考えると

トータルで考えると余裕で負担は減ります。

つまり医療費削減にも繋がります。





患者さんにメリットがあっても

それが普及するか否かは

「医療機関にとってメリットもしくはデメリットがあるかどうか」

という側面が大きいです。


平たく言えばお金です。



例えば

小児の上気道感染に抗生剤が当たり前に使われていた現状も

ベンゾジアゼピン系の漫然とした使用も

今年の診療報酬改定で全医療機関の医師が注目する事になりました。

これを越える全国多発的に医師への働きかけを行える術は他にはありません。



もちろんあらゆる事を診療報酬改定に載せて舵を取ることが全て正しいとは思いません。

薬局の身近な例で言えばお薬手帳の扱いがそれに該当すると思います。

「お薬手帳の持参で薬局での支払いが安くなる・高くなる」が毎年行われますよね。


ただこれほど影響力があって周知する能力に長けている方法はないでしょう。


では実際に分割調剤に報酬が付いたとして

医師側にとってはトータルで考えると減収になります。


しかしながら医師会の主張=全ての医師の主張ではありませんので

中には積極的に分割調剤を利用したいと思う医師も決して少なくないと思うんです。

そしてそのためにはまず分割調剤を行う・行わないの前に

その存在を知ってもらう必要があると思います。






個人的には

今年の診療報酬改定の分割調剤に対してほぼ進歩がなかったと考えます。

厚生労働省の薬剤管理官のコメントは

「医師からの指示や手続きの明確化・合理化を図った」


としていますが、これで分割調剤が一歩前進したとは思えません。

そもそも知らない制度の合理化を図っても意味がありません。



そしてこれを見る限り、やはりリフィル処方箋への道は険しそうです。


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院内調剤の報酬引き上げは不要



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2017年12月22日、年内最後となる中央社会保険医療協議会(中医協)総会が開催された。12月18日に改定率が決定し、18年1月から始まる個別の点数などについての詳細な議論に向けて、支払い側と診療側の双方が、意見陳述した。
院内調剤の報酬引き上げを要望




院内調剤の報酬を上げるという案に関してですが

全くもって無駄であり

これこそ医療費の無駄遣いです。




もちろんこれまで安すぎた院内調剤において

「院内の薬剤師に対する評価」という面で言えば

院内調剤は安すぎるかもしれませんが

それならば院外処方にすればいい話しです。


と言う以前に多くの医療機関が実際そうしている中で

院内調剤にこだわるのは規模が小規模の医療機関であるか

はたまた院内調剤の方がメリットが高いと判断している結果です。


小規模の医療機関ならば薬剤師自体雇っていないケースが大多数でしょうし

高額医薬品の登場で薬価差益目当てで院外から院内に切り替えた病院もあります。


そんな中、無理に院内に報酬をつける必要はなく

それならば院外に処方箋を出せばいいだけです。

敷地内薬局は時代に逆行していますが

院内調剤はそれ以上に逆行しています。


もちろん中には採算が取れずに調剤薬局が出店しない

という場合もあるでしょうが

そもそも医師会は門前薬局が嫌いみたいなのでそこは仕方ありません。



という事で院内調剤報酬アップには否定的な立場ですが

もし報酬を上げるならば最低でも現行の体制を整える必要があります。

例えば調剤業務において薬剤師の関与を必須にさせるなど。

平たく言えば

薬剤師以外が投薬・調剤を行う事は認めないし
点数の算定を行わない


という事です。


これは調剤薬局にも言える事ですが

調剤業務に関しては薬剤師以外が行う事は認められていません。

それがたとえ「棚から薬を取ってくるだけの簡単な業務」だとしてもです。

そして投薬に関しては当然ながら薬剤師のみの業務。

調剤薬局で薬剤師以外が投薬する所は(ほぼ)ありませんが

現状、病院では非薬剤師が投薬を行っている所も多いです。

もしそこにも点数が付くとなればこれは大きな問題で

無資格調剤・無資格投薬が行われるリスクは今以上に高まり

以前も言いますが点数を院内につける以前に

まずは院内の薬剤師による関与を必須にすべきでしょう。


⇒「院外処方は院内調剤の3倍のコストがかかる」のおかしな点


院内調剤のメリットとして

「院内調剤の方がカルテも見れて正しい服薬指導ができる」

という主張もありますが

現状カルテを見る以前に事務員が投薬している中において

報酬を上げるというのは危険な話しです。




ただそもそもの話し

仮に院内に点数がついたとしても

多くがそのまま院外処方を続けると思います。

と言うのも薬剤師の増員を行うコストに加えて在庫を増やすリスク。

そして処方箋料が0点になるデメリットを考えると

よほど院内調剤に点数が付かないと厳しいと考えるのが自然です。

またいくらメーカーに頼まれて新薬の処方をお願いされても

院内調剤ならば他の採用薬との兼ね合いもありますし自由な処方もできません。

現場の医師からしてもデメリットが多いでしょう。

そうなると院内調剤の報酬をつけてもほとんど変化はなく

いたずらに医療費を上げるだけで何の意味もありません。




そしてそんな事は承知の上で

この様な提案を平気で行ってくる医師会側の姿勢はすごいと思います。

そもそも調剤薬局を叩くための道具として引き合いにだされた

「院内調剤が安い」という事ですが

例えば既存で院内調剤を行っている所では無条件に点数が増えるわけで

結果的に医科の報酬増。

そして院内調剤を続ける所が多かったとしても

結果的に院内と院外の報酬の垣根を壊せることにも繋がり

今後の診療報酬改定でも調剤薬局を叩く材料になりますから

どちらに転んでもマイナスになる事はありません。




ただ、院内と院外の報酬の差が多少なくなった所で

調剤薬局への批難は100%変わりません。






という事で院内調剤の報酬アップには賛同できませんが

薬剤師会としてはどのようなスタンスなのか気になる所です。


院内の薬剤師の評価と言えば聞こえが良く

建前でも反対できる理由に乏しい今回の件ですが

まあいつも通りのノーコメントでしょう。


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ヒルドイドを含む保湿剤の保険外しは仕方ない



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健康保険組合連合会(健保連)は2017年10月6日、2018年度診療報酬改定に向けて、お薬手帳の重複調剤防止効果や保湿剤の処方に関するレセプトデータを分析し、取りまとめた結果を公表した。
健保連、保湿剤の保険適用除外を提言


ヒルドイド美容目的問題の一番厄介な点は

純粋な薬剤費の伸びもそうですが

ヒルドイドを貰うために初診料・再診料及び処方箋料や

薬局でかかる諸々の費用を考えるとさらに医療費がかさむ点でしょう。

そういった面を考えれば

もし皮膚乾燥症の病名での保湿剤単独処方ができなくなるというのは賛成です。


そして一度この導入は医師側にとっても大きなメリットがあると思います。



そもそもヒルドイドを貰うには当たり前ですが医師の処方が必要です。

では本来ならばヒルドイドが適正使用されるように

「医師が本当に必要な量だけ処方すればいい」

という単純明快な事だと思うんですが

このご時世、患者さんの申し出を断って関係性を悪くしてまで

医療費の事を考えることはまあ難しいことではあると思います。
(もちろん賛成すべきことではありませんが)

当然医師の中にも悪いと思いつつも

仕方ないと思って処方しているケースも往々にしてあることでしょう。

ただ今回の規制のようにヒルドイド単独処方が不可となることで

医師側としても正当に断る理由ができるのは大きな意義があると思います。

モンスターペイシェントにヒルドイドを要求されても

「国の方針で出せなくなったんですよ」

と湿布70枚制限と同様に一言で済みます。

この

「納得してもらうことにかかる労力」

これが激減するのは現場にとって大きなメリットになるでしょう。


患者さんの中に

「乾燥症以外の病名つけてヒルドイドちょうだい」

という患者さんは稀でしょうし

医師の中でわざわざ抗ヒスタミン薬を抱き合わせて違う病名を付けてまで処方する医師も

おそらく(?)少数派でしょうから

少なくとも患者側からの美容目的での保湿剤利用は激減できると思います。



そもそも皮膚乾燥症への保湿剤使用単独は

かなり現実的に保険適用外になりそうですが

それでもたった年間93億円の薬剤費削減にしかならないことから
(処方箋料等含めると医療費全体としての影響はもっとあるでしょうが)

本丸は保湿剤自体を全て保険適用外にすると

年間約1200億円の薬剤費削減になるという点でしょう。



そして今回の資料によると

ご丁寧にOTCの保湿剤の値段を引き合いにだしている点や

諸外国と比較して保湿剤は保険適用外であることを明示している点からも

これを機に保険適用から完全に外す

というのはかなり現実的にあり得るのではないでしょうか。


すると当然湧き上がるのが

「本当に保湿剤が必要な人はどうするんだ」

という主張です。

ヒルドイド利用者には美容目的なんかには1gも使用せず

本当にヒルドイドが生活に必要不可欠な人だっているでしょう。

ただこれに関しては

本当に必要な人にだけ保湿剤を保険で認めてあげれば良いと思うんです。

湿布の70枚制限であっても

医師のコメントがあって本当に必要な人には上限を超えて処方可能な点を考えると

そこまで問題ないと思うんですよね。


では今度は

「本当に必要な人の線引きはどうするのか」

という問題になるでしょうが

これは保湿剤が必要なエビデンスがある疾患を踏まえて

かなり厳密に行われる必要があるでしょう。


ただこれにより必然的に割をくらう人が出てきます。

例えばいくら乾燥がひどく他の薬ではダメな人でも

おそらく保険適用外となるでしょう。

もちろんこれは良いことではありませんが

今回の一連の流れをみると必然とも思えます。


と言うのも

医療費削減のために何かできることはないかと議論している中で

「ヒルドイドは美容目的で使われて医療費に悪影響を与えている」

なんて事態が公にも知られている自体

鴨が葱を背負って来るようなものでしょう。

世論を味方に付けて話もスムーズに進みやすいです。






でも思うんです。

叩きやすい所から叩いて世論を味方に付けるというやり方は

今の時代、決して悪いことばかりだと思いません。



しかしもし本当に必要な人に必要な薬が使われていれば

結果不幸になる人が出る数は少しでも減らせます。


もちろん、そんなことはただの理想であり現実的にはほぼ不可能です。

しかし今回の件は

「ヒルドイドは美容にいい」
「病院では安く大量に貰える」


というSNSを筆頭にした言わば

「本当に医療用として保湿剤が必要な人」以外が

あまりにも多く加担した結果起きたものになるということ。

そしてさらなる問題はその加担した人の中で

責任を感じている人はそんなにいないのではないかと思う点です。


むしろ今回の規制が実行されたら

真っ先に不満を口にしそうな気がします。




そうなるとやはり利用する側のモラルが大切だと思うんですが

以前も書いた通りモラルに頼っては何も解決しませんので

⇒医療費ガン無視でヒルドイドを美容目的に使用し続ける理由


やはり話が大きくなる前に

何らかの規制が入る必要があるでしょう。


そうなると保湿剤全体が保険から外れるか否かは今後の動き次第ですが

まあ今回の報道後でもツイッター上で

「ヒルドイドは病院でもらうと安いよ」

というつぶやきを見る限りはまあ既定路線で保険から外れるでしょうね。


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