薬剤師国家試験の出題基準見直しに思う事




2016年10月15日に医道審議会薬剤師分科会 薬剤師国家試験出題基準改定部会が開催され、薬剤師国家試験の出題基準の見直し案が概ね了承された。

薬剤師国家試験の出題基準が大幅に変更


という事ですが

そもそも6年制に移行した意図として

豊かな人間性、高い倫理観、医療人としての教養、課題発見能力・問題解決能力、現場で通用する実践力を身につけることが求められている
日本医療薬学会より

という体であるのに

改定案は、物理・化学・生物と衛生について、出題の考え方に「小項目ごとに記載された留意事項を考慮しながら、薬剤師の臨床現場との関連性が高い問題を出題する」との文言が追加された



なんて言うのはかなり今さら感があります。


まあこの手の話しは6年制の議論において

さんざん言われ続けてきた事ですけどね。


ただ昨今の薬剤師国家試験は合格率の調整に躍起になってしまい

取りあえず点数を下げて後から補正問題で拾い上げる。

そのための足切の緩和なども行われましたが

まあ当事者の受験生からすれば

「考えさせる問題が増えた」という事で片づけられるのであればまだしも

この補正問題で命運が分かれると言うのはやはり納得がいくはずもなく

第100回の国試のように10問以上補正問題がある事自体

国家試験を問い質すような事になりかねません。

ですからある程度学生の溜飲を下げるためにも

ある種合法的に基礎系を臨床系と融合させて試験で問うといのは

自然な流れだと思いますし

2020年度からの試験の導入という事みたいですが

むしろ遅すぎたのではないかと思います。



ただ問題作成側は大変だと思うんですよね。

国家試験の問題を作るにあたって一番重要な事は

いかに良問を作るかという事以上に

いかに合格者の人数が読めるような難易度を設定できるかと思うんです。

するとこれまで専門的な分野で難易度の調節を図る事は

従来の蓄積した傾向で、ある程度は可能。

極端な話99回以降の様に基礎系を極端に難しくしてしまえば

後から拾い上げれば済む話でした。

しかし臨床に絡めるというのは1つの専門だけでは問題作成できず

これまでのデータの蓄積もないわけで調整する事が困難だと思うんです。



もちろん全部が全部臨床と融合するとは思いませんが

そもそもそこまでして無理やり基礎系の問題に

点数配分を設ける必要があるのか甚だ疑問な所です。


実際に99回以降の薬剤師国家試験の受験者は

臨床現場では使用頻度1%以下の分野で

足切などをくらっている人がいる事を考えると

せっかくの機会なので点数配分をゼロベースで見直しても良いと思うんですよね。

むしろ臨床に直結する所だけを理解した方が遥かに役に立つと思いますし

2018年度の入学から薬学部は6年制でなければ

国試の受験資格も与えられなくなるわけなので

臨床にどう考えても関係しない基礎系の一部は深める必要はないと思うんです。

そうなると大学の先生方から大分不満が出るでしょうけどね。



ただ実際問題、基礎系が臨床との複合問題を出されても

それを教える側は結局のところ大学側と言うよりも

予備校講師になっていくでしょうし

下手に基礎系で破天荒な問題で試験に落ちるよりも

学生からするとより役に立つ事も学べて逆に良いと思うんですよね。


それにどうせ毎年合格者の調整が入るわけなので

同じ解くなら役立つ問題を解くに越したことはないと思うんです。



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第101回薬剤師国家試験に問題点はなかったのか?





日本私立薬科大学協会は、第101回薬剤師国家試験の検討結果について報告書をまとめた。受験者全員が正解扱いとなった不適切問題以外に誤りがあると判断された問題が6問あったとし、特に改善を要望する内容が含まれる問題の中には誤りに近いものもあると指摘。これらの問題出題に当たっては、内容や表現を訂正するよう厚生労働省に求めた。


不適切問題以外に誤り6問‐薬剤師国試、内容訂正など要望


実際薬剤師国家試験に対する検討で

内容訂正などの要望は毎年行われているので

それはいいとして

何より国家試験の問題内容への評価が面白い。


例えば99回。

薬剤師国家試験の合格率がガクッと下がった年の評価では


「物理・化学・生物」の必須問題の難易度が高かった。
新薬や一般的でない医薬品に関する問題が全般的に出題されたこと。
適応外や添付文書・教科書に記載されていないレベルの知識を問う問題が多く出題された。



などの評価がなされました。


そして翌年の第100回の国家試験でも


医療機関で稀にしか遭遇しない疾患や薬物治療における第2あるいは第3選択薬を問う問題が多い。


という事で

昨年と同様に合格率の低迷化を受けての

問題の質を問う評価が多かったのですが


合格率がかなり上がった第101回の評価では


試験問題が易しかったわけではない。
次もこのレベルの問題の出題を望む。



確かに必須の足切緩和と

一般問題の足切り廃止のおかげで合格率があがった事実はありますが


102回の国試も101回と同レベルの問題の出題を願う


というのは少し本音をぶつけ過ぎな気がします。



まあ

「問題が易しかったわけではない」

と言っているだけで

決して「例年より易しくなった」とは言っていませんからね。


あくまでも日本私立薬科大学協会の方々の見解では

許容できる合格率なのでしょう。



ただ101回になっていきなり

「思考力を問う良問が増えた」

だったり

「複合問題の新しい試みを評価」

という例年の酷評から

手のひらを返したかのような絶賛の嵐に

かなり違和感を覚えます。


確かに厚労省に対して反感ばかりを買うような事をしてもメリットはありませんが

本当に101回の問題に対して思うところがなかったのか

薬剤師国家試験の質を守る立場であるならば

是々非々な評価をすべきだと思うんですけどね。

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出願者したらみんな受験できる私立薬学部

第101回薬剤師国家試験の合格者は前回より2444人増え、過去最多の1万1488人となった。合格率も76.85%で、前回から約14ポイントほど上昇。4年制時代に維持されていた水準に戻った。
国試合格率回復‐安心してはいけない教育現場



その反面、無視できない事が



一方で、私立大学を中心に、合格率をアップさせるために出願しても受験させない大学が多いことには引き続き、注視しなければならない。
6年制新卒者に関して言うと、私立大学では8933人の出願者数に対して受験者数は7556人。1377人もの学生が受験を取りやめている。もはや、事故や病気などという理由では説明し切れない数字だ





20101024164108e10.gif




しかしですね

今年はなんと

4つもの大学が出願者数=受験者数となっているんです。




紹介します(出願者数/受験者数)


いわき明星大学(54/54)
国際医療福祉大学(107/107)
慶応義塾大学(158/158)
兵庫医療大学(102/102)
※横浜薬科大(133/132)
 昭和大(187/185)も高い


ちなみにいわき・国際医療は合格率100%と99%。

出願時期が1月15日までなので

この2大学は年明けすぐの時点で

受かる学生を選別できていた事になります。


「ひょっとして情報の漏洩か?」


と一瞬思いましたが

兵庫医療は合格率43%なのでそういう事ではないでしょう。



ちなみに国際医療福祉大は昨年も

出願者は全員受験できているという

2年連続受験率100%。




しかし一方で

いわき明星大は昨年99人出願で53人受験

横浜薬科大は昨年274人出願で107人受験と

昨年はそれなりに出願したけど受験させない学生を出しているのに

なぜ今年は全員受験させたのか。



しかもいわき明星大学は全員合格なので

何か秘訣があるのでしょうか。




いわき明星大の学長のインタビューがありました。

川口基一郎薬学部長(68)は早い時期からの国家試験対策などを高い合格率の理由として挙げた。学生同士のグループワークなどで学生が自主的に学ぶ環境を整えている。さらに授業に復習を取り入れるなど知識の確実な習得に努めている。
薬剤師国家試験合格率全国一に いわき明星大薬学部



と、これだけではピンときません。

これはもう

いわき明星大学に入学してみるしかありませんね(適当)。





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