消費税増税に伴う調剤基本料1点プラスよりも重要なこと



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消費税増税に伴う診療報酬改定の薬局の部分が明らかになりました。


調剤基本料は特別調剤基本料と全ての項目について1点ずつ引き上げとなる見通し。かかりつけ薬剤師包括管理料も、1点の引き上げとなる。また一包化加算は(42日分以下)は現在の32点から34点に(43日分以上)は220点から240点へと引き上げる。
調剤基本料は1点ずつ引き上げへ


調剤基本料は1点、一包化は2点ずつプラスみたいです。

点数を見ると「たった1点?」と言う印象を思ってしまいますが

平成26年度の消費税増税も調剤基本料にプラス1点でしたね。


では問題はこの点数が正しいのか否かという事ですが

おそらく今年度の増税に伴う改定での予算として

前回を踏襲して100億円をあげているのではないでしょうか。



現在の処方箋枚数は約8億枚。

もちろん処方箋枚数=受け付け回数ではありませんので

単純に8憶×10円(1点)=80憶円とはできませんが

ここらへんの微調整を一包化加算で調整すると

おおよそ例年の増税分と同様の約100億円になります。

すると数字だけをみると今回の調剤基本料の1点プラスは妥当だとも言えそうです。


ただ平成26年度の増税に伴う診療報酬改定の際には

消費税に伴う負担を補填するためのプラス改定であったはずなのに

その補填率を見てみると

病院:102.36%
一般診療所:105.72%
歯科:100.68%
薬局:86.03%


と圧倒的に薬局だけ不足していたんです。

しかし厚労省は

「全体では102.07%の補填率だったから問題ないよね」

としていました。

おまけに、実はこの補填率自体に誤りがある事が後に発覚し

平成28年度の再調査では

病院は85%の補填率であることが分かりこれまた話題になりました。

厚労省の役人、最近調子が悪いです。

そしてこのことに対して医師会は当然ながら反発しています。


では薬局においてそもそも前回と同じ

調剤基本料プラス1点と一包化加算のプラス2点が正しいのか

甚だ疑問を感じてしまうところではありますが

それはさておき

それ以上に深刻な問題は今後の薬価改定ですよね。



今年2019年10月に改訂が行われ

翌年2020年4月には約半年間のスパンで改定が行われます。

そしてその翌年の2021年からは毎年の薬価改定が導入予定です。

考えただけでめまいがする人も少なくないと思いますが

これは右肩上がりの薬剤費を抑制するためにはもはや避けられないでしょう。

そしてこればっかりは文句を言っても仕方がないのですが

実際には数字には表されない様々な問題が起きてくると思うんです。





例えば身近なところで言えば薬局も医療機関も

「医薬品の安定供給」から「医薬品の不良在庫をこれ以上増やさない」方針になります。

薬価差益は絶望的。そして自動的に毎年薬の価値が下がる。

最近ではアルフレッサが分割販売の中止を決定しましたが

おそらく卸の分割販売不可の流れは止められないでしょう。

すると自動的に医薬品の在庫を最小限にする方針は必然だと思います。

すると卸にとっても急配が増えてしまい人員にも影響がでます。

さらに薬局では不良在庫を抱えないために

どの医療機関の処方箋も受けつける事が難しくなります。

つまり面分業がますます困難になります。

口では「かかりつけ薬局を目指します」としながらも

在庫がないからと断ざるを得ない状況が全国多発的に起こるのではないでしょうか。





ではこの状況を解決するには手段は2つあると思います。

1つはフォーミュラリーを策定して扱う薬剤を絞る方法

もう1つは本当の意味でのかかりつけ薬局を目指す方法です。


ただフォーミュラリーに関しては薬局単体では難しく

現実的な面を見ればやはりかかりつけ薬局を目指すのが理想的だと考えます。





まず本当の意味のかかりつけ薬局とは何かと言えば

何も難しいことではありません。

その名の通りかかりつけの契約を結んで

信頼できる薬剤師に薬を任せるという事を徹底すればいいだけです。


しかしはっきり言って今のかかりつけ薬剤師の制度においては

患者さんのためにも、そして医療費のためにも有益かと言えば

そうでない面も多く見られます。


例えばかかりつけ薬剤師の契約をしていても

他の薬局に行く患者さんは少なくありません。

ただ薬局側からすれば加算も取れるし

他の薬局に行くのは患者さんの自由意志なので仕方ないとする部分もあるでしょう。




しかし今後は患者さんに本当の意味でのかかりつけ薬局を選んでもらい

薬局側も率先して薬の一元管理を行っていかなければ

不良在庫をいくつも抱えることになり

今後の経営において大ダメージを負ってしまいます。




という事で今回の消費税増税に伴う診療報酬改定から始まる

今後の薬価改定を考えると

ますます薬局において不利な状況が続きますが

生き残るための最低条件として

本当の意味でのかかりつけは必須になると思います。

ただこれはかかりつけが「当たり前の形」になるだけなんですけどね。


そしてノルマ的にかかりつけ薬剤師をとらせていた企業は

今後は方針を見直すいい機会でしょう。

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制度部会の議論と言う名の出来レース



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2018年12月14日に開催された、第10回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(制度部会)。
厚生労働省は、医薬品医療機器等法(薬機法)改正に向けたとりまとめ案を示したが、その中には、医薬分業に関する取りまとめ「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」(表1)が盛り込まれた。
第10回医薬品医療機器制度部会より



第10回医薬品医療機器制度部会

例に漏れず薬局・薬剤師が言われ放題です。

そしてもはやこの制度部会の議論は

出席する委員の個人的な感想を述べる場になっており

今回も薬局に対して各々の委員が

「しっかりやるべきことをやっている薬局とそうでない薬局が二極化している」
「一生懸命やっている薬局が少ない」

と個人の主張を国民の代弁者の様に主張しています。

するとこんな議論をしている以上は完全に数の理論

すでに「薬局はダメだと言ってもいい雰囲気」になっている状態で

いくら議論しても建設的な話になるはずがありません。

そもそも5.9万件もある薬局全てが100%納得のいく仕事をできるなんて

絶対に不可能なわけであり

それは薬局に限らずどの分野においても同じことです。


もちろんその納得のいく仕事が出来ていない薬局が多いのは

出席者の委員の体感では事実なのかもしれません。

しかしそれを証明するために誰がデータを示して

それに基づいて議論していると言うのではなく

ただの感想を述べる場になっている以上もはやどうしようもありません。


しかしこの制度部会の場は

薬機法に関係する重要な議論の場であり

各委員が個人の見解を話しに集まる場ではありません。

だからこそせめて数の理論で絶対的不利な薬剤師会としては

事前にデータを集めて理論武装するしか手段はなかったと思うのですが

残念ながらそのデータの蓄積が少なく

出席した委員に響くものがなかったと言うのが

今回の(今回も?)最大の欠点とも言えますね。




個人的にはこの制度部会に関して

「議論」ではなく「感想」になっている現状では

破綻しているとしか思えませんが

これはさすがにないんじゃないかと思いました。


「薬剤師・薬局のあり方には医療保険制度や介護保険制度における報酬上の措置、医療法における医療計画上の措置など、関連制度が密接に関係する。それらの検討に当たっては制度部会の議論を踏まえることが期待される」



それらの検討に当たっては制度部会の議論を踏まえることが期待される


これはどうなんでしょう。


薬局の機能を見直すために薬機法を変えるべきという主張は分かります。

そして法律と診療報酬は切っても切れない関係なので影響が出る

これも必然的なことです。

でも薬機法が変わる、つまり診療報酬に影響がある議論が

あの数の原理で個人の感想を言っていたものを織り込んで評価する

ということです。

これってかなり恐ろしくないですか?





官僚主導で薬機法における薬局の部分の改正。

それを裏付ける議論は

医師会の意見に薬剤師会以外ほぼ賛同。

結局個人の感想と言う名の薬局批難のオンパレード。

ゴールは診療報酬(もちろんマイナス)への布石。

そしてそれらは議論を踏まえたものとする出来レース


もはや中医協も似た様なものですが

ここまでやられたら薬局はジリ貧どころではありません。




何がジリ貧で済まないのか簡単に言えば

薬局の業務量は100%増えますが薬局の報酬は100%減るということ。

更に端的に言えば薬局薬剤師の給料が減るということです。

「制度は関係ない。薬剤師のやるべきことをやればいい」

なんて正論っぽい声もちらほら聞きますが

身近な影響を考えれば

今回の法改正はとんでもない事だと気づくはずなんですよね。



まあ何より問題なのが

法改正も診療報酬改定も決定のプロセスが

このありさまと言うのが一番の問題ですけどね。


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地域支援体制加算のハードルはやっぱり高い



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日本アルトマーク(東京都港区)は2018年8月7日、全国の保険薬局における地域支援体制加算算定状況の調査結果を公表した。18年6月1日時点で地域支援体制加算を算定した薬局は1万5012軒で、うち99.8%が調剤基本料1を算定していた。
地域支援体制加算の99.8%が「基本料1」



地域支援体制加算を算定した薬局が1万5012軒らしいのですが

この数字は国の理想とする調剤薬局の数と合致しているのではないでしょうか。

そして注目すべきは

調剤基本料1で地域支援体制加算を算定している薬局は1軒だけという点。

確かにあのハードルの高さを考えれば

たった1軒とは思いませんが

これだけの数ある薬局の中でたった1軒しか算定できないのは

「制度として破綻しているのではないのか」

と思う一方で

「基本料1以外の薬局には算定させる気がありません」といった

明確なメッセージと考えればその思惑通りと言った所でしょう。


全国で1軒だけ基本料1以外で地域支援体制加算を算定している薬局は

色んな意味で凄いと思います。





そう言えば5月の段階では

調剤基本料1以外の薬局が地域支援体制加算を算定したのは0軒だったわけで

翌月付けの6月では1軒となっていることから

伸び率はほぼなし。

以前も書きましたが

大手調剤チェーンにおいても今後積極的に狙いに行く

なんて事はやはり行わないと思います。


2018年度診療報酬改定で大手チェーンよりも深刻な薬局


むしろ地域支援体制加算は見限ったと捉えるのが

今回の結果ではないでしょうか。


ただそれもそのはずで

もし地域支援体制加算を目指すのであれば

現場の薬剤師の人件費は相当額必要だと思いますし

それに見合った利益が回収できたとしても

現場の負担は相当なもので

それに薬剤師が辞めたら全てパーになってしまい

それならばこんなコスパの悪い所は攻めずに

その他の加算を徹底的に取りに行くと考えるのが自然ですよね。



とにもかくにも大手調剤チェーンの業績は軒並み軟調です。

上場調剤薬局大手3社の2018年4~6月期連結決算が7月31日、出そろった。調剤薬局事業は18年度調剤報酬・薬価改定の影響で、3社とも営業利益が2桁の減益。特に日本調剤、総合メディカルは40%台の減益となった。
調剤大手・4~6月期


そしてこれに底打って

徐々に盛り返してくるのが大手調剤チェーンのすごい所言えばすごい所ですが

今年の改定による減益はかなりの打撃です。


ただそれでもやはり日本調剤はさすがだと思いました。

売上高59,305百万円 (前年同期比1.6%増)、営業利益501百万円(同77.1%減)、経常利益398百万円(同81.0%減)、親会社株主に 帰属する四半期純利益40百万円(同96.4%減)です。なお、期初計画に対しては売上高、親会社株主に帰属する四 半期純利益が若干下回りましたが、営業利益、経常利益については期初計画を上回る実績となっています
日本調剤第1四半期報告書


こちらは先日公表された日本調剤のIRですが

これだけマイナスでも大方予想通りの見通しが経っているのは

やはり大手の分析力は純粋にすごいですよね。


と、その様な事を調べながら

再びDIオンラインの記事を読んでいたら

とても重要な事を見落としていました。それが

全国の薬局5万9864軒のうち1万5012軒(25.1%)で、そのうち1万4984軒(99.8%)が調剤基本料1を算定していた。

という一文です。

なんと薬局の数が5万9864軒とかかれています。

ついこの間まで58000軒程度だった気がしたのですが
(もっと言えば57000軒もついこの間だった気がするんですが)

2018年の6月の時点ですでに6万軒目前にまで数が増えているんですね。

ちなみに日調の四半期の出店数は8店舗が新規出店で4店舗閉店と言う事らしく

大手の新規出店はブレーキがかかり始めている一方で

着々と個人の薬局が増え続けていると言うことなのでしょうか。



それにしても

病院やクリニック等の医療機関は年々右肩下がりで減っているのに対し

調剤薬局も集約化の流れにおいて

逆に伸び続けて6万軒にタッチしようとするのは

何とも言えない感覚になりますね。


巷では薬剤師不足が未だに言われていますが

これだけ時代に逆行すれば薬剤師が不足ではなくて

薬局を作り過ぎている感も否めません。


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