大手調剤の目標に呆れる






最近の薬局やドラッグストアの業績のニュースは

本当に良いニュースばかりでしたが

さすがに来季は若干陰りが見えてきそうです。



調剤薬局大手4社の2016年度の業績予想が27日出そろった。連結純利益はいずれも過去最高を更新するが、伸びは鈍化する見通しだ。4月の診療報酬改定の影響で増収率が鈍るうえ、1人の患者を同一の薬剤師が担当する「かかりつけ薬剤師」制度で人件費が増える。
薬局4社の16年度、純利益最高 人件費増え伸びは鈍化



そして気になるのが次の一文。


各社は店舗網の拡大や薬局以外の事業強化で増益を確保する。



やっぱりこのへんが薬局がバッシングをくらう所以だと思いますよ。


いや、これは日経新聞の記事なので

当然企業の業績や来季の見通しや方針などを記す必要があり


「店舗網の拡大で総益を確保」というのは当然の事かもしれませんが

それは何のための店舗展開かと言われたら

どう言い逃れしても

「利益確保のため」となります。



もちろん大手薬局は株主のために業績を上げる事が

一番の目標のはずです。


しかし元をたどれば医薬分業とは

「専門知識と技術の発揮を行うため」に薬と医を分離した歴史があります。

あくまで薬局というのはその「ツール」でしかないわけです。

ただ今の大手チェーンなどを見てみると

そのツールは完全に

「利益をもたらすためのツール」

と化しています。


むやみに利益が見込めそうならば薬局を立てる、立てる、立てる。

そして結果箱だけ作って薬剤師が足りないと薬剤師確保が大変と叫ぶ。

結果中小の薬局は薬剤師確保に翻弄されて

さらに薬剤師不足のような状況を作っているのに

今や医薬分業率は70%という結果に。


薬剤師不足だからという建前で大学の人気取のために

薬学部を新設しようというアホな所もある。


いや、これは今あまり関係ないのでとりあえず置いときますが。



とにもかくにも

このツケは必ず回ってきます。


それが大手だけならばいいのですが

結局すべての薬局や薬剤師にも影響することになります。

というよりもすでに影響を及ぼしている現状があります。



実は調剤薬局の売り上げ上位10社が占める売り上げは

調剤薬局全体の売り上げは14%しかありません。
調剤薬局市場とドラッグストア市場の売上高対比

今後M&Aが進んでこの割合は変わっていく事でしょうが

それでも現状はたった14%。

しかしそんな14%が与える影響は本当に大きいです。

特に上場企業ならばなおさらです。

ただ、もう医薬分業や薬局の意義なんてのは

完全に二の次のレベル。

利益確保のための店舗展開。




これだけ違う視点で薬局を見るのであれば

分業バッシングが行われるのも

「さすがに仕方ない」と、いち薬剤師でも思ってしまいます。

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医薬分業について思うこと

医薬分業



医薬分業がとうとう70%に達したみたいです。



日本薬剤師会は27日、保険調剤の動向「2015年度調剤分(全保険・速報値)」を発表した。処方箋の受取率(分業率)は70.0%で前年度の68.7%から1.3ポイント上昇。厚生労働省が完全分業を達成するため、1997年に全国37のモデル国立病院に対して指示した「院外処方箋受取率70%以上」をクリアした。
分業率が70%に到達‐15年度保険調剤の動向


これで今後も分業バッシングが続きそうです。



ただ、一般の人が「院外処方は高すぎる」言うならまだしも

医師会が非難するのはそれはどうかと思うんです。





元をたどれば1956年に

医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律

いわゆる「医薬分業法」が施行されました。

ただ、医師法第22条を規定し

原則処方箋の交付が必要となった法律に「抜け道」を作って

ほとんど分業を進めてきませんでした。


つまり当時医薬分業は猛反発を食らっていたんですね。



しかし医師会が

「技術料中心の診療報酬方式に転換」を決めた事により

医科の再診料引き上げと共に

処方箋料が6点から50点に引き上げられ

分業元年と言われる年になりました。


ただ、それでも当時は年間500万枚ほどの院外処方箋枚数。


理由としては薬局自体の数がまだまだ少なかったというのと

依然として病院での「薬価差益」にうまみが充分ある時代でした。


そしてその後

病棟の薬剤師業務の評価が始まり点数も付き始め

薬価差益が徐々に縮小。

さらに大手薬局が店舗を拡大した事で一気に分業が進みました。



つまり最初は猛反発していた医薬分業制度。

法律が作られて原則処方箋の発行の義務があっても抜け道を使い反発。


しかし医薬分業でのメリットの方が高いと判断すると

手のひらを返した様に処方箋を外に出し始めたんです。


「医薬分業には反対」という立場なのにです。


更には医師会は分業バッシングで

「診療報酬改定で薬局の点数を減らせ」と叫ぶのに

処方箋を院外処方し続けているんですよね。



言ってしまえば

医薬分業という選択肢を選び続けているんです。

そもそも処方箋が院外に発行するのは薬局の意思ではなく

病院の方針です。

薬局が勝手に隣に出来たからと言って院外処方にする義務はありません。
(法律はありますけど)


それなのに「薬局は設けすぎ」と叩くのはどうかと思います。





ただ、散々言ってきましたが

正直薬局側も「胸を張って医薬分業は正しい」

と言えない部分もあると思います。



というのは各薬局では

「うちは薬局として真っ当な仕事をしている」

という薬局は多いはずです。


しかしそうでない薬局があるのも事実。

ですから良く言われる

「分業のメリットが感じられない」
「薬を渡しているだけである」

なんていう薬局は議論の場でバッシングのネタに使うのではなく

実際に個別にバンバン処罰して行けば良いと思うんですよ。

「門前薬局が薬を渡しているだけの現状がみられる」

と何のデータもない事を議論の場で言っても説得力がありませんし

もしそんな薬局があるのならばリークすればいいと思います。



もちろん処罰の対象を決めていく上で冤罪があっては困りますが

昨今の薬歴未記載や無資格調剤で逆に訴えたパターンってないですよね。

きっと本人たちも分かっていたと思うんです。






やはり形だけの薬局がある中で

分業否定派にいくら

「ダブルチェックが~」
「薬の一元管理が~」

と言っても分業のメリットよりもデメリットの方が

強く印象付いてしまうのは仕方ありません。

ですから薬局もダメな薬局は淘汰すべきだと思います。



医薬分業が70%。

この70%という数字に意味があるとは思えませんが

今後も薬局が有り続けるために

再度医薬分業の意味を見直す必要があるのではないでしょうか。




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無資格調剤は即刻ゼロへ



無資格調剤


昨年話題になりました無資格調剤。

これは

「ファーマライズホールディングス」が事務員に無資格調剤をさせたとして

厚労省が2015年6月25日に

「当該事案を含め、少なくとも軟膏剤、水剤、散剤等の医薬品を薬剤師以外が直接計量・混合する行為は、たとえ薬剤師による途中の確認行為があったとしても医薬品医療機器等法の違反につながる行為」


という通知を行いました。



その後全国の薬局でどのような動きがあったか分かりませんが

「おそらく」大手調剤はさすがに対応した事でしょう。

ただ、「おそらく」依然として多くの薬局で無資格調剤があるのではないでしょうか。

これはやはり放置できない問題です。


個人的には問題だと思う大きく2つの理由があります。


まず1つ目ですが、おそらく今後

無資格調剤バッシング

起こると思います。


と言うのも

「お薬手帳を忘れたら3割負担で40円高くなる」

という時代なので

薬局の事務がパッと取った軟膏1つで

調剤料10点というのはいずれ問題視されると思います。
(調剤料が10点が適切か否かはとりあえず置いておきます)


そして仮に全国的に無資格調剤が問題視されるとします。

すると色んな議論が挙がると思います。

これに便乗して「テクニシャン導入」という案も挙がるかもしれません。

そうなると対抗しますよね。



我らが薬剤師会が。



薬剤師の職能を狭める行為であると。



しかしそんな薬剤師会が

「薬剤師以外が調剤するのはけしからん」

なんて言えますか?

説得力のかけらもありません。



さらにもう1点無資格調剤で問題になるのは

色んな人が被害を被る点です。


仮に事務員が調剤をしている薬局が

無資格調剤の薬局として罰されたとします。

ただおそらく事務員は指示を受けただけで罰されることはないでしょう。

じゃあ

「無資格調剤を指示した薬局の経営者や管理薬剤師のみが罰されるのでOK」

という話では当然ありませんよね。


その薬局が長期の業務停止処分を受ければ

そこで働く事ができなくなるわけですし

薬局に来ていた患者さんも迷惑を被る事になります。





ただ、そもそもダメと言われている無資格調剤に関して

ダメと思う理由も何もありませんが

現時点で薬剤師以外が調剤を行う薬局は

「おそらく」そこそこあるでしょう。



調剤業務をすべて薬剤師にやらせたら負担が大きすぎるし

周りも無資格調剤の薬局がたくさんあり

なにより罰される可能性は極端に低いので人件費を考えたら

「無資格調剤やったもん勝ち」

なんていう考えは即刻変えなければななりません。



今では調剤業務を補助する機械も発達し

設備投資をする手段だってあります。

薬剤師が足りないなら新たに人員を増やしてもいいです。

それでも薬剤師が来ないのは薬局の自己責任。

無資格調剤を許す理由には全くなりません。



実際に昨年の無資格調剤問題の時も

薬剤師会の山本会長は

「薬剤師は医療の担い手の一員として、薬局は医療提供施設として、国民に対して適切な薬物療法を安全に提供するという責務を負っており、無資格者による調剤や服薬指導が行われているとすれば、薬剤師の存在をも否定されることになると受け止めなければならない」

と言っています。




しかしこの無資格調剤問題。


少し風化している気がしませんか?




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