生活保護受給者にジェネリックを使うとなぜ「差別」になるのか??





生活保護のジェネリック



「生活保護受給者にジェネリックを使うのは差別」
「薬を選ぶ権利もないのか」

という表現を今でもたまに目にしますが

大分理解に苦しみます。


医療の観点からの薬の差別としては

例えば血糖値が高い生活保護の人に対して

「本当はDPP-4阻害薬を使いたいけどジェネリックがないからグリメピリドを処方しよう」

と言うのならばまだ理解できます。

しかし実際はそういう事ではなく

ジェネリックがある薬は

優先的にジェネリックを使いましょうというだけの話しです。


それを頭ごなしに

「ジェネリック=安い=悪い」

という理由で拒否したり

「どうせ無料でもらえるんだから高い方を貰っておこう」

なんていう人もいるでしょう。


この感覚大分ズレています。


例えばこれが家電だったとしましょう。

ちょうどジェネリックという概念は家電にもありますから

ジェネリックの扇風機の購入を考えるとします。


お店には5000円の扇風機と

3500円のジェネリック扇風機があったとします。

普通この2つを検討する時は

「じゃあ安い方は高い方と比べて何が違うのか?」

という事を検討してから購入を決めると思います。

言わば「安い方でも問題ないか」という視点を重視する

という事ですね。

これが自分の中で特に問題なさそうであれば

当然安い方を購入するはずです。

しかしこれがどちらも無料となると話が違ってきます。

とりあえず高い方が欲しいと考える人が一定数いるんです。

「いやいや。生活保護の人には選択の余地もなくジェネリックを使われるぞ」

という人もいるかもしれませんが

それは先発品との違いを十分に説明できなかった薬剤師の力不足か

生活保護の人が話を聞こうとしなかったかのどちらでしょう。


ただあれだけ厚労省の呼びかけがあり

薬局でも使用を促しているのにそれでも6割とちょっとの使用率というのは

断固として受けれ入れない層がそれなりにあるのだと思います。


そしてそれは大問題で

頭ごなしに何の考慮もなく高い方を選ぶというのは

違うと思うんです。




生活保護というのは公的扶助。

つまり「支え合い」で成り立っており

生活に困窮しているため、自立を助長するための手助けをするための制度です。


そしてただでさえ社会保障費の中の医療費も右肩上がりの時代。


生活保護受給者でなくともジェネリックの使用を2020年度までに80%に押し上げて

少しでも医療費を抑えようとしています。



そんな足元から揺らぎ始めている医療費及び社会保障費の現状がある中

なぜ助け合いの精神が必要な中で

率先してジェネリックを使用したくないのか

理解に苦しみます。

むしろこっちが納得のいく説明をして欲しいくらいです。


「あなたはなぜ殿様なんですか」と。





もちろん絶対ジェネリックでなければならないという訳ではありません。

一旦使用してみて、どうしても合わないと思ったら変更すればいいんです。


使用率80%を目指している時代です。

もはやジェネリック=劣化品なんていう概念はなくなりつつあります。


しかし生活保護擁護派の人は言うんです。

生活保護の人がジェネリックを使用しても

大した医療費削減になっていないと。

ここでは詳しく書きませんが

「生活保護 ジェネリック」でググればたくさん出てきます。


これに関しては

もうアホとしか言いようがありません。


生活保護受給者が2015年に使用した薬のうち

ジェネリックの使用割合は63.8%だったそうです。

そして45億円以上の削減になりました。



確かに生活保護受給者の医療費が1.5兆円オーバーの中

45億円の削減は微々たるものかもしれません。

しかし大切なことはお金の多寡だけでは決してありません。


実際に生活保護の人よりもはるかに少ない収入で生活し

医療費もしっかり負担している人もいるわけです。

そんな中できれいごとかもしれませんが

1円でも安く済まして医療費を下げる事に貢献するのが

ある種生活保護受給者の義務ではないでしょうか。





ただ、問題がある人はほんの一部だと思います。

しかしその一部のせいで全体が非難される程理不尽な事はありません。


ですから現場で生活保護受給者で断固としてジェネリックを拒否する人がいる場合には

じっくりその「理由」を聞いてみましょう。

まあ話してくれない人が大多数でしょうが。
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院外処方全面禁止は誰のため??





院外処方全面禁止


関西医科大学総合医療センター(守口市、477床)は5月6日の新本館開院に伴って、院外処方箋の全面発行を中止し、外来患者の調剤を原則院内で行う方針に改めた。患者の費用負担を軽減し、1カ所で薬を受け取れることで利便性を向上させて、病院の全体的な評価を高めることが目的だ。約16年間全面発行を続けてきたが、そのメリットを十分に感じられなかったという。
院外処方箋の全面発行中止‐門前中心分業に「メリット感じず」


この病院の門前薬局がどれほど

「メリット」

を感じさせなかったかはわかりませんが

病院側の

全面発行を続けるより院内に戻した方が患者サービスは向上すると見込み

それによって病院の評価を高めたいという。


というのはどうかと思ってしまいます。


実際に門前薬局が

ただ薬を調剤して渡しているだけの現状であったならば

院内調剤にした方が

お金もかからないし時間も短縮されて

メリットの方が大きいでしょう。


ただ16年院外処方をやってきて

「メリットが感じられなかった」

「薬局が住民の役に立っていない」

と判断するのは一体だれ目線で判断した事なのでしょうか。


まあ今回院外処方全面禁止に踏み込んだ本当の理由が

門前薬局の怠惰な部分があからさま過ぎたのか

単に病院側と薬局側がこじれたか

病院の利益追求のためか良く分かりませんが

心配な点が1点。

それは院内の薬剤師だけで処方をさばけるのか

という点です。


外来調剤要因として新規に薬剤師を11人増やし

40人体制にしたみたいですが

病棟業務には引き続き力を入れるみたいです。


となると

「院外処方箋の発行枚数は1日約700枚。以前は100%に近かった院外発行率は40%台半ばになった」

という事みたいなので

今は1日約800枚ぐらいの処方箋が院内で処理されている事になります。


これをもし処方箋75枚に1人で行うのであれば

現時点で薬剤師11人は数字上は合っていると思いますが

どう考えてもオーバーワークだと思うんですよね。

薬局1人で40枚も多すぎるぐらいなのに

病院が75枚に薬剤師1人でやれるはずがありません。


そしてこれだけ規模の大きい病院ならば

よその病院からの薬もあるため

一元管理が必要な人も出てくるでしょう。


そんな状況で

「患者サービスの低下」

を院外処方全面発行禁止の理由に挙げていますが

少人数の薬剤師で門前薬局数件分の処方箋を処理する方が

はるかに患者サービスは低下するのではないでしょうか。


一応院外か院内か選べるみたいであり

「結局決めるのは患者さんだ」という様な形にはなっていますが


医師は必要に応じて診察時に患者の意向を聞き、電子カルテ上で院内か院外かを選択する


という事で、選択の余地は本当にあるのでしょうか。




そもそも受け取りにかかる時間とお金だけを見て

患者サービス云々と言うのであれば

これはもう議論の余地はありませんけどね。



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同じ薬剤師が同じ薬局で働くということ






薬剤師の知識の積み重ね



少ない薬剤師でいかに対人業務にシフトするか

という事に対して必要なものが

前回の設備投資に続いて


→薬局に最も必要なものは投資の1つは「設備投資」



「同じ薬剤師が同じ薬局で経験を積む」

事が挙げられると思います。



基本的に、小規模の薬局や個人開業の薬局では

同じ薬剤師が同じ薬局にいる事は当然の事だと思うんですが

ある程度規模が大きくなると

「薬剤師の派遣登録を行い、人が足りない時はヘルプで来てもらう」

「シフト上、同じ企業内で薬剤師をローテーションで配置する」

という事が薬局の中では日常的に行われています。


これは人手不足の薬局からすると効率の良い制度で

これだけでも処方箋枚数40枚につき薬剤師1人というハードルを越える事もできます。


しかしそれを効率的と呼ぶかどうかは、はなはだ疑問が残る所です。


と言うのもやはり同じ薬剤師が同じ薬局で仕事をしていく上で

蓄積されるノウハウというのはかなり大きな役割を占めると思います。


例えば、慣れてくると当たり前の処方内容でも

初見では扱った事がない薬に戸惑う事も多く

十分な指導ができない可能性があります。

ですから直前に知識を詰め込む必要性がある訳ですが

それにより1人にかける調剤から投薬の時間というものは

より長くなってしまいます。

もちろん投薬直前に知識を入れるという事は大切なため
(事前に入っている事に越したことはありませんが)

患者さんに待ってもらうのは仕方のない事かもしれませんが

待っている患者さんに非はありません。


ただ、それならば最悪まだいいとしましょう。

最悪なケースだと、薬情を読み上げているだけで

「なんちゃって服薬指導」で切り抜ける人もいます。

はっきり言って長年同じ薬局で事務をしている人の方が

詳しく説明できるんじゃないかというレベル。

もちろん入社したばかりで、まだ右も左も分からない

新米薬剤師もいると思いますが

そんな薬剤師ばかりの薬局ならば行くのを止めた方がいいでしょう。

そこや薬剤師のいる薬局ではなく

薬剤師免許を持っている人がいる「だけ」の薬局です。



ただ基本的にずっと同じような薬を扱っていくと

ある程度の向上心があれば自然と知識はついてくるものであり

やはり同じ所で実践して学ぶという経験は

服薬指導において大変意義のあるものになります。



また、個別の患者さんの対応に置いても

「あの人はいつも話を聞こうとしない人だよ」

などという情報が薬局内に蓄積されていれば

つらつらと1から10までの説明をするのではなく

本当に重要な部分をまず説明して

残りは相手のリアクションで判断していくような事も可能です。

あと細かな面で言うと

「軟膏の容器は大きい方を希望する」とか

「散剤はマーカーで色付きを希望する」など

個別に対応する幅も広がります。


病院との関係性に置いても

同じ薬剤師がいることは大きなメリットでもあります。


例えば昨今、病院と薬局間での取り決めの中で

「疑義紹介不要の項目」などというものが

一部の地域では進みつつあります。

これは良く起こりうる疑義照会の内容を取り上げ

病院と薬局が議論して合意書を交わす事で

疑義をする必要をなくすようにしたものです。

例えば漢方の用法の変更や錠剤から散剤やOD錠への変更など。

漢方を必ず食前に服用するように処方する医師が

たまにミスで食後服用にしたりしますよね。

その様な疑義を省略しようという合意書です。


これにより浮いた時間をよりきめ細やかな服薬指導に充てる事が可能となります。


そしてこれらの事例はおそらくメディアが報じていない以外にも

おそらく全国の薬局‐病院で行われていると思います。

特にマンツーマンの所では顕著でしょう。


これは同じ薬剤師が何枚も同じ処方箋をさばいているうちに

必要性を感じて行ったものでしょう。

これが毎回薬剤師が変わる薬局であれば

逐一疑義照会する事になり時間の短縮は図れません。

つまり同じ薬剤師が同じ薬局にいる事で

調剤に置いても病院との連携においても効率化が図れるんです。


これからより対人業務へとシフトしていく薬剤師業務において

できるだけ時間をショートカットできる部分は行うべきだと思います。


2016年度からかかりつけ薬剤師指導料が新設されました。

薬剤師業界からはかなり非難の色が強い制度ですが

これにより良かったと思う面は

「薬剤師を同じ薬局に定着させる様な流れを作った」という点では

個人的にかなり評価できると思います。


やはり同じ薬剤師ができるだけ同じ薬局にいる事で

調剤に関する面、患者さんの性格、そして病院との連携という面で

かなり優位に立つことができ

それが結果的に業務全体の効率化に繋がります。


ですから前回書いた「設備投資」と合わせて

「同じ薬剤師が同じ薬局で経験を積む」事は

あらゆる面での効率化及び知識の蓄積になり

これからの人手不足を乗り切る武器になるでしょう。



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