医療用のやせ薬は合法だから問題ないのか?



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マジンドール


肥満治療に使われる向精神薬を「やせ薬」として中国人に大量に密売したとして、九州厚生局麻薬取締部は、福岡県大野城市の「あおぞら薬局」経営の薬剤師加藤聡容疑者(43)=同県太宰府市=を麻薬特例法違反などの疑いで逮捕・追送検し、24日発表した。「金もうけのためだった」と供述しているという。
向精神薬を「やせ薬」として大量密売 容疑の薬剤師逮捕




薬があまりにも結果にコミットしてしまうため

それに目を付けたブローカーと

それをサポートした薬局の経営者が起こした問題。

特に語る事もなく薬局が悪いです。



それにしても

最近の薬局の事件は

何と言うか、捨て身覚悟とも思える様な事件が多い印象。

もちろん公になるくらい大胆な事をするため

結果世間の目にさらされているのはあるかと思いますが

例えば自分で高額な薬を処方してもらい

レセプト請求だけして

診療報酬支払だけを受け取るような薬局。

しかも漢方を65年分や

1錠1300円を560錠処方するなど

そりゃあバレるでしょ

というものが多い気がします。


事件ではないですけど

ついこの前起きた薬歴未記載で業務停止になった薬局も

あれだけ警告を受けていたのであれば

どうにでも対処できたはず。



そして今回の転売する薬局に関しても

昨年4月から10月にかけて約2万錠を密売していたわけですから

これだけ売れればメーカーが

「どうも、いつもマジンドールがお世話になっております」

とあいさつに来るレベル。

卸の方も薬局が分散させて発注していたとは思いますが

さすがにおかしいと気付くレベルでしょう。

本気でバレないと思ってやっているのであれば

逆に心配してしまうぐらいの話しです。





そして今日見たニュースですが

中国人観光客向けに処方箋が必要な医療用医薬品を横流ししたとして、警視庁が、医薬品卸売会社「美健ファーマシー」(東京都千代田区)の社長や医師の男ら計4人を、医薬品医療機器法違反容疑で逮捕したことが、捜査関係者への取材でわかった。

中国人に処方箋薬を横流し容疑、業者・医師逮捕

卸会社2名と仲介人と中国人ブローカーと病院の医師が関わって

処方箋薬を横流ししていたというニュースなんですが

こちらは薬局とは違い

医師・卸・ブローカーと手を組んでいたとしても

やっぱりバレてしまうんですね。


今さら言う事でもありませんが犯罪行為は止めましょう。




ただ個人的には

「法を犯していなければ問題ないのか」

という事が気になります。



実際に今回密売された薬も

医療用という側面よりも

「ダイエットのためのサプリメント」的な側面の方が大きいのが現状。


しかし薬としては

厚労省認可の薬であり品質の担保もされ

保険適用外の自由診療であり保険は使われない。
(基準の下、過度の肥満症と診断されない限り)

1錠500~1000円と言われる薬を実費で支払っている。

そして患者さん側も自分で選んで

薬を処方されやすい美容系のクリニックや病院を受診している。

これらはもちろん犯罪行為ではないわけで

患者さんもある意味自己責任で行っている事です。


もちろん中には精神系の薬の副作用により体重が増えてしまい

薬を減らしたい為に過食を抑える目的などで使用する方もいる事でしょう。


じゃあ何も問題ないんじゃないの?

という意見もあるかもしれませんが

果たしてそれでいいのでしょうか?


もはや一部では

「薬を飲めば誰でも簡単に痩せれる」

という話しだけが一人歩きしてしまい

それを良い事に、一般の方も利用しやすいようにハードルを下げ

自分達の利益を第一に考えて

本来処方すべきでない人にまで向精神薬を処方する行為がある以上

守るべき最優先は美容以前に医療としてのモラルだと思います。

健康は言うまでもありません。


もちろん「痩せる」などと言った外見でのコンプレックスというのは

第三者が思っている以上に

当事者からするとそれこそ健康以上の悩みであるかもしれません。

「多少身体を悪くするぐらいならば薬でも何でも使って痩せた方がまし」

という人も決して少なくないと思います。


ただ今回問題となった薬などは向精神薬にも指定され

本来ならばBMIが35%以上という

言葉は悪いかもしれませんが、日常生活を普通に過ごしている中で

そう簡単に達する事のできないレベルの肥満に適応されるべき薬であって

痩せるための手段としては

本当に最後の砦ぐらいの感覚であるべき薬。

「少しでも痩せて見栄えを」という次元の薬じゃないはずです。




そして合法ならば問題ないのかという話しに関して言えば

中国人観光客に対する医薬品の爆買いも問題だと思います。

処方箋薬は当然いけないがOTCならば

お菓子や化粧品と同様に大量購入させてもいいのかと言えば

決してそんなことはなく

こちらもまた利益追求型ではあってはならないと思います。


そもそも毎年厚労省は

「医薬品販売制度実態把握調査」という名目で

OTC販売に関して正しく法令遵守されているかの調査を行っていますが

これ、爆買いの中国人に関してはどう思っているんでしょうか。



そもそも個人的には

インバウンドには賛成派なので本当は喜ばしい事なんですが

それとこれとは話が別です。


現場ではどうなっているんでしょうね、ツ○ハさん。
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続・生活保護者の医療費問題



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生活保護者


早速昨日の

橋下徹氏が考える生活保護受給者の医療費問題について

へのコメントを頂きました。


生活保護受給者に関する意見は賛否両論あるなかで

しっかりと自分が書いた事に丁寧に意見を述べてくださった事に感謝します。



そして再度改めて思った所があったので書かせてもらいます。



まずそもそも論ですが

生活保護受給者は医療費ゼロの方が良いに決まっています。


もっと言えばうちの祖母の様に

少ない年金から医療費を負担している者もいる事を考えれば

後期高齢者も医療費ゼロが良いに決まっています。

そして将来のために子供も医療費ゼロが良いです。

年金も受給年齢を上げる事なく65歳からもらえ

若者も今の高齢者ほどの年金をもらいたいですよね。

介護士や保育士の給料が増えて待機児童ゼロや介護離職ゼロ。

医療従事者も我々薬剤師もプラスの診療報酬改定が続いて

高い給料が欲しいです。


しかしどれをとってもそれが理想でしかない理由は1つ

今の医療や年金などの社会保障がこのままでは持続不可能だからです。


別に生活保護受給者を批判したいなんて全く思っていません。

もちろん意図的にジェネリックを毛嫌いしたり傲慢な態度を取る受給者に関しては

かなり腹が立ちますがそれはほんの一部である事は間違いありません。

昨日書いた「薬を転売する生活保護受給者」も一部でしょう。



しかし将来の事を考えれば広く浅く痛み分けをしていかないと

制度自体が根本から腐っていってしまうという話しなんです。

「生活保護者は正当な権利を行使しているだけ」

という意見をもらいましたが

正当な権利を持続可能なものにするためにも

少しずつ変えていく必要があると思います。

そして

「あなたの祖母のような患者にも医療費無料などの社会保障の充実を訴えていくべきなのでは?」

という意見に関してですが

現実的に後期高齢者の医療費無料化は厳しいわけで

個人の負担が増えるこの時代に無料とはなりえないでしょう。

一方で、今60歳以上の高齢世帯の生活保護受給者が増えているのも

問題になっている事実があり

このままだと将来的に日本の高齢者は生活保護者であふれかえる事になるでしょう。



そして医療費自己負担導入の件ですが

例えば仮に1割負担を導入したとします。

そこでもし肺がんになった場合は

年間3500万円かかるオプジーボを使用するかもしれません。

そうなるといくら高額医療が適用されたとしても

とても普通の生活は送れないでしょう。

仮にオプジーボでなくとも

日常の生活に支障をきたす自己負担にまでなってしまうと問題なので

もし自己負担を導入するのであれば

そこらへんも含めての整備は必要になってくると思います。


じゃあ受診制限で良いのではないか?

というコメントの方のような意見もあると思いますが

個人的にはあまり賛成ではありません。


と言うのも

やたらと色んな病院を受診するのは確かに問題ですが

最も問題なのは1回の受診にかかる費用の問題。

そして過度な入院にかかる費用だからです。


例えば風邪で病院を受診したとして

本来ならばよほど症状がひどくない場合は簡単な診察と投薬で済み

病院も再診料と処方箋料+薬局での費用くらいしかかかりません。
(ホントはそれでも十分お金はかかってはいますが)


しかしこれを無料だからと無駄に検査漬けにして薬も多種を投薬すれば

結局1回受診当たりの単価がべらぼうに高くなってしまい

根本的な解決にならないと思います。

そもそも受診回数の制限を行ったとしても医師から

「次は来週来てください」

と言われれば行くしかありませんし

「少し入院して様子を見ましょう」

と言われれば入院するしかないでしょう。


もしこれが生活保護者以外の人ならば

「あの病院はすぐ検査&入院ばかり」という悪評が広まり

当然お金もかかり患者さんが離れる事になるでしょうが

これが自己負担ゼロならば

「手厚く診てくれる良い病院」と判断する人も出てくるでしょう。


この話しに関しての問題点は

もちろん医療費負担ゼロの生活保護の抑止力が働かないと言うのもありますが

やはり問題は

「一部の」問題のある医療機関

というのもあり

昨日も書いた通り

医療を提供する側も考え直す必要があると思います。



そしてもし生活保護者も自己負担が導入されれば

医療機関もさすがに考えて検査や投薬や入院を行うでしょうし

それでも医療費が高くなるように仕向ける医療機関であれば

そんな医療機関は淘汰されるべきです。

つまり病院側の抑止力にもなります。





最後に1つだけどうしても納得できない事がありまして

生活保護者の方々は充分な教育を受けられなかった人も多く、自身のジェネリック拒否や頻回受診が与える影響が理解できないのではないでしょうか。それを考慮せずに罰を与えるように自己負担を導入するべきなどと言うのは公共の福祉に反していると思います。


というコメント。


確かに生活保護者の中には自分では正しい判断できない方もいるでしょう。

環境的に十分な教育を受けれなかった方もいるかもしれません。

それなのに自己負担を導入するというのは

公共の福祉に反しているかもしれません。


しかし身体や心に問題があって判断できない状況の方ならば分かりますが

少なくともしっかり判断する能力があって生活保護の申請に来ている方は

生活保護費が助け合いの中成り立っている制度である事を

100%間違いなく理解すべきです。

これは最低限の義務です。


それを「理解できないから仕方ない」で済ますのは大問題だと思います。


それは「理解できない」ではなく

「聞く耳を持たない」じゃないですか?


きっと多忙なケースワーカーさんもしっかり伝えてくれてるはずです。



そして権利を主張するならば

率先して医療費削減に全面的に協力するのが筋ってもんでしょう。

それこそ「一部の」という話しになってしまいますが

そこらへんのモラルが崩壊しているからこそ

問題視されている面もあるのではないでしょうか。







それにしても皮肉な事に、このコメントをくださった方が

「古来から医療人が人々に信頼されてきたのは、医療人が常に弱者の味方だったからに他なりません」
「医療人には弱者の側に立ってもらいたいと思っています。」


と言ってくださっていますが

信頼を培ってきたのは医療人である反面

それをビジネスにしているのも

弱者の味方のふりをした一部の医療人が加担している現状を考えると

ホント情けない話しです。

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橋下徹氏が考える生活保護受給者の医療費問題について



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生活保護


今週の月曜(8月22日)に放送された

「橋下×羽鳥の番組」にて橋下さんが

「生活保護受給者の一番の問題点は不正受給よりも医療費の問題」
「医療費がタダだから抑止力が働かず、病院もまたそれを狙っている」


という様な意図の発言をしていました。

そしてその解決策として

「生活保護受給者も自己負担を発生させるべき」

という事を話していました。



全くの正論だと思います。



そもそも生活保護受給者は地域によって異なりますが

月額10万円以上支給され、その中でかかる医療費はゼロです。


一方うちの祖母を例に挙げますと

現役時代は亡くなった祖父と自営業を営んでいて

40年間ずっと年金を納め

今は年金を月額6万円くらい受け取りつつ

その中で週2回病院を受診してリハビリし

自己負担の1割を支払っています。


何だか当たり前の事をしているだけなのに

かなり「損」した気分にさせられませんか?



そもそも生活保護自体は社会的救済として

働いて生活していく力のない方にとっての大事なセーフティーネット。

そこに高齢者や医療を受けている人が多いのは分かります。


しかし少ない年金の中でやりくりして病院を受診している年金生活者がいる中で

医療費がゼロで、しかも倍の月額のお金を貰っている事自体

おかしな話だと思います。




そして番組でも触れていましたが

生活保護受給者による薬の転売も問題です。

何が問題かと言うと

医療費ゼロで得た薬を売って儲けるのも確かに大きな問題ですが

個人的に一番問題だと思う事は

仮にその人の行為がバレて捕まったとしても

その期間は「生活保護受給停止」となりますが

結局釈放されたら再度生活保護の申請をして

また生活保護の生活に戻れる点です。

なぜかと言えばもちろん

「健康で文化的な最低限度の生活が確保されるから」

なんですね。

かなりローリスクハイリターンです。

こんなモラルハザードが跋扈しそうな仕組みの中

やはり自己負担ゼロというのは考え直すべきだと思います。
(そもそもこれは自己負担以前の問題でもありますが)


この議論になると

「自己負担が発生して手遅れになったらどうするんだ」

という意見が間違いなく出てきますが

はっきり言ってこのままだと


医療費破綻は待ったなし。


国民皆保険が守られているのも

今の医療制度がギリギリ成り立っているからできるだけの話であって

今以上に高額な薬が世の中に多く生まれ

それを今の体制のまま、どこにも負担を強いる事なしに

向こう数十年やっていけるかと言われればほぼ100%不可能です。


そうなると根本的に

「病院を受診して治療をしてもらい薬をもらう」

という今では「半ば当たり前」のハードルは格段に上がる事になり

結果負のスパイラルに陥り多くが共倒れする事になります。

当然生活保護受給者の医療費負担額および支給額にも影響を及ぼすでしょう。





一方で出産や子供の医療費にかかる費用はゼロでも良いと思うんです。

何だかんだ言って出産育児一時金があるとしても

妊婦検診や出産費用、そして出産後のマタニティ用品など

かなりの出費を要し

子育て中の医療費もそれなりにかかるわけなので

その手助けとして主産や医療にかかる負担をゼロにしてあげれば

多少少子化にも歯止めがかかるのではと思います。

ただし薬はジェネリック必須。

子供は将来的に医療費を支えてくれる立場であり
(もちろん医療費だけではありませんが)

単に出ていくお金を削るだけではなく未来への投資も重要です。


ただ、あれだけ待機児童問題や子育て支援が問題となっていて

誰もがその重要性を口では訴えておきながら

結局その分のしわ寄せが一部の人間や国民全体の負担となると

急に血相を変えて猛反発する人がいますが意味が分かりません。

お金は沸いて出るものなのでしょうか。




おそらく今年の年末に

「世間を賑わせた人」として登場するであろう

あの舛添さんが厚労省時代に

「生活保護受給者は強制的にジェネリックを」

的な通知をした瞬間に

「人権を無視している」

と非難の嵐にさらされ、即座に撤回した経緯もある事から

「生活保護受給者は1割負担」なんて言った日には

かなりの論争が巻き起こる事でしょう。


しかしやはり現状を考えたら生活保護受給者は

セーフティーネットの基準が時代の反映なしに来ている事からも

今後は多少の負担を共有すべきだと思います。



ただ、番組で橋下さんも言っていましたが

生活保護費の半分は医療扶助費であり

その中でさらに半分は入院費が占めているそうです。


やはりこれは生活保護を受ける側もそうですが

医療を提供する側も考え直すべきでしょう。




身近な所で言えば自己負担ゼロの人への

かかりつけ薬剤師指導料の同意。


本来ならば多くの医療機関を受診し、薬をもらい放題な

生活保護受給者の薬を一元管理するためにもってこいの制度のはずなんですが

どっかのアホな薬局が

ただの金儲けのために取りやすい所からばかり

かかりつけ薬剤師指導料の同意を得たりしたものだから

完全にマイナスイメージ。

ここぞと言う時の使いどころを大きく間違えて自爆しています。


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